「あなたも分かる?」 ハンドル交換で愛車が「変化」する? サブスクだけじゃない「KINTO」のスゴさとは
くるまのニュース / 2022年4月25日 18時10分
クルマのオーナー向けに愛車のカスタム・機能向上が可能な「KINTO FACTORY」が始まりました。トヨタ・レクサスのクルマを持っているユーザーに提供されるサービスとはどのようなものなのでしょう。
■サブスクだけじゃない! 「KINTO FACTORY」ってナニ?
クルマのオーナー向けに愛車のカスタム・機能向上が可能なサービス「KINTO FACTORY」が2022年1月28日に始まりました。
トヨタ・レクサスのクルマを持っているユーザーに提供されるサービスとはどのようなものなのでしょう。
日本ではクルマの平均保有年数が伸びています。
その理由はさまざまですが、そのひとつはクルマの耐久性・信頼性の向上でしょう。
普通に使えば10年くらいは重整備をおこなう必要なく乗れるようになっています
ただ、長く乗っていて気になるのは、各部の劣化でしょう。
恐らく、走る/曲がる/止まるの部分は安全にも直結するので交換・修理は必須ですが、それ以外の部分、機能的には問題ないが、古さを感じてしまうような部分だとどうでしょう。
例えば、内装で普段手に触れる操作系は長年の使用で確実に劣化していますが、多くの人は「気にはなるけど、交換するほどでもない」というのが本音だと思います。
ただ、これらアイテムを交換するとクルマは確実に蘇ります。
実はそんなサービスをKINTOがスタートしたのです。
KINTOといえばトヨタ/レクサス車に「定額で乗れる」というサブスクリプションサービスを展開する会社だと思っている人が多いと思いますが、実はクルマ購入後に「あったらいいな」と思うようなさまざまなサービスを展開しています。
そのひとつが既販モデルに向けた愛車の機能向上サービス「KINTO FACTORY」です。
そのサービスのひとつが、内外装のリフレッシュ/再生をおこなう「リフォーム」と「アップデート」。そしてドライバーの嗜好に合わせて最適化をおこなう「パーソナライズ」は準備中だといいます。
勘違いされがちなのは、これらのサービスはKINTOのサブスク利用者のみが利用できると思われていることです。
それは大きな間違いで、KINTO FACTORYのサービスは誰でも利用可能だということです。
現在の展開車種はトヨタブランドがアクア/プリウス/プリウスα/アルファード/ヴェルファイア、レクサスブランドがUX/NX/CTなどです。
「サービスを体験するには対象となるクルマが必要だよね……」と思っていたら、くるまのニュース編集部:K副編集長の愛車(初代レクサスNX)が該当車種であることを確認。
ちなみにリフォーム内容は車種によってまちまちで、本革ステアリング交換やシート張り替え、ホイールキャップ交換といったリフレッシュ。
アップグレードは、インテリジェントクリアランスソナーやアクセサリーコンセント(1500W)、パワースライドドア/パワーバックドア、パーキングサポートブレーキ(静止物)といった機能の追加。
さらにはソフトウェア変更によるバージョンアップとして、ブレーキ時のカックンブレーキを抑える揺れを「なめらかブレーキ」などが用意されています。
これらは、車種や年式、グレードなどによって対応できるものが異なりますが、K副編集長のNXの年式/グレードで調べると本革ステアリング交換が可能でしたので申し込みを実施。
ちなみに作業までのクルマをディーラーに持ち込むまではすべてオンラインでのやり取りとなります。
現在の対応地域は東京/静岡のみですが、順次拡大とのことです。
今回は東京都内のレクサス若林で施工をおこないました。
作業前に交換前の状況をチェック。革のスレやホツレはありませんが、全体的にテカテカで触感も良くない状況です。ちなみにK副編集長に話を聞くと「自分から見えない部分にキズがあり、握ると常にそこが解るので気になって仕方ない」とのことでした。
作業自体は、元々装着されていたステアリングを取り外し、新しいステアリングを装着と、それほど難しいものではありません。
ただ、今のクルマはエアバックやステアリングスイッチ、センサー類が装着されているのでプロにお願いするのが一番です。
交換自体は手際よくスピーディですが、その後におこなわれるステアリングのセンター出しは細かな作業が必要です。
「同じステアリングなのになぜ?」と思う人もいるでしょうが、新車時はトータルで調整されているため、違う部品に交換するとそのバランスが崩れます。
それを元の通りに戻すにはミリ単位の細かい調整が必要になります。調整後にテスト走行をおこない作業は終了。
まずはオーナーにチェックしてもらいます。「違いが解らなかったどうしよう?」と心配していましたが、運転席のドアを開けて開口一番「全然違うよ~!!」と。
あの革のテカリは消え、新車時のようなシットリした風合いのステアリングに戻りました。大物部品がリフレッシュされると、インテリア全体もシャキッとします。
交換後に試乗をおこなってみましたが、「あれ、ステアフィールも良くなっている!?」と。
これはプラシボー効果ではなく、ステアリング操作時に革の滑りの良さや握りの感覚などが良くなったことで、そのような印象を受けたのでしょう。
ステアフィールの細かい味付けは、このような細かいところにもこだわっていることを再確認しました。
ちなみに作業終了後に施工証明書と合わせメーカー純正施行の証として「LEXUS UPGRADE SELECTIONS」のステッカーが車両に貼り付けられます。
さらにアップデートをおこなったアイテムにはしっかりと保証が付きます(今回のステアリング交換は1年)。
この辺りは純正の強みのひとつといえるでしょう。
■これからの「KINTO FACTORY」にも期待!
ただ、ほかの部分、例えばシフトノブやインパネ/ドアトリムが気になってしまうのも事実で、こちらも交換したくなってしまいます。
現在はステアリングのみの対応ですが、個人的には「〇点セット」といったようにパッケージ販売してもいいような気がしました。
また、せっかくのリフォームならば原状復帰だけなくイメージチェンジもできると嬉しいです。
例えば、加飾/ステッチなどの組み合わせ如何でカタログモデルにはないスペシャルなコーディネイトを純正品質で可能みたいな。
つまり、カスタマイズ需要もカバーできる要素があると思っています。
加えて、機能系パーツ変更による乗り味のアップデートなどもできると、リフォーム感は高まるのではないでしょうか。
新規開発は大変ですが、例えばヤリス/アクア(初代)のKINTO専売仕様「ツーリングセレクション」のパーツ/制御の流用、さらには初代86の年次改良アイテムのパッケージ化などができると、より幅も広がるのではないでしょうか。
現状は「シート表皮およびクッション部分の取り換え+本革ステアリングへの変更」に留まるが、今後もさまざまな商品化を検討しているという「KINTO FACTORY」
さらにいうと、現在は対応車種は販売ボリュームの多い車種が中心ですが、GR86やGRヤリスといった趣味嗜好が高いモデルへの設定があれば、知名度を含めてもっとブランドバリューも上がると思います。
筆者もそうですが、クルマ好きはクルマに掛けるお金は多いですので。
※ ※ ※
まだ、生まれたばかりのKINTO FACTORYですが、筆者はユーザーニーズをうまくつかみ取り、アジャイルな対応ができると大きく化けると思っています。
「純正ではないようで純正」という絶妙な存在であるKINTO FACTORY。クルマ好きの人、是非ともお見知りおきを。
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