1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

輸入車なのに燃費リッター20km超え!? ルノー初のHV 新型「アルカナ」はスタイルだけじゃなく走りも一級品

くるまのニュース / 2022年5月3日 20時10分

2022年2月に発表、この5月から販売されるルノーの新型クーペSUVが「ARKANA(アルカナ)」です。独自のフルハイブリッド「E-TECHハイブリッド」を搭載した新型アルカナは、WLTCモードで22.8km/Lと優れた燃費と、走りの楽しさを兼ね備えているといいます。実際に乗ってみました。

■ルノー独自のフルハイブリッド「E-TECH」を初採用

 新たに登場したコンパクトSUV「アルカナ」は、ルノーが日本市場に送り出す初のハイブリッドカーです。

 いまさらハイブリッドカーといわれても目新しさはありませんが、アルカナのハイブリッドシステムはトヨタ「プリウス」に搭載されているタイプとも日産のe-powerとも異なる、まったく新しい種類のものです。

 その第一の特徴は、システム全体が軽量かつ小型なのでコンパクトカーにも搭載できるうえ、コストが比較的かからないことにあります。

 そう聞くと、最近ヨーロッパ車に増えているマイルドハイブリッドを想像されるかもしれませんが、アルカナに採用されたE-TECHはトヨタのTHSや日産のe-powerと同じフルハイブリッド、つまりエンジンがかかっていなくても電気のチカラだけで走行できるくらい強力なものです。

 なぜ、コンパクトなシステムでありながらそれほどパワフルかといえば、駆動用モーターに2速の変速機構を設けている点が理由として挙げられます。

 一般的にいって、電気自動車(EV)もe-powerも変速機は1速で、このためモーターには低速域から高速域まで十分なパワーを生み出す性能が求められ、結果的にモーターが大きく重くなる傾向にあります。

 しかし、E-TECHの駆動用モーターには2速変速が組み合わされているので、高速域では変速機で減速することでモーターの負荷を減らすことできます。いい換えれば、コンパクトな駆動用モーターでも十分な性能が発揮できるのです。

 E-TECHで用いられるエンジンは排気量1.6リッターの直列4気筒自然吸気エンジンで、最高出力は94馬力、最大トルクは148Nmを発揮しますが、ここで生み出されるパフォーマンスを効率的に引き出すために4速ギアが組み合わされています。「え? いまさら4速?」と思われるかもしれませんが、前述のとおり2速の変速機と組み合わされたモーターがエンジンの弱点を補ってくれるので、4速でもまったく問題ありません。

 それよりこの4速ギアで特徴的なのは、通常の摩擦を用いたクラッチではなく、レーシングカーでよく使われる「ドグクラッチ」というメカニズムを採用している点にあります。軽量コンパクトで、加減速時のダイレクト感が強いドグクラッチですが、反対に変速時のショックが強いという弱点があります。

 これを解消するためにE-TECHで用いられているのが、前述した駆動用モーターとは別のサブモーター(HSG:ハイボルテージスターター&ジェネレーター)です。HSGは本来、エンジンを始動させたり、メインとなる駆動用モーターをサポートするためのデバイスですが、E-TECHでは、変速時にエンジンの回転数を精密に調整することでドグクラッチ特有のシフトショックを打ち消す役割も果たしているのです。これはじつに巧妙なアイデアで、E-TECHの魅力を語るうえで極めて重要なポイントといえます。

■シフトショックもなくダイレクトな走りが楽しめる

 このE-TECHを搭載した日本市場初のモデルがアルカナです。

ルノー新型「アルカナ」ルノー新型「アルカナ」

 アルカナは、全長4570mmと扱いやすいサイズのSUV。ルノー自身はフォルクスワーゲン「ゴルフ」などと同じCセグメントと説明していますが、実際にはBセグメントとCセグメントの中間といえるかもしれません。

 また、ルーフ後半分がなだらかに下降するクーペスタイルとすることで、SUVでありながら軽快な走りをイメージさせるスタイリングとなっています。こうしたボディタイプはクーペSUVと呼ばれていますが、アルカナのクラスでは初のクーペSUVといって間違いないでしょう。

 E-TECHはストロングハイブリッドなので、発進のときもモーターの力だけでスムーズに走り出します。しかも、およそ60km/hくらいまではエンジンがかかることなく、モーターによる滑らかな走りが楽しめるのが特徴で、モーターが活躍するシーンが多いハイブリッドシステムです。このため車内はとても静か。また、モーター特有のレスポンスのいい加速感を味わえます。さらにいえば、モーター駆動による効率の高さを実現しているのもE-TECHの特徴です。

 乗り心地は、低速域で少しだけタイヤの反発が強いように感じましたが、それを除けば、路面からのショックをうまく吸収してくれるうえに、ボディを極力、水平近くに保とうとする快適な足まわりです。また、タイヤの反発が強いと感じられた部分も、空気圧の調整で解消できる可能性があります。

 続いて山道に入ると、E-TECHの変速機が常に適切なギアを自動で選んでくれるので、実際のパワー以上に力強い走りが可能。しかも、シフト時のショックがまるで感じられないうえ、マニュアルギアボックスと同じダイレクト感が楽しめるので、微妙なアクセルワークでクルマの姿勢を作り出すこともできました。

 ワインディングロードでの走りが楽しめたのは、E-TECHのおかげだけではありませんでした。ルノー車の足まわりは、普段はソフトで優しい感触なのに、思い切ってコーナリングを試したときには4本のタイヤが執拗に路面を捉え続けて、とても安全に、そして安心してスポーティなドライビングが楽しめます。

 もちろん、背の高いSUVなので重心が高いことは常に意識する必要がありますが、特別パワフルでもなければスポーティでもないモデルでこれだけ積極的な走りを味わえるのは、さすがルノーというほかありません。

 高速道路でも静かで安定した走りを披露したアルカナ。燃費は軽い上り坂で15km/L前後を示していたので、実力はもう少し上でしょう。ルノーの新しいハイブリッドシステムが日本市場でどう評価されるのか、とても楽しみです。

ルノー新型「アルカナ」のインパネルノー新型「アルカナ」のインパネ

Renault ARKANA R.S. LINE E-TECH HYBRID
ルノー・アルカナ R.S.ライン E-TECHハイブリッド

・車両価格(消費税込):429万8000円
・全長:4570mm
・全幅:1820mm
・全高:1580mm
・ホイールベース:2720mm
・エンジン形式:直列4気筒自然吸気
・排気量:1597cc
・駆動方式:FF
・変速機:電子制御ドッグクラッチマルチモードAT
・エンジン最高出力:94ps/5600rpm
・エンジン最大トルク:148Nm/3600rpm
・メインモーター最高出力:49ps
・メインモーター最大トルク:205Nm
・サブモーター最高出力:20ps
・サブモーター最大トルク:50Nm
・車両重量:1470kg
・WLTCモード燃費:12.8km/L
・タイヤサイズ:215/55R18

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください