「パワーこそ正義!」の時代に登場 ビジュアルもイケてるツインターボセダン3選
くるまのニュース / 2022年5月2日 6時10分
日本の自動車市場ではセダンの人気低迷が続いており、今やラインナップもだいぶ少なくなってしまいました。しかし、昭和の時代は各メーカーともセダンが主力車種で、平成になると高性能化したモデルが次々に登場しました。そこで、かつて販売されていたツインターボエンジンを搭載したセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
■パワーこそ正義だった時代を彩ったツインターボエンジンのセダンを振り返る
クルマに対するニーズは時代によって変化し、近年は世界的にもSUVが市場を席巻している状況です。その反面、とくに日本の自動車市場では、セダンの人気低迷が続いています。
国産メーカーの現行ラインナップを見てみると、セダンの減少が著しく、もはや復活の兆しもありません。
一方、昭和の時代には、セダンは各メーカーの主力モデルであり、1980年代には高性能なモデルが次々と誕生。
さらに1990年代から2000年代にかけては、パワーアップとともにビジュアル的にも魅力ある高性能セダンが登場し、なかでもセンセーショナルな存在だったのがツインターボエンジンを搭載したモデルでした。
そこで、かつて販売されていたツインターボエンジンのセダンを、3車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
渋さが光る高性能セダンに仕立てられた「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」
日産の現行ラインナップのなかで、高性能セダンの代表といえば「スカイライン」です。なかでもシリーズ最強となる最高出力405馬力を発揮する3リッターV型6気筒ツインターボエンジンを搭載した「400R」は、大いに魅力的な存在です。
歴代のスカイラインは常にスポーティさを追求したセダンを展開していましたが、1998年にはその頂点に君臨するモデルとして「スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」が登場。
スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーはその名のとおり、スカイライン誕生40周年を記念するモデルとしてオーテックジャパンによって開発され、「R33型」スカイラインGT-Rのシャシをベースに、4ドアのボディパネルを組み合わせ、1969年発売の初代以来となる4ドアGT-Rに仕立てられました。
外観はスタンダードなR33型セダンと異なりワイドボディ化され、2ドアのブリスターフェンダーを4ドアで再現するため、フロントフェンダーは2ドアから移植し、リアドアとリアフェンダーは新たに製作されました。
一方でスカイラインGT-Rのアイコンにもなっていたリアスポイラーは装着されず、フロントスポイラーもスタンダードなR33型スカイラインGT-Rよりも小ぶりなものを装着するなど、派手さが抑えられていました。
エンジンは最高出力280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒DOHCツインターボ「RB26DETT型」を搭載し、5速MTのトランスミッション、「アテーサET-S」4WDシステム、サスペンション、ブレーキなどのメカは2ドアと同仕様でした。
内装では、インパネまわりは2ドアと同一となっていましたが、リアシートは専用のバケットタイプで乗車定員は4名に変更されていました。
その後もスカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリーは、カタログモデルと同じく販売が続けられましたが、「R34型」の登場をもって1999年に生産を終了。今では希少なモデルとして国内外から注目されています。
●トヨタ2代目「アリスト」
ハイスペックなエンジンかつスポーティなフォルムで一世を風靡した2代目「アリスト」
トヨタは1991年に、それまでにない高性能セダンとして初代「アリスト」を発売。
外観は巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが主宰するイタルデザインによるデザインで、ロー&ワイドなスタンスのスポーティなボディを実現し、後に「A80型 スープラ」にも搭載された3リッター直列6気筒ツインターボ「2JZ-GTE型」エンジンを設定するなど、プレミアムなハイスペックセダンに仕立てられていました。
そして、1997年に2代目が登場。外観デザインは初代を踏襲したイメージですが、より洗練され、スポーティかつ高級感がアップしたスタイルに一新。
ボディは全長4805mm×全幅1800mm×全高1435mmと、プレミアムセダンらしい堂々としたサイズですが、全長は初代より115mmもダウンサイジングされ、力強い「かたまり感」を表現していました。
エンジンは、トップグレードの「V300」では先代から踏襲された2JZ-GTE型ツインターボを搭載し、新たに可変バルブタイミング機構の「VVT-i」を採用。最高出力280馬力は変わりませんが、トルクが40.0kg・mに向上し、さらに燃費も改善されました。なお、初代で設定された4リッターV型8気筒エンジンは継承されませんでした。
スポーティな外観に合わせるように内装も大きく変わり、コクピットにはセンターにスピードメーターを配置した3眼メーターを採用。
より洗練された4輪ダブルウイッシュボーンの足まわりと、ハイパワーなエンジンの組み合わせは、まさに「4ドアスープラ」の異名にふさわしい走りを実現しました。
その後、2005年に3代目へとバトンタッチしましたが、このモデルから国内向けもレクサス「GS」へと移行し、ターボエンジンも廃止となりました。
●スバル「レガシィ B4 RSK」
シリーズ最後のツインターボエンジン車で特別なモデルも数多く展開された「レガシィ B4 RSK」
スバルは1989年に、次世代型セダン/ステーションワゴンとして初代「レガシィ」を発売。上位グレードには新開発された高性能な2リッター水平対向4気筒DOHCターボ「EJ20型」エンジンとフルタイム4WDシステムを組み合わせ、優れた走りから大ヒットを記録しました。
その後も初代のコンセプトを継承しながら代を重ね、1998年に発売された3代目は、初代、2代目の薄型ヘッドライトから上下2灯式の大型ヘッドライトとしたことで、フロントフェイスのイメージを一新。
3代目では全車がAWDになると同時にセダンは車名を「レガシィ B4」に変更し、さらにB4のグレード構成は自然吸気エンジン車が「RS」、ターボエンジン車が「RSK」と、ともにスポーティモデルに特化されました。
RSKには2代目から継承された2リッター水平対向4気筒2ステージツインターボが搭載され、最高出力280馬力を発揮。
1999年には、RSKをベースに「ポルシェデザイン」が開発したエアロパーツが装着された「ブリッツェン」が登場し、2002年にはSTIが開発したコンプリートカーで、最高出力293馬力を発揮するエンジンに6速MTが組み合わされた「S401 STiバージョン」が400台限定で発売されました。
さらにモデルライフ末期の2002年には、特別仕様車「B4 RSK Sエディション」を発売。クイックステアリング・ギアボックスや4ピストンキャリパーが装着されるなど、より魅力的なスポーツセダンへと進化を果たしました。
そして、2003年に4代目へとバトンタッチ。ターボエンジン車はツインスクロールのシングルターボとなったことで、3代目がシリーズ最後のツインターボエンジン車と、今では貴重な存在です。
※ ※ ※
高性能なセダンは、輸入車も含めればまだまだ選択肢が豊富です。直近でも2021年11月にスバル新型「WRX S4」がデビューし、セダン市場では大きなトピックスでした。
さらに、2022年中には5ドアハッチバックセダンのホンダ新型「シビック タイプR」の発表が予定されているなど、セダンファンには朗報といえるでしょう。
前述のとおりセダン人気は低迷していますが、わずかながら新型車が登場するのは、メーカーの英断といえそうです。
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