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トヨタが「新車の紙カタログ」廃止へ 「スマートカタログ」に置き換え2023年3月目処に

くるまのニュース / 2022年5月6日 7時10分

トヨタは、2023年3月をめどに販売店などで配布される紙カタログを廃止する方針であることが明らかになりました。これまで新車販売において欠かすことのできなかった紙カタログが廃止されるのには、どのような背景があるのでしょうか。

■トヨタが新車の「紙カタログ」を廃止へ

 トヨタは、販売店などで配布される紙カタログを廃止し、WEBでのデジタルカタログなどに移行する方針であることが明らかになりました。
 
 これまで新車販売において欠かすことのできなかった紙カタログが廃止されるのには、どのような背景があるのでしょうか。

 2022年5月上旬現在、この件についてトヨタから公式なアナウンスはありませんが、複数の販売店関係者からの情報によると、2023年3月をめどに新車の「紙カタログ」を廃止し、デジタルツールを活用した接客を推進していくようです。

 複数のトヨタ関係者は「2023年3月を目処に紙カタログを減らしていくという話を聞いています」と話します。

 すでにトヨタの一部販売店では店頭のタブレット端末で閲覧可能な「スマートカタログ」を活用した商談が行われており、今後は紙カタログ廃止に伴い、すべての店舗で導入される見込みとのことです。

 スマートカタログでは、通常のカタログ情報を閲覧できることはもちろん、動画による機能説明も受けられることから、より密度の濃い情報をよりわかりやすくユーザーに伝えられ、反応も上々といいます。

 実際に首都圏のトヨタ販売店では「最近はタブレットやPCの画面で説明することも増え、紙カタログは店頭であまり使わなくなってきています」。

 また、近畿圏のトヨタ販売店でも「店頭では、タブレットなどを使うことで大体は説明可能です。画面上でボディカラーを変えたり、オプション有無なども比べたりと紙カタログを見ながらやるよりは効率は良くなっていると思います」と話します。

 一方、トヨタ以外の自動車メーカーはどうなっているのでしょうか。

 日産の販売店では「最近ではオンライン商談といった取り組みなどもあり、画面上でおこなうことが多くなっています。また、オンラインに不慣れな人でも1度はインターネットで車種情報を見てから来店されることが多く、紙カタログではなく、『ホームページのこの部分』という風に質問されることが増えています」と、最近のユーザー行動を説明しています。

 同様にホンダの販売店でも「タブレットを使ってご説明することが多くなっています。紙だと伝わらない機能や操作方法を動画で説明できる点が非常に便利で良いと思います」。

※ ※ ※

 現在では、インターネット上でほとんどの情報を得られるため、紙カタログによって比較検討する必要性が薄れたことや、先進安全装備やデジタル機能を搭載するクルマが増えたことで、紙面での機能説明に限界が見られるようになりました。

 また、印刷・送付コストも重荷となっているようです。

 複数の販売店関係者によると、紙カタログ1冊あたりのコストは「一般的な車種のもので数百円、高級車やスポーツカーなどの豪華な装丁のものでは1000円を超える場合もある」といいます。

 さらに、近年世界的な課題となっている脱炭素の側面からも、デジタル化を推進するメリットは多いと考えられます。

■それでも「紙」には価値がある?

 しかし、インターネット上での情報収集が定着している現在でも、紙カタログに愛着を持つユーザーも少なくないようです。

 クルマの販売における紙カタログの歴史は古く、東京都公文書館には1935年の「ダットサン」のカタログが保存されているほどです。

 その後、モータリゼーションの発展とともに、クルマのカタログもよりバラエティに富んだものとなり、その内容も豪華になっていきました。

 複数の販売店では「紙カタログを持って帰って自宅で見たいという要望も多いです」と話します。

 また「最近では新型車のティザー情報を正式発表前に出しますが、その際に簡易版の紙カタログ(パンフレット)を配布することで、ユーザーへの認知を図る販促を行うこともあります」(複数の販売店)。

 実際、トヨタ新型「ノア/ヴォクシー」やホンダ新型「ステップワゴン」では、正式発表前に簡易版の紙カタログが店頭で配布されていました。

 このように、新型車では紙カタログを依然として有効活用していることも少なくないようです。

日産の販売店で配布されている新型「フェアレディZ」の紙カタログは豪華な仕様となっている日産の販売店で配布されている新型「フェアレディZ」の紙カタログは豪華な仕様となっている

 多くの人にとって、クルマは人生のなかでも高額な買い物のひとつであり、複数の候補をじっくりと検討しながら意中の1台を決めるということが一般的です。

 またクルマの紙カタログは、質感の高さや時代を反映するというその特徴から記念に保管しておくという人も多く、車種カタログ収集を趣味とする人も少なくないといいます。

 トヨタの「スマートカタログ」のようなデジタルツールを活用することのメリットも大きいため、今回トヨタの決定が他の自動車メーカー方針に今後どのような影響を与えるのか、注目されます。

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