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窓の「油膜」雨の日になぜ危険? 梅雨対策でやっておきたいクルマの簡単メンテナンスとは

くるまのニュース / 2022年6月4日 7時30分

梅雨の時期は事故の危険性が増加します。事故に遭わないためには事前の対策も必要ですが、梅雨前にしておきたいメンテナンスについてプロに聞いてみました。

■梅雨の事故はスリップと視界不良が原因

 春が過ぎるとやってくるのは「梅雨」です。しとしとと雨が降り、湿度の高い状態が続きますが、雨のなかでのドライブはストレスが増すだけでなく、事故の危険性も増加します。

 梅雨の時期を快適に過ごすためにも事前に対策しておきたいところですが、雨でも安心して運転するためのメンテナンスナンスとして、どのようなところをチェックすれば良いのでしょうか。

 まず、雨の日の運転はどれくらい危険度が高まるのかという点に着目してみます。

 首都高速道路によると、首都高速では年間1万1000件程度の交通事故が発生。事故の件数自体は減少傾向であるものの、雨天の時間は年間の総時間のわずか6%程度にもかかわらず、事故件数の全体の18.4%を占めているといいます。

 つまり、1時間当たりの事故件数は晴天時の1.06件であるのに比べて、雨天時は4.00件となり、約4倍も事故が発生していることになります。

 さらに事故の内容を見ると、晴天時で多いのは、「追突」が51.4%、「車両接触」が28.9%、「施設接触」が12.6%ですが、雨天時は「施設接触」が40.3%と急増(「追突」37.9%、「車両接触」18.2%)。

 また、この雨天時の「施設接触」事故が「60km/h以上での走行」(71.3%)で発生していることから、晴天時では問題なかった速度でも雨天時はタイヤのグリップ力が低下し、スリップして施設に接触してしまう事故が増えていることがわかります。

 雨による「視界不良」も、事故件数の増加に影響を与えていることが考えられます。

 たとえば80km/hの場合、秒速に換算すると22.2m/sとなり、雨によって視界が遮られて一瞬でも判断が遅れるだけで、何mも操作が遅れることになります。

 雨が降り続く梅雨への対策としては、「スリップ」と「視界不良」を減らすことが有効といえそうです。

 クルマの梅雨対策について、都内の整備工場に勤務するH整備士に聞いてみました。

 まず対策しておきたいのがスリップです。

 スリップとは、タイヤのグリップ力が一時的に大幅に低下し、制動やコントロールが効かなくなる状態ですが、最大の原因はゴムのタイヤの劣化による硬化や溝不足で排水性が悪化することにあります。

 ではタイヤの梅雨対処はどうしたら良いのでしょうか。

「最初に確認したいのが、タイヤの空気圧です。クルマに乗っていなくてもタイヤの空気は徐々に抜けていく構造になっています。

 数か月もクルマに乗っていなくて、タイヤの溝が残っていたとしても、空気圧が低下することでタイヤ内部にあるスチールベルトの変形を引き起こしている可能性もあり、そうなると接地面が変形して十分なグリップ力が確保できなくなります。

 また、タイヤに刻まれているトレッド(溝)は主に放熱性と排水性を考慮していますが、空気圧が低下すると溝が潰れて排水性が悪化することもあります」(H整備士)

 空気圧が低下している状態だけでなく、高すぎるのも良くないのだそうです。

 適正の10%から20%程度だとそれほど問題ではないですが、それ以上の空気圧だと今度はタイヤが山なりになって接地面が減り、偏摩耗の原因にもなります。

 やはり指定された適正な空気圧を保てるよう、定期的にチェックしておきたいポイントです。

※ ※ ※

 ゴムが摩耗したり硬化したりしたタイヤもスリップの原因となります。

 タイヤの溝が減ると、雨水の排水など溝の本来のグリップ性能を十分に発揮できず、雨天時の走行で滑りやすくなったり、制動距離が伸びたりという事態につながります。

 運転していてタイヤが滑りやすいなどの異変を感じたら、早めに交換したほうが良いでしょう。

■視界不良への対策は?

 次に、視界不良を改善するにはどのような方法が有効なのでしょうか。

「やはりフロントウインドウをいかにクリアな状態に保つかがポイントです。ボディコーティングが劣化してできた油膜により、夜間に走行したときにウインドウがギラギラと光ったようになりますし、ワイパーもきれいに水切りできなくなります。

 視界を確保するには、フロントウインドウの『油膜取り』と『ワイパーの交換』がもっとも手軽で効果的だと思います」(H整備士)

視界不良を解消するにはワイパー交換が有効視界不良を解消するにはワイパー交換が有効

 油膜の原因は劣化したコーティング剤だけでなく、ワイパーゴムの油分や周囲のクルマから排出される排ガスや汚れなどさまざまありますが、意外に知られていないのが雨に含まれる大気中の汚れだとH整備士はいいます。

「雨は大気中のチリやホコリなどを含んでおり、窓の表面に付着すると水分が蒸発して汚れだけが残ってしまいます。

 さらにそのまま放置が続くと汚れが固形化して水アカになって、単純な洗車作業では落ちなくなってしまうのです」(H整備士)

 そこで活用したいのが市販の「水アカ取り専用クリーナー」です。コンパウンドに近い研磨剤の成分が含まれており、表面の固形化した汚れを落とすことができます。

「ワイパー交換にしても撥水コーティングでも、きれいな下地が基本です。まずは専用クリーナーなどで表面の固形化した汚れを落としておくと良いでしょう」(H整備士)

 また、雨天時のクリアな視界が得られると人気の撥水コーティングですが、カメラを使った自動ブレーキや安全運転支援システム搭載車はコーティングの水滴を誤認識する可能性もあるようです。

「その点も踏まえると、撥水コーティングより新しいワイパーを使用するほうが安全です。

 撥水コーティングは均一に施工できていないとワイパーのビビリなども引き起こすことも多く、フロントウインドウはできるだけ何も塗らないほうが良いと思います」(H整備士)

※ ※ ※

 フロントウインドウの内側の曇りも視界に影響します。曇りの原因は、見えない汚れが内側に付着しているケースがほとんどで、ウインドウの内側も定期的に掃除することで曇りはかなり改善されます。

 汚れたタオルで拭いてもキレイにならないので、不純物の入っていない精製水でマイクロファイバーを濡らして拭き上げるなど、内側の汚れをキレイに取り除くことが良好な視界を保つポイントといえそうです。

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