もうホンダ新型「CR-V」初公開!? 6代目は「スタイリッシュSUV」に全面刷新? 中国政府系サイトに登場したワケ
くるまのニュース / 2022年5月17日 7時10分
2022年5月、ホンダの販売店は日本で「CR-V」の販売終了をアナウンスしました。その一方で中国では次期モデルと見られる新型「CR-V」の情報が政府系サイトにて公開されました。
■マジか! 次期「CR-V」先行公開!? スタイリッシュSUVになった?
ホンダのクロスオーバーSUV「CR-V」。
日本では、2018年に現行モデルが登場しましたが、2022年に販売終了となることが販売店からのアナウンスで判明しています。
その一方で、アメリカホンダは2022年4月14日に次期CR-Vに新たなハイブリッドシステムを搭載することを予告していました。
そしてこのたび、次期CR-Vと見られる画像やスペックが中国の政府機関を通じて公表されました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)のサイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
そのため、工信部が掲載する情報を元にこれからどのようなクルマが発表されるのかが事前にわかるシステムとなっています。
今回、明らかになったのは次期CR-Vと思われる車両です。
初代CR-Vは1995年にシビック(EK型)のプラットフォームを流用して開発され、最終的には23万7847台を売り上げるほどのベストセラーとなりました。
その後、世界各国でも人気となり、今では本国・日本よりもアメリカや中国での売れ行きがけた違いに多い大人気車種となっています。
現行モデルの5代目CR-Vは2016年にアメリカや中国、東南アジアにて先行で投入され、その2年後の2018年に欧州や日本にも上陸を果たしました。
さて、世界の2大自動車市場であるアメリカと中国で大人気のCR-Vは次期モデルで6代目となり、2022年中の発表が予想されています。
6代目CR-Vの正式発表を待たずに次期CR-Vと見られるモデルのデザインや一部スペックが工信部への届出情報で判明しています。どのようなクルマになるのでしょうか。
まず、エクステリアデザインは2021年に登場した現行型ヴェゼルのものを踏襲しています。
全体は直線的でシンプルなラインで構成され、フロントには以前よりも洗練された六角形のグリルが鎮座します。
一方で、リアはヴェゼルが近年の流行である左右一直線のテールライトデザインが特徴的であるのに対し、次期型CR-Vは現行型同様、垂直に伸びたテールライトが左右とも独立した形になっています。
ボディサイズは全長4703mm×全幅1866mm×全高1690mm、ホイールベース2700mmです。
ちなみに、中国向けの現行モデルでは全長4621mm×全幅1855mm×全高1689mm、ホイールベース2660 mmとなり、次期モデルは全長が82mm、ホイールベース40mmほど延長されていることになります。
現行モデルと比べて少し大きくなるボディは、アメリカや中国での販売を意識してより広い室内空間と荷室スペースが期待できそうです。
パワートレインに関しては出力190hpの「L15BZ」と表記されていますが、これはホンダのL15B型直列4気筒VTECターボエンジンの派生型のひとつです。
現在、中国向けモデルはL15B型の派生型「L15BT」を搭載する「240 TURBO」のみが用意されています。
次期CR-VもL15B型エンジンを搭載し、リアには「240 TURBO」のエンブレムが見えていることから、少なくともターボモデルに関しては現行型と同じなのがわかります。
あとは現行モデル同様、ハイブリッドモデル、そしてプラグインハイブリッドモデル(中国市場に導入済み)も継続して投入されるのではないでしょうか。
■中国市場と北米市場における「CR-V」の立ち位置とは
CR-Vは2004年に中国へ上陸しました。一時期は5年連続で「中国でもっとも売れたSUV」に輝き、2020年には中国市場だけで累計販売台数200万台を突破、その止まらない勢いがCR-Vに対する根強い支持の証です。
2019年には姉妹車の「ブリーズ」が登場。ホンダは東風汽車との「東風ホンダ」、広州汽車との「広汽ホンダ」のふたつの合弁会社を設立しており、そのうちCR-Vは東風ホンダが、ブリーズは広汽ホンダが製造・販売をおこなうモデルとなります。
ホンダやトヨタなど中国に複数の合弁会社を持っている自動車メーカーは、それぞれの会社で別のデザインと車名を与え、同じ車を姉妹車の関係でリリースすることが一般的です。
CR-Vとブリーズ以外にも、ホンダでは東風ホンダと広汽ホンダの順で「エンヴィクス/クライダー」、「シビック/インテグラ」、「XR-V/ヴェゼル」、「UR-V/アヴァンシア」、「ライフ/フィット」、「エリシオン/オデッセイ」など、同様な姉妹車があります。
東風汽車のCR-Vが次期モデルへ移行することに伴い、広汽ホンダのブリーズももうすぐ次期モデルが発表されることとなるでしょう。
次期モデルに関して、まずは中国に先行してアメリカで発表発売がおこなわれると予想されています。
現行モデルのPHEV仕様となる「CR-Vスポーツハイブリッドe+」(中国市場向け)
CR-Vはアメリカでも毎年40万台近く売れている大人気モデルで、トヨタのRAV4に迫る勢いを見せています(2021年ではRAV4が40万7739台、CR-Vが36万1271台)。
また興味深いのはアメリカにおける「盗難車ランキング」で、2020年CR-Vは約1万2300台も盗まれて(前年比22%増)9位に入っています。
シビックも上位に入っており、いずれも2000年モデルがもっとも多く被害に遭っている状況です。
中国では2021年に18万377台販売された一方、本国・日本では現行モデルの販売終了が発表されており、芳しい実績を残せていません。
このことからも、次期モデルもアメリカや中国を意識するのは無理もない話となってきます。
また前述の通り、2022年4月14日にアメリカホンダは主力車種のハイブリッドモデル拡大見通しの発表をおこないました。
この際、主力モデルでのハイブリッド車両比率をさらに拡大していくことを明かしており、同市場での販売中心となっているCR-Vと「アコード」の次期モデルに、同クラスのベストパフォーマンスをもつハイブリッドシステムの搭載を予告しており、ホンダがCR-Vに注力していることが伺えます。
こうした競争が激化する中国やアメリカの小型SUV市場で、ホンダの新たなSUV戦略がどのように存在感を発揮していけるか、引き続き注目していきたいです。
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