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スポーツカーじゃないのになぜカッコいい!? 超絶イケてた昭和の大衆車3選

くるまのニュース / 2022年5月19日 6時10分

日本でマイカーの普及が本格化したのは1960年代の終わりからで、庶民でも買えるとして人気となったクルマは「大衆車」と呼ばれました。一方、大衆車といえども秀逸なクルマも存在。そこで、昭和の時代に登場した魅力的な大衆車を、3車種ピックアップして紹介します。

■昭和の時代に登場したイケてる大衆車を振り返る

 昭和の時代、一般庶民でも購入することができる比較的安価なクルマのことを「大衆車」と呼びました。今では「軽自動車」や「コンパクトカー」、「ミニバン」が大衆車の代表的なクルマです。

 日本でマイカーの普及が本格化したのが1960年代の後半からで、「スバル360」やホンダ「N360」、トヨタ初代「カローラ」、日産(ダットサン)初代「サニー」といったクルマが大衆車としてヒットしました。

 それまで庶民がマイカーを持つことは「夢」でしたが、夢が現実に変わり、日本の自動車普及率が急激に伸びていきました。

 一方、そうした大衆車のなかでも、秀逸なデザインや性能のモデルも存在。

 そこで、昭和の時代に登場した魅力的な大衆車を、3車種ピックアップして紹介します。

●日産2代目「サニー」

日本を代表する大衆車の1台で高性能モデルとしてレースでも長く活躍した2代目「サニー」日本を代表する大衆車の1台で高性能モデルとしてレースでも長く活躍した2代目「サニー」

 1966年4月に発売された初代ダットサン サニーは、まさにマイカー時代の到来を見据えて開発された、日産を代表する大衆車でした。

 その後、1970年1月には2代目へとフルモデルチェンジを果たし、初代に続いてスピード感あふれるイメージを引き継ぎながら、1970年代という新時代を象徴する「豊かさ」を盛り込んだスタイリングを実現しました。

 ボディタイプは2ドア/4ドアセダン、2ドアクーペ、3ドア/5ドアバン、ピックアップトラックと多彩で、あらゆるニーズに対応。

 エンジンは初代から受け継いだ直列4気筒OHVの名機「A型」で、排気量は初代の1リッターから1.2リッターへと拡大し、さらに1971年4月に追加された上位モデルの「サニー エクセレント」には、1.4リッター直列4気筒SOHCの「L14型」エンジンが搭載されました。

 そして発売から3か月後の1970年4月に、セダンとクーペの高性能モデル「サニー 1200 GX」が登場。「A12型」エンジンにSU型ツインキャブを備え、最高出力は68馬力から83馬力(グロス、以下同様)までチューンナップされ、1972年にはGXをベースに5速MTを組み込んだ「サニー 1200 GX5」が加わりました。

 1200 GX5はパワフルなエンジンと軽量コンパクトな車体が相まって優れた走行性能を発揮し、ツーリングカーレースでも活躍。

 2代目サニーはファミリカーでありながら、若い走り好きにも訴求できる「大衆スポーツカー」というイメージも確立しました。

●マツダ2代目「ファミリア」

ロータリーエンジン車をラインナップし他を圧倒する高出力を誇った2代目「ファミリア」ロータリーエンジン車をラインナップし他を圧倒する高出力を誇った2代目「ファミリア」

 マイカーの普及に大きく貢献したモデルといえば、サニーとカローラですが、両車に先駆けて誕生したマツダの大衆車が初代「ファミリア」です。

 初代ファミリアは1963年に発売。外観はイタリアのデザイン工房であるベルトーネによるデザインで、欧州車を思わせるスタイリングは斬新かつ洗練されていました。

 その後、1967年11に2代目ファミリアへとフルモデルチェンジ。ボディは4ドアセダンと2ドアクーペ、後にバンが加わり、外観は「オーバルシェイプ」と呼称された丸みを活かしたモダンなデザインで、またヘッドライトは当時流行の角型とし、三角窓のないフロントサイドドアウインドウ、曲面ガラスなど、新たな要素が採り入れられていました。

 エンジンは初代から継承された1リッター直列4気筒OHVからスタートし、68馬力の1.2リッターを搭載した「ファミリア 1200」、71馬力の1.3リッター搭載した「フェミリア プレスト」と、順次ラインナップを拡大。

 そして1968年には「コスモスポーツ」に次ぐロータリーエンジン搭載車として「ファミリア ロータリークーペ」が発売され、1969年にはファミリア セダンにロータリーエンジンを搭載した「ファミリア ロータリーSS」が加わりました。

 エンジンはコスモスポーツと同じ491cc×2ローターの「10A型」ロータリーエンジンで、最高出力100馬力を発揮。最高速度は180km/hに達し、0-400mの加速は16.4秒の俊足を誇り、もはや生粋のスポーツカーの領域でした。

 外観では専用のメッシュタイプのフロントグリルに三角形のローターを模した「おむすび型」エンブレムが装着され、テールライトは丸型4灯式の専用デザインとするなど、高性能なロータリーエンジン搭載車であることをアピールしました。

 ファミリア ロータリーシリーズの登場によってロータリーエンジン搭載車の普及が一気に加速しましたが、1973年に3代目が登場すると全車レシプロエンジンにスイッチされ、ロータリーエンジンを搭載したファミリアは2代目のみで消滅してしまいました。

●三菱初代「ランサー」

大衆車でありながらラリーでの活躍からスポーティなイメージを確立した初代「ランサー」大衆車でありながらラリーでの活躍からスポーティなイメージを確立した初代「ランサー」

 昭和の時代、三菱のエントリーカーといえば1978年に誕生した初代「ミラージュ」でしたが、それ以前に、三菱を代表する大衆車だったのが「ランサー」です。

 1973年1月に誕生した初代ランサーの外観は全体が柔らかな曲面で構成され、フロントフェイスは丸型2灯のヘッドライトまわりをアクセントとし、空力特性に優れた低く長い「エアロノーズライン」が斬新でした。

 ボディは当初4ドアセダンのみでデビューしましたが、1973年8月には2ドアクーペとライトバンが加わりました。

 エンジンは1.2リッター、1.4リッター、1.6リッターの直列4気筒SOHCで、2ドアクーペの追加と同時に高性能グレードの「ランサー 1600GSR」登場。最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCソレックスツインキャブの「4G32型サターンエンジン」が搭載されました。

 また、1600GSRのトランスミッションは5速MTを標準装備し、車重825kgと軽量で、「コルトギャラン」によるラリー参戦の経験を活かした足まわりのセッティングと相まって、優れた走りを披露。

 実際に初代ランサーは1974年に初出場したサファリラリーで総合優勝を飾り、排気量と馬力で勝る強豪車相手に続々と勝利したことで「ラリーの三菱」を強烈に印象付けることに成功しました。

※ ※ ※

 前述のとおり、現代の大衆車は軽自動車、コンパクトカー、ミニバンですが、さらにSUVも100万円台からラインナップされ人気を集めています。

 比較的安価な小型SUVは広義でコンパクトカーの延長といえますが、スタイリングや走りのフィーリングは独特で、優れたユーティリティも相まって新たな大衆車というポジションを確立したといっても過言ではありません。

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