打倒「プリウス」を目指したホンダの「意地」で誕生!? ストイックすぎるハイブリッド車、初代「インサイト」とは
くるまのニュース / 2022年5月22日 16時10分
ホンダのハイブリッドセダン「インサイト」の生産が、2022年8月末に終了となると明らかになりました。初代は1999年に誕生し、トヨタ「プリウス」を凌駕する燃費性能を実現しました。そこで、ストイックなまでに燃費を追求した初代インサイトとはどんなクルマだったか、振り返ります。
■あくなき燃費改善を追求したホンダ初代「インサイト」を振り返る
ホンダの現行モデルで、ハイブリッド専用のミドルクラスセダンである3代目「インサイト」が、2022年8月末をもって生産終了となることが明らかになりました。
初代インサイトはホンダ初のハイブリッド車として、1999年に発売されました。1997年に誕生した世界初の量産ハイブリッド車、トヨタ初代「プリウス」を上まわる燃費性能を目指して開発。とにかく低燃費を追求した設計は前代未聞のストイックさで、まさにホンダの「意地」といえました。
インサイトは一旦3代目で歴史に幕を下ろすことになりますが、この稀代の名車である初代インサイトはどんなクルマだったのか、振り返ります。
※ ※ ※
初代インサイトは1999年11月に発売され、初代プリウスの28.0km/Lを凌駕する35.0km/L(10・15モード)と量産ガソリン車で世界最高燃費を達成したことで、センセーショナルなデビューを飾りました。
外観は3ドアハッチバッククーペで、全長3940mm×全幅1695mm×全高1355mmと非常にコンパクトに収まっていました。
デザインは徹底的に空力性能向上を目指したことから流線形の生粋のスポーツカーをイメージさせ、さらに空気の整流を目的にリアのフェンダーアーチをカバーするスパッツが取り付けられ、空気抵抗係数のCd値は当時としては驚異的な0.25を達成しました。
内装ではスピードやタコメーター、各種インフォメーションを表示できる高機能デジタルマルチメーターをコクピットに採用。燃費表示の切り換えやエアコンなどの操作スイッチ類をメーター近くに機能的に配置した、集中スイッチとするなど、先進的なデザインとなっていました。
また、後述する軽量化の一貫として2シーターとし、リアには比較的容量が大きい荷室が配置されました。
そして、初代インサイトのハイライトのひとつだったのが、オールアルミ製のモノコックシャシの採用です。
一般的なスチールを用いたモノコックシャシに対し、初代「NSX」に続いてアルミモノコックとし、大幅な軽量化を達成。
そのため、初代インサイトの生産はNSXのために建設された、栃木県塩谷郡にある「高根沢工場」でおこなわれました。
この高根沢工場は少量生産に特化しており、アルミモノコックのスポット溶接が可能な機械もNSX用に開発され、さらにアルミは電気抵抗が少なく熱伝導も良い素材のためスポット溶接には大電流が必要となったことから、専用の発電施設も併設されるなど、ある意味、初代インサイトはコストを度外視していたと想像できます。
ほかにも軽量化のためボディ外板の多くにアルミと樹脂が使われ、ブレーキはフロントにアルミキャリパー、リアにはアルフィンドラムブレーキを採用。ブレーキペダル、クラッチペダル(5速MT車)のアームにもアルミを採用し、 さらに燃料タンクは高密度ポリエチレンの樹脂製とするなどによって、モーターと走行用バッテリーを搭載しながらも車重はわずか820kg(MT車)を実現しました。
搭載されたパワーユニットは最高出力70馬力を発揮する新開発の1リッター直列3気筒エンジンと、13馬力のアシスト用モーターを搭載。トランスミッションは5速MTとCVTが設定されました。
このように燃費性能向上のための努力が結実して、初代インサイトは35.0km/Lという燃費を達成しましたが、2シーターというネガティブな要素が災いして販売は極端に低迷。また、2003年にはライバルのプリウスが2代目へモデルチェンジ。出力向上と同時に燃費は35.5km/L(10・15モード)を達成し、使い勝手も優れていたことから大ヒット作となりました。
そこで、初代インサイトは2004年の改良で36km/L(10・15モード)まで燃費向上が図り、燃費No.1のポジションを奪還しています。しかし、もはや販売面では2代目プリウスに太刀打ちできる状況ではなく、2006年に生産を終了。
その後、2009年に5ドアハッチバックボディで5人乗りとなった2代目インサイトが登場し、実用性が一気に向上してヒット作になりましたが、シャシやボディは一般的なスチール製となり、技術的には初代から後退してしまったといえるでしょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ホンダ「シビック」、マイナーチェンジを正式発表 - MT専用「RS」は419万8,700円
マイナビニュース / 2024年9月12日 16時17分
-
猛暑日でも最良リッター27km!ホンダ新型フリードの実燃費が予想外にイイわけ(小沢コージ)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月8日 9時26分
-
大排気量「V6」×MT搭載! ホンダ「アコード“クーペ”」!? 美麗デザインが超カッコイイ「“左ハンドル”2ドアモデル」とは
くるまのニュース / 2024年9月3日 13時10分
-
プラグインハイブリッド車(PHEV)とは? おすすめ車種4選やメリット、補助金などを解説
MōTA / 2024年8月26日 18時0分
-
【2024年】ハイブリッドSUVおすすめ人気12選! 燃費やボディサイズ、デザインを紹介
MōTA / 2024年8月20日 18時30分
ランキング
-
1【人気メニュー25品が対象】ガスト公式Xが「"ヤバイ"最新クーポン」を大放出中。税抜130円でドリンクバー飲めるの嬉しい...!
東京バーゲンマニア / 2024年9月12日 18時9分
-
2すき家、18日登場のドリンクが話題 「まじ美味いから嬉しい」「今年も通います」と反響相次ぐ
Sirabee / 2024年9月12日 15時45分
-
3【賛否】実は疑問の声も多い「退職時のお菓子配り」本当に必要? SNS「意味ない」「円満退社って感じになる」
オトナンサー / 2024年9月12日 7時10分
-
4「両親や彼女からの手紙」をスキャンして捨てる…新入社員の行き過ぎた“合理主義”にドン引き
日刊SPA! / 2024年9月12日 8時50分
-
5車に付いた「ムシの死骸」 放置は“絶対”NG! そのままにすると「悪影響」も!? キレイに除去する方法は
くるまのニュース / 2024年9月12日 14時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください