新型「軽自動車」出た! 日産サクラ&三菱eKクロスEV初公開! 共同開発でも何が違うのか?
くるまのニュース / 2022年5月21日 11時10分
2022年5月20日、日産と三菱から相次いで軽EV(電気自動車)が発表されました。2社で共同開発された新型車ですが、内外装のデザインは大きく異なります。違いを比較してみましょう。
■先進性を強調する日産と、他モデルとの共通性を表現する三菱
日産と三菱が共同開発した軽の新型EV(電気自動車)が、2022年5月20日に発表されました。
日産版の名称は「サクラ」、三菱版は「eKクロスEV」とそれぞれ命名され、今夏から発売される予定です。
2モデルは兄弟車ながら、大きく異なる内外装デザインを採用しています。違いはどこにあるのでしょうか。
新型サクラ/新型eKクロスEVは、世界に先駆けEVを量販化した日産と三菱が、10年以上に渡る生産・販売で得たノウハウを投入し誕生したニューモデルです。
日産と三菱の合弁会社NMKVにより開発され、2019年3月にデビューした軽ハイトワゴン、日産「デイズ」と三菱「eKワゴン/eK X(クロス)」の基本骨格を流用しながら、広い室内空間はそのままにバッテリーやモーターを搭載しました。
新型サクラ/新型eKクロスEVのボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1655mm、ホイールベース2495mm。デイズ/eKワゴンなどに対し全高が15mmアップしただけで、ほかの寸法は同じです。
また、サクラ/eKクロスEVに搭載されるリチウムイオンバッテリーのサイズは20kWhで、最高出力47kW、最大トルク195Nmです。
軽ターボ(最高出力47kW/最大トルク100Nm)に対し約2倍のトルクを発揮し、力強くゆとりのある性能を有します。航続可能距離は180km(WLTCモード)です。
新型サクラについて、日産のデザイン担当者は「EVの静けさと力強さをデザインにも反映させた」と説明します。
エクステリアは、軽自動車初の採用となる3眼プロジェクターの薄型ヘッドライトや、ワイドなLEDリアコンビランプなど、同社のプレミアムクロスオーバーEV「アリア」などと共通する、上質なイメージが与えられました。
その狙いについて前出の担当者は「軽自動車の概念にとらわれない新しい時代の小型EVとして、シックで先進的な外観を目指した」とします。
アルミホイールのデザインには、御祝儀袋などに用いられる装飾「水引(みずひき)」が、グリルやテールランプなどには「格子(こうし)」がそれぞれモチーフとして表現されるなど、“サクラ”というネーミングにも通じる「和」の世界観で統一されていることがわかります。
インパネ全体もデイズやeKシリーズとは異なる形状で解放感を表現。間接照明や、アリアと共通イメージのステアリングホイール、7インチフル液晶メーターパネルの採用などと相まって、独自の内装デザインとなりました。
このようにサクラの内外装デザインは、細部にわたり差別化が図られています。
■三菱は「兄貴分」アウトランダーとの共通性を与えたデザインテイストに
対するeKクロスEVのエクステリアは、フロントまわりに三菱独自の「ダイナミックシールド」デザインを採用しています。
eKクロスEVの開発を担当した三菱 商品開発本部の藤井 康輔 チーフプロダクトスペシャリストは「兄貴分となる新型アウトランダーPHEVとの親和性を持ち、eKクロスから引き継がれたダイナミックでアクティブなフロントデザインとしました」と話します。
三菱 新型軽EV「eKクロスEV」
結果としてベースのガソリン車のeKクロスと極めて似たイメージに仕上がりましたが、藤井氏は2台の違いについて次のように説明します。
「エンジンがなく中央の開口部が不要なため、フラッシュな面で下まで延長されたダーククロムメッキグリルが、よりクリーンなEVらしさを表現しています。
またボディカラーのバンパーガーニッシュ、異形のLEDフォグランプを採用しており、eKクロスとはひと味違った都会的で洗練した印象としています」
このほか新デザインの15インチアルミホイールやEVバッジなど、随所に専用デザインも与えられています。
SUVを主力とする三菱の車種ラインナップや、軽自動車「eK」シリーズとの共通性を狙いながらも、細部の表現で差別化も図っているという訳です。
また専用デザインとしたサクラとは異なり、基本のインパネ形状自体はeKクロスと共通ですが、上級グレードに専用色の「プレミアムインテリアパッケージ」を設定しました。7インチフル液晶メーターパネルのサイズなどはサクラと共通です。
※ ※ ※
価格(消費税込み)は、サクラが233万3100円から294万300円。eKクロスEVが239万8000円から293万2600円です。それぞれ国の購入補助金対象となります。
令和4年の補助金(クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金)額は55万円で、各最安値モデルなら実質100万円台後半からの購入が可能となります。
エンジン車の軽とあまり変わらない価格でEVが購入可能となれば、大いに話題を呼びそうです。
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