ヤスモッカって「休もっか」!? 豪華な高速SAが登場する一方で 昔ながらのパーキングエリアも根強い人気の理由とは?
くるまのニュース / 2022年5月25日 9時10分
高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)がいま、進化しているといいます。2022年4月には首都高初となる川口ハイウェイオアシスが誕生し、目的地にもなることを意識したSA/PAが増えています。その一方、昔ながらのPAも根強い人気を誇っているそうです。その理由とはいったいなんでしょうか。
■ドライブの目的地にもなるような大型のSA/PA
2022年4月25日、首都高速の川口PA(上り)がリニューアルし、埼玉県川口市の公園「イイナパーク川口」と連結する首都高速初の「川口ハイウェイオアシス」に生まれ変わりました。
今回のリニューアルにより、駐車場の台数はかつての約2倍に拡大し、食堂や売店などの商業施設は公園側へ移動。また、首都高速からだけでなく、一般道からもアクセス可能となりました。
そして、遊び場施設「ASOBooN(アソブーン)」を新設しています。これは玩具企業のボーネルンドがプロデュースする関東最大級の子どもの遊び場施設。ぶらんこや滑り台などの遊具が屋外だけでなく、屋内にも用意されており、季節や天候に左右されず、いつでも子供が楽しめるのが特徴です。
つまり、今回のリニューアルにより、高速道路の移動の途中に休憩に立ち寄るだけの施設ではなく、子供と一緒に遊びに行く目的地にもなれる場所になりました。
ちなみに、近年のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)は、川口ハイウェイオアシスと同様に、「移動の途中に立ち寄る」だけでなく「目的地となる」ことを意識した場所が増えています。
NEXCO東日本は、「Pasar(パサール)」の名称で大規模商業施設のように数多くの店舗を揃えた「道ナカ」施設を東日本エリア7か所に展開しています。
またNEXCO中日本は、「NEOPASA(ネオパーサ)」「EXPASA(エクスパーサ)」のブランド名で、同様に個性的なSA/PAを計24か所に展開。
NEXCO西日本は、複合型商業施設「PAVARIE(パヴァリエ)」を3か所に展開しています。
どこのSA/PAでも、オリジナルのグルメやお土産を開発するなど、来場した人の満足感を高めることに注力しています。
■NEXCO東日本は「ヤスモッカ」、NEXCO西日本は「モテナス」
どんどんと観光地化してゆくSA/PA。しかし、それを求めないユーザーも存在します。それがトラック輸送や営業マンなど、仕事で高速道路を使う人たちです。
SA/PAは観光地化が進めるほど、そこの商品やサービスの価格は高くなる傾向があります。また、ビジネス利用の人たちは、そもそもSA/PAが混むことを求めていません。さらに、観光客の「休日的」「非日常的」な雰囲気を好まない人もいることでしょう。
そうしたビジネス利用の人の声は、当然、SA/PAの運営側にも届いています。なんといっても高速道路のSA/PAに数多く立ち寄るのは、週末中心の観光客ではなく、毎日のビジネス利用の人だからです。
YASMOCCA(ヤスモッカ)店舗のひとつ、東北道・矢板北PAのメニュー。量も多く値段もお手ごろなものが並ぶ
そこでNEXCO東日本は「YASMOCCA(ヤスモッカ)」、NEXCO西日本は「モテナス」の名称で、お得感のあるメニューを用意する店舗を用意しています。
NEXCO東日本のウェブサイトでは「YASMOCA(ヤスモッカ)」に関して「先を急がれるお客さまのトラックドライバーの皆さまやビジネスユーザーの皆さまなどに、休もっか、休もうよ、とお気軽にお立ち寄りいただけるよう『いつもの“ホッと”があるお店』を目指します」と説明しています。
同じようにNEXCO西日本では「お得感のあるメニューや品揃え・早くて正確なサービスを提供する『モテナス』店舗の整備を進めています」とあります。
定番のメニューをお手頃価格で、迅速に提供する--これこそ、ビジネス利用のトラック運転手や営業マンが求めているサービスといえるでしょう。
つまり、現在のSA/PAは、個性的でユニークな商品やサービスを用意する「観光客向け」と、定番メニューをお手頃価格で用意した「ビジネス向け」の二極化が進んでいるのです。
逆にいえば、コスパの良いところで手早く安く食事を済ませたいというのであれば、プロ御用達のヤスモッカやモテナスのSA/PAを目指せば良いことになります。また家族や友人とちょっと楽しく過ごしたいというのであれば、パサールやネオパーサ、エクスパーサ、パヴァリエの名前を冠したSAを探せば良いことになります。
※ ※ ※
昭和の時代のSA/PAは、運営が日本道路公団というお役所だったこともあり、「全国どこでも同じサービスを同じ価格で提供する」ことにこだわっていました。つまり公共サービスという側面が強かったのです。
当初こそ、均一なサービスは喜ばれましたが、景気が良くなるほどに、より珍しく、より良いサービスが求められるようになったのです。そして平成17年(2005年)の民営化により、SA/PAのサービス向上と多角化が加速。今では、「観光客向け」と「ビジネス向け」の二極化が鮮明となっています。
いろいろなモノをユーザーが好きに選べる。これがSA/PAの最新進化形といえるのではないでしょうか。
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