新型軽EV登場でCO2削減目指す! でも昔はパワー重視!? 三菱の超絶ハイメカ軽「ミニカ ダンガン ZZ」とは
くるまのニュース / 2022年5月26日 19時10分
日産と三菱は2022年5月20日に、新型軽EVの日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」を初公開しました。新たな軽EVの登場によって、EVのさらなる普及を目指すといいます。一方、ひと昔前の軽自動車市場では環境対応よりもパワー競争を重視。そのトリをつとめた三菱「ミニカ ダンガン」とはどんなモデルだったのでしょうか。
■軽戦国時代の最後に登場した「ミニカ ダンガン ZZ」とは
日産と三菱は2022年5月20日に、新型軽EVの日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」を初公開しました。両車は日産と三菱の合弁会社であるNMKVが企画・開発を担当し、2022年度初頭を目処に市場投入すると予告されてきたEVです。
三菱「i-MiEV」に続く新たな軽EVの登場によって、さらなるEV普及を目指すといいます。
現在、日本の自動車市場では軽自動車が4割ものシェアを誇るほどの人気ぶりですが、軽EVがどの程度ユーザーに受け入れられるのか、大いに注目されます。
現在の軽自動車は1955年に公表された「国民車構想」に沿うかたちで確立され、安価な車両価格と維持費の安さから、初めてのマイカーや庶民の足として普及しました。
その後、1960年代の終わりから1970年代初頭には、高性能化を競うようになり、第一次パワー競争が勃発しましたが、排出ガス規制の強化から1970年代の中頃には沈静化しました。
ところが、1980年代になると三菱が軽自動車にターボエンジンを搭載し、第二次パワー競争が始まりました。
そのパワー競争に終止符を打ったのが1987年に発売されたスズキ初代「アルトワークス」で、550ccエンジンながら最高出力64馬力を発揮。この数値が軽自動車における出力の上限に自主規制されました。
そして、スズキに続いてダイハツも64馬力に到達しましたが、ターボエンジンで先駆けだった三菱が遅れをとりました。
そこで三菱は1989年に、まさに最終兵器ともいうべきハイスペックの高性能軽自動車「ミニカ ダンガン ZZ」を発売し、64馬力組に参入。このミニカ ダンガン ZZとはどんなモデルだったのか、振り返ります。
※ ※ ※
三菱は1983年に、軽自動車で初のターボエンジンを搭載した「ミニカ エコノ ターボ」を発売。最高出力39馬力と高性能化を果たしたことから、軽自動車市場では前述の第二次パワー競争が始まりました。
その後、アルトワークス、ダイハツ「ミラ TR-XX」が64馬力を発揮して追従しましたが、ターボエンジンで先行していた三菱はライバルの後塵を拝していました。
そこで、三菱は1989年1月に6代目ミニカの発売と同時に、550cc軽自動車の集大成ともいうべく高性能モデルの「ミニカ ダンガン ZZ」を発売。
外観はボンネットのエアスクープや大型のリアスポイラー、3本出しマフラーで高性能さをアピール。
内装では4本スポークのスポーティなステアリングに、大型の2眼メーター、ポップな配色のスポーツシートなどで若々しさを演出していました。
搭載されたエンジンは、1気筒あたり3本の吸気バルブと2本の排気バルブを持つ、量産4輪車では世界初の5バルブエンジンで、550cc3気筒DOHCターボエンジンは最高出力64馬力を誇り、最高回転数は9000rpmを許容。
ほかにも、軽自動車初のローラーロッカーアーム、バルブクリアランスを自動で適切に保つオートラッシュアジャスター、水冷式オイルクーラーなど、エンジンには最新技術が注ぎ込まれていました。
トランスミッションは5速MTのみで、駆動方式は新開発のHCU式(ハイドロリックカップリング式)フルタイム4WDとし、加速性能は1リッタークラスのターボ車を凌駕するほどでした。
一方、足回りはフロントがストラット、リアが5リンクのリジットアクスルとオーソドックスな形式でしたが、前後にスタビライザーが奢られていました。
その後、1990年に排気量が660ccへ軽自動車規格が改正されたため、550ccのミニカ ダンガン ZZはわずか1年半ほどで生産終了し、660ccエンジンにスイッチされました。
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