タフ顔の軽SUVがEV化! 三菱新型「eKクロス EV」はベース車と激似!? EVならではの強みとは?
くるまのニュース / 2022年5月26日 17時40分
三菱「eKクロス」のEVとして、新型「eKクロス EV」が発表されました。ベースとなるeKクロスとはどのようなところが異なるのでしょうか。
■三菱の軽SUV「eKクロス」がEVになった!
三菱が電気自動車(EV)の軽自動車として新型「eKクロス EV」を発表。2022年夏に発売されます。
車名からもわかるように、新型eKクロスは軽ハイトワゴンの「eKクロス」をベースとしたEVです。
外観も良く似ている両車ですが、中身はかなり違います。一体どのようなところが異なるのでしょうか。
もともと「いい軽(=eK)」として誕生した「eKワゴン」ですが、2019年のフルモデルチェンジにおいて、SUVテイストのeKクロスが設定されました。
軽自動車では標準仕様に加え、エアロパーツを装着したカスタム仕様をラインナップすることが多いのですが、三菱の場合はカスタム仕様ではなくSUV仕様の「eKクロスシリーズ」を設定。同社の強みであるSUVテイストを取り入れることで、他社との差別化を図っています。
なお、eKクロスシリーズとして、全高が高いスーパーハイトワゴンの「eKクロス スペース」もあります。
そして今回、新型eKクロス EVが追加設定されたのですが、eKクロスと全体のスタイリングは非常に良く似ています。フロントフェイスは新型「アウトランダーPHEV」や「デリカD:5」などと同様の「ダイナミックシールド」を」採用しました。
ベース(ガソリン車)のeKクロスと異なる点として、新型eKクロス EVはエンジンが無く、中央の開口部が不要なため、フラッシュな面で下まで延長されたダーククロムメッキグリルを装着。クリーンなEVらしさを表現しました。
さらに、バンパーガーニッシュはボディ同色としたほか(eKクロスはシルバー加飾)、四角いLEDフォグランプ(eKクロスは円形)を採用しており、都会的で洗練された印象です。
加えて、eKクロス EVの15インチアルミホイールは精密機械を連想させる光輝切削のリムホイールがメカ感とスポーティさを表現するなど、全体的なスタイルはeKクロスと似ているものの、ひと味違った雰囲気を演出しました。
また、フロントフェンダーパネル付近に、キャラクターラインと調和させた専用のEVバッジをあしらっています。
リアは、フロントと同じくバンパーガーニッシュをボディカラー同色(eKクロスはシルバー加飾)とすることで、SUVらしさのなかにも洗練性を兼ね備えました。
新型eKクロス EVのボディカラーは、新色の「ミストブルーパール」のボディに、電気銅線をイメージした「カッパーメタリック」の2トーンカラーのほか、EVらしいクリーンな色を用意。
一方、eKクロスは、「サンドイエローメタリック×ホワイトソリッド」や「オリーブグリーンメタリック×チタニウムグレーメタリック」といった、SUVらしい遊び心を表現したカラーを設定しています。
※ ※ ※
新型eKクロス EVの内装は、「P」に「プレミアムインテリアパッケージ」(メーカーオプション)を設定。明るいライトグレーを基調とした、開放感のあるインテリアとしました。
シートはダイヤ柄の立体エンボスを施したファブリックと合成皮革のコンビネーションシートにカッパー色のステッチを施し、プレミアムなイメージを演出。
ディスプレイは先進的で直感的に操作できるグラフィックの7インチフル液晶ドライバーディスプレイと、さまざまな機能が搭載された9インチスマートフォン連携ナビゲーションが装着されます(一部グレードに標準装着)。
さらに、新型eKクロス EVは駆動用バッテリーを薄型化して床下に配置したことで、EVであってもガソリン車とそん色のない、広々とした後席足元スペースを確保しました。
■価格は100万円前後違うけど、EV補助金を使うと…
eKクロスと新型eKクロス EVで大きく異なるのがパワーユニットです。
eKクロスはハイブリッド車とハイブリッド×ターボを設定。対する新型eKクロス EVは総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載します。
三菱新型「eKクロス EV」
最高出力は47kWでハイブリッド×ターボのeKクロスに搭載される660ccのエンジンと同じですが、新型eKクロス EVの最大トルクは195Nmを発揮。eKクロスのハイブリッド×ターボが同100Nmに対して約2倍もの動力性能を誇り、滑らかで力強い走りを実現しました。
また、新型eKクロス EVは走行シーンに応じて切り替えられるドライブモード(ノーマル/エコ/スポーツ)を設定したほか、アクセルペダルの操作で加減速をコントロールできる「イノベーティブペダル オペレーションモード」も採用。
くわえて、どんな天候や路面でも安心してドライブを楽しめるよう、滑りやすい路面での発進をサポートする「グリップコントロール」を標準装備しました。
EVで気になるのは1回の充電でどれだけ走れるかということですが、新型eKクロス EV総電力量20kWhの駆動用バッテリーを搭載し、最大航続距離は180km(WLTC)を実現。
軽自動車やコンパクトカーのユーザーの約8割は1日当たりの走行距離が50km以下であることから、2日間は充電することなく走行することが可能という想定です。
また、新型eKクロス EVの静粛性は軽トップレベルを実現。EVであることはもちろんですが、モーターマウントのレイアウトを重心近くに配置するなど静かなクルマであることにもこだわりました。
安全機能については、eKクロスおよび新型eKクロス EVともに高速道路の同一車線で運転支援をおこなう「マイパイロット」を搭載します。
さらに新型eKクロス EVは、三菱車初となる「マイパイロットパーキング(オプション)」も設定。駐車可能位置を自動で検知し、後退しての駐車、前進しての駐車、縦列駐車のいずれにも対応するなど、スムーズな車庫入れを支援機能が備わりました。
ほかにも、EVならではの特徴のひとつに、クルマを蓄電池として活用できることがあります。新型eKクロス EVは一般家庭の約1日分の電力消費量に匹敵する大容量の電気が使え、非常時の電源として有効利用することが可能です。
価格(消費税込)は、eKクロスが146万3000円から182万500円、新型eKクロス EVが239万8000円から293万2600円と、100万円前後の差があります。
新型eKクロス EVのほうが高額な設定となるのですが、国からの補助金55万円を受けると実質的に180万円台となるほか、地自体によってはさらなる補助金が交付されるところもあり、ガソリンの軽自動車とあまり変わらない金額で購入することもできそうです。
※ ※ ※
三菱は、まずは気軽に乗ってもらいたいということで、軽自動車でEVを開発したといいます。
また、20kWhの駆動用バッテリーの搭載で180kmという航続距離は、メインのクルマであれば物足りないかもしれませんが、セカンドカーとしては十分だともいえます。
軽・コンパクトカーのユーザーはそれほど長い距離を走らないことから、あえて容量の小さいバッテリーを搭載して価格を抑えたことも、EVとして軽自動車を選択した理由のひとつのようです。
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