大衆車なのにめっちゃオシャレ! イケてるデザインの昭和コンパクトカー3選
くるまのニュース / 2022年5月29日 6時10分
2000年代以降、販売台数上位の常連になっているコンパクトカーですが、1970年代から普及が始まりました。そこで、昭和の時代に発売されたコンパクトカーのなかから、特に「オシャレ」なスタイリングのモデルを、3車種ピックアップして紹介します。
■昭和にデビューした「シャレオツ」なコンパクトカーを振り返る
2000年代になってトヨタ「ヴィッツ」やホンダ「フィット」が大ヒットを記録。以降はコンパクトカーが販売台数の上位の常連になりました。
コンパクトカーはAセグメントからCセグメントまで幅広く分布していますが、かつては「2ボックス」とも呼ばれ、3ドア/5ドアハッチバック車の総称でした。
日本でコンパクトカーの普及が始まったのは1970年代で、もともとエントリーカーといえばセダンでしたが、次第にコンパクトカーに取って代わられました。
とくに昭和の時代に登場したコンパクトカーは、ユニークなモデルが散見されました。そこで、昭和デビューの「オシャレ」なスタイリングのコンパクトカーを、3車種ピックアップして紹介します。
●ダイハツ「シャレード クーペ」
先進的なモデルで「リッターカー」というカテゴリーを確立した先駆者だった初代「シャレード クーペ」
ダイハツの現行モデルでエントリーカーとしてラインナップされているモデルが「ブーン」ですが、その源流となったのが、1977年に誕生した初代「シャレード」です。
初代シャレードはダイハツが自社開発した新時代のベーシックモデルで、コンパクトかつ低燃費で量産車世界初の4サイクル1リッター直列3気筒エンジンを搭載し、「リッターカー」の先駆け的存在となりました。
ボディバリエーションは、発売当初5ドアハッチバックボディのみでしたが、1978年には3ドアハッチバックの「シャレード クーペ」を追加。
このクーペの外観デザインが非常にユニークで、「Jライン」と名付けられたサイドウインドウと、さらにその後ろCピラー部分には丸い窓が装着されていました。
この丸い窓は「マリンウインド」というネーミングで、ヨットなどのキャビンに取り付けられている窓をモチーフにしてデザインされており、若いユーザーへ訴求する目的で採用されました。
ダイハツはマリンウインドによる開放感をアピールしていましたが、実際は直径20cmに満たないサイズだったため、デザイン上のアクセントだったと考えられます。
その後、1983年に発売された2代目以降の3ドア車ではマリンウインドが廃止され、比較的オーソドックスなデザインとなりました。
●日産「マーチ キャンバストップ」
シンプルなデザインと優れた経済性に加え、華やかな要素を取り入れた「マーチ キャンバストップ」
日産は1982年に、新世代のFFコンパクトカーで世界戦略車でもあった初代「マーチ」を発売しました。
ボディは3ドアと5ドアハッチバックをラインナップし、ボディデザインは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが手掛け、飽きのこないシンプルな外観が好評を博し、とくに女性ユーザーを中心に人気を獲得して日本のみならず欧州でもヒットしました。
内装もシンプルなデザインで装備も必要最小限にとどめることで安価な価格設定と700kg台の軽量な車重を実現し、1リッター53馬力(グロス)とアンダーパワーながらもキビキビとした走りが可能でした。
1985年には高性能化の波をキャッチアップしてターボエンジンを搭載した「マーチ ターボ」を追加。さらに1988年にモータースポーツベース車としてターボとスーパーチャージャーを搭載する「マーチR」と、1989年にマーチRのストリート仕様「マーチ スーパーターボ」が登場し、バリエーションも拡大していきました。
そして、1987年にはオープンエアモータリング志向の高まりから、「マーチ キャンバストップ」が登場。ルーフは電動開閉式のキャンバス製スライディングルーフで、広い開口部から開放感をアピールしました。
また、キャンバスのカラーはブラックとベージュの2色から選択可能で、ボディカラーとの組み合わせが楽しめる設定とし、内装ではナチュラル感のあるシート生地を採用するなど、専用に仕立てられていました。
その後、初代マーチは1992年に2代目へとバトンタッチし、2代目ではオープンモデルの「マーチ カブリオレ」がラインナップされました。
●ホンダ「シティ カブリオレ」
スタイリッシュなボディをさらにブラッシュアップしたモデルだった「シティ カブリオレ」
ホンダは1981年に、初代「シビック」クラスの新たなエントリーカーとして、初代「シティ」を発売。高い全高と極端に短いフロントノーズ、全体を台形イメージとしたデザインで、それまでのコンパクトカーの常識を覆したフォルムでした。
賛否が分かれるシティのデザインでしたが、人が乗る空間は広く、エンジンなどが収まる空間は小さく、という設計思想により機能美ともいえるデザインは多くのユーザーから支持を受け、一躍ヒット作となりました。
その後、1984年にはオープンモデルの「シティ カブリオレ」を発売。
ルーフは手動のソフトトップで、ボディの基本構造、ソフトトップのスタイリング及びレイアウトは名門デザイン工房であるピニンファリーナが担当。車体中央のロールバーにはピニンファリーナのエンブレムが装着されていました。
外観は「シティ ターボII」と同じブリスターフェンダーを採用し、カラーリングは全12色用意され、ビビッドな色からシックな色まで選ぶことができました。
内装は使い勝手に合わせてシート地が選べ、シックで高級感のあるファブリックシートと、汚れなどにも強いビニールレザーシートの2タイプを用意し、シティ カブリオレのオーダーメイド感覚をもりあげていました。
シティ カブリオレの価格は138万円(MT、東京地区価格)からと比較的安価だったこともあり、用途が限られるオープンカーながらヒットを記録しました。
※ ※ ※
最後に紹介したシティはスタイリング以外も非常にユニークなモデルで、1車種でオープンカーから商用バンまでラインナップされていました。
さらにターボモデルや燃費性能に特化したグレード、ハイルーフ仕様もあり、生産の合理化よりもバリエーションを重視していたといえるでしょう。
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