梅雨でも「熱中症」に要注意! 油断禁物な「車内気温」 体調不良時の対応策とは
くるまのニュース / 2022年6月8日 9時10分
6月に入り気温の高い日も増えてきました。気温が上昇すると熱中症の危険が叫ばれますが、梅雨の時期でも熱中症の危険はあるのでしょうか。
■真夏前の6月も意外と危険?熱中症の危険に関係する「暑さ指数」とは
6月に入り気温の高い日も増えてきました。6月は本格的に雨の日が続く梅雨が始まり、蒸し暑い日々が到来します。
気温が上昇すると熱中症の危険が叫ばれますが、梅雨の時期でも熱中症の危険はあるのでしょうか。
真夏が近づくに連れて、テレビ番組やさまざまなメディアでは、熱中症についての注意喚起も増えますが、実は熱中症は梅雨の時期にも発症してしまう可能性があります。
梅雨の時期の熱中症の危険性はどのようになっているのでしょうか。
JAF東京支部の担当者は、梅雨の時期の熱中症の危険性について「たとえ同じ温度でも、湿度が高ければ熱中症に陥るリスクが高くなります」として、以下のように続けます。
「人間は汗をかくことで体温調節ができる仕組みになっています。
しかし、湿度が高い場所では汗が蒸発しにくなり、身体からの熱を放出しきれず体温が上昇し、熱中症になりやすくなります」
とくにクルマの車内など、閉め切られた場所は湿度や気温が上昇しやすい環境です。
また、湿度や気温の上昇に加えて、風通しが悪いことも熱中症を引き起こす要因のひとつであるため、蒸し暑い梅雨の車内は、人体にとってまさに劣悪な環境といえます。
このように、湿度の高さが熱中症の危険性を高めるのは間違いありませんが、単に湿度が高いだけでは、一概に熱中症になりやすいとはいえません。
特定の日が、熱中症になりやすいかどうかを測るためには、「暑さ指数」(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)と呼ばれる指標を確認することが有効です。
暑さ指数は、1954年に熱中症を予防することを目的としてアメリカで提案された指標となっており、日本でも環境省などがその考え方を推奨しています。
暑さ指数は「湿度」・「日射・輻射など周辺の熱環境」・「気温」の3つを軸に算出されており、環境省では、2013年から「生活の場における暑さ指数」として、身の回りの暑さ指数を毎日公表しています。
「生活の場における暑さ指数」では、都道府県とおおよその地域から、その地域のリアルタイムに近い時間帯の暑さ指数を確認することが可能です。
また、「駐車場」や「交差点」など、より詳細な周辺状況を選択することもできるため、例えば、仕事の都合で駐車場にクルマを停めて待機しなくてはいけないときなど、状況に応じたケースでの暑さ指数を具体的に調べられます。
2021年の「生活の場における暑さ指数」を見てみると、福岡県などの一部地域では、5月半ばの時点で、暑さ指数が「熱中症厳重注意」を示す28度超えていた日もあり、6月に入ると全国的に暑さ指数25度以上の「熱中症警戒」の日が急増しています。
こうした過去のデータを考慮しても、5月中旬から6月の梅雨の時期でも、熱中症になる可能性は十分に高く「真夏ではないから」と安心できる状況ではないことがわかります。
■熱中症を予防するには?環境も大事だけど、身体も大事
前述したように、車内のように閉め切られた空間では、熱中症のリスクが高まります。
もちろん、閉め切られていなくても「湿度」・「日射・輻射など周辺の熱環境」・「気温」の3つの状況によっては、熱中症になる可能性が高まることもあります。
熱中症対策には、窓を開けたり、クーラーをつけたり、日陰をつくったりと、こうした“環境”の改善をおこなうことも重要ですが、自身の“身体”を改善していくという方法も挙げられます。
環境省の調査によると、熱中症になりやすい身体の状態として挙げられるのは、「二日酔い」・「寝不足」・「脱水」・「栄養不足」などです。
次の日に車内で長時間待機するなど、熱中症の危険性の高い環境で過ごす可能性がある場合には、前日にしっかりと睡眠と食事をとることが重要です。
また、二日酔いになるほどの飲酒も避けることが良いでしょう。
そして、水分をとることも忘れてはいけません。水分は、通常のミネラルウォーターでも問題ありませんが、塩分が含まれているものが好ましいため、スポーツドリンクなどをあらかじめ購入しておくと良いかもしれません。
車内温度の上昇を抑えるには「サンシェード」を使うことでも効果は得られる
また、当然ながら車内に長時間留まる際には、可能な限り、エアコンを使用することが推奨されます。
ただ、最近では、アイドリングストップを禁止している公共駐車場がほとんどで、駐車時にクルマのエンジンを切る必要があるため、駐車中にエアコンを使用するのは困難です。
そうした場合の対策としては、クルマを駐車する場所を日陰にし、窓をしっかりと開けて風通しを確保することが有効的です。
そのうえで、水分の補給や前日の体調管理などをしっかりとおこなうと良いでしょう。
車内環境の改善とともに、自身の体調管理も徹底して、梅雨の時期の熱中症対策をしっかりとおこなうようにしましょう。
※ ※ ※
万が一、めまいや大量の発汗、筋肉痛のような身体の痛みなど、「熱中症かも?」と疑われる症状が出た場合には、涼しい場所へ移動し、服をゆるめて身体を冷やすようにします。
この際、保冷剤や熱冷ましシート、水分などが有効です。とくに大量の発汗の症状がある場合には、塩分が不足する可能性があるので、塩分が含まれているドリンクが推奨されます。
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