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トヨタ本気の2人乗り仕様「GRカローラ」世界初公開! 最強ハッチバックに世界が驚愕! 水素カローラとの関係性とは

くるまのニュース / 2022年6月2日 10時10分

トヨタは「GRカローラ」のジャパンプレミアを実施。さらに「モリゾウエディション」を2022年6月1日に世界初公開しました。

■トヨタの本気が凄すぎる…「GRカローラ」日本仕様&モリゾウエディション発表!

 2022年6月1日にトヨタは「GRカローラ」のジャパンプレミアならびに「モリゾウエディション」を世界初公開しました。

 新たに公開されたGRカローラ モリゾウエディションとは、どのようなモデルなのでしょうか。

「ロングセラーだから、変革が必要」
「次世代に向けて生き残る必要がある」

 そんな想いで開発されたのが12代目となるトヨタ「カローラ」です。

 ハッチバック(スポーツ)を皮切りに、セダン、ワゴン(ツーリング)、そしてクロスオーバー(クロス)が登場していますが、新たなファミリーが追加されました。

 それがカローラシリーズのフラッグシップであると同時に、トヨタのスポーツブランド「GR」のオリジナルスポーツカー第4弾となる「GRカローラ」です。

 すでに北米仕様は発表済みですが、今回は右ハンドルの日本仕様です。

 発表に先駆けて筆者(山本シンヤ)は実際にクルマを見て・触ったうえで、開発者の話も聞いてきました。

 エクステリアは「GRヤリス」ほどではないものの、進化したファンクショナルマトリックスグリル採用のフロントバンパー、リアは3本出しマフラーに合わせてデザインされたリアバンパー、+60mm拡幅されたワイドフェンダーなどの採用により、ベースとなるカローラスポーツとは別格の存在感です。

 開発責任者の坂本尚之氏は、新型GRカローラについて次のように話しています。

「フロントバンパーのインテークやフェンダーバルジのアウトレットはクーリングとエアロダイナミクス、ワイドフェンダーはトレッド拡大による運動性能向上のためと、カローラスポーツからの変更点はすべてに機能が伴っています」

 個人的に気になったのは、迫力あるボディに対してリアスポイラーがカローラスポーツと同じで控えめなデザインに感じることですが、坂本氏は次のように続けます。

「装着したほうが運動性能は上がりますが、抵抗が増えエミッションが不利になってしまうために、今回は装着せずバランスを取っています。

 ちなみに北米仕様はリアウイングの設定をしましたが、そのままつけると前後バランスが崩れるので、フロントのインテークのカバーを装着(リフトが抑えられる)で整えています」(坂本尚之氏)

 もうひとつ気になったのはタイヤサイズです。「RZグレード」は235/40R18、「モリゾウエディション」は245/40R18と、世の中のトレンドからすると小径です。

 もう少し大径のほうが見た目のバランスは良く見えそうですが、坂本氏は「19インチという案もありましたが、とにかくバネ下を軽くしたかったので18インチにこだわりました」と説明します。

 ちなみにBBS製鍛造アルミホイールはGRヤリス用ではなくGRカローラ専用サイズ(18×8.5J +30)で、より立体的な形状になっています。

 さらにトレッド拡大のためにリアにはポルシェ「930ターボ」を思い出す純正のスペーサー(30mm)も装着されています。

 インテリアは基本的にはカローラスポーツと同じですが、スポーツ走行時の視認性を高めた専用デザインのTFTメーターやスポーツシートなどの採用により、スポーツイメージを高めています。

 とくに専用メーターはGRヤリスが廉価仕様ベースの事務的なデザインだったことを思うと、嬉しい進化のひとつです。

 シートはRZがスポーツシート、モリゾウエディションがセミバケットシートを装着。

 実際に座ってみましたが、クッションの厚みの差でモリゾウエディションのほうが気持ち低めのポジションに感じましたが、どちらもスポーツモデルにしては高めのポジションのGRヤリスよりも適正かなと。

 ちなみにモリゾウエディションのシートベルトは専用の“赤”になっています。

 筆者は自身のGRヤリスのシートベルトを赤に変更済みですが、さっそく真似されました(笑)。

 トランスミッションは6速MT(iMT)のみの設定です。操作してみると正確性が高くカチッとしたフィールはGRMNヤリスのそれと同じで、リンケージ類も進化しているのでしょう。

 サイドブレーキはノーマルの電子式(EPB)からレバー式に変更。AWDの前後駆動配分の切り替えをおこなうダイヤルはシフトレバー後方にレイアウトされています。

 加えてアクセル応答性/ステアリングの特性が変更可能なドライブモードスイッチも用意、ユーザーの好みや走行環境に合わせて選択肢があるのはいいことです。

 居住性はカローラスポーツとほぼ同じと考えていいと思います。

 GRヤリスは空力を優先した3ドアボディの採用で前席優先のパッケージですが、GRカローラは実用性の部分も強みのひとつになるでしょう。

 ただ、モリゾウエディションは驚きのリアシートレスの2シーター仕様で、本来リアシートがある位置には補強部品を装着。

 これにより約30kgの軽量化だといいますが、3ドアのGRMNヤリスならまだしも5ドアボディのGRカローラでやってしまうとは驚きしかないです。

 パワートレインはGRヤリスと同じ直列3気筒1.6リッターターボ「G16E-GTS」ですが、GRカローラ用に開発された進化版です。

 具体的には吸気ポートの進化、大型排気バルブ/マルチオイル・ジェットピストンの採用、エキゾーストの進化(3本出しマフラー)などにより、GRヤリスの272ps/370Nmから304ps/370Nmにアップ。

 さらにモリゾウエディションは過給圧アップなどのさらなるチューニングによって304ps/400NMとなっています。

■モリゾウ選手から「野性味が足りない」といわれ…そこから大きく変わった?

 企画当初のパワートレインはGRヤリス用の水平展開でしたが、テストをおこなったモリゾウ選手の「大きく重いGRヤリスではダメだ」、「野性味が足りない」といった評価から、大きな設計変更が入ったといいます。

 6速MTのギア比はGRヤリスと同じですが、ファイナルをローギアード。モリゾウエディションはトルクアップに対応する強化に加えて、1-3速のクロスレシオ化とファイナルのさらなるローギアードとなっています。

 車両重量は1470kg、モリゾウエディションは1440kgとGRヤリスに対して200kg近く重いですが、上記の変更によりそれを相殺できるパフォーマンスに仕上がっています。

 AWDシステムはGRヤリスと同じく電子制御油圧多板クラッチを採用する「GR-FOUR」ですが、GRカローラのパッケージングやディメンジョンに合わせた専用制御となっています。

「GRカローラ モリゾウエディション」(左)とトヨタ「GRカローラ RZ」(右)「GRカローラ モリゾウエディション」(左)とトヨタ「GRカローラ RZ」(右)

 プラットフォームはカローラ系が採用するTNGA GA-Cですが、スポット溶接(+394点追加)や構造用接着剤(2.7m)、ブレースなどを用いて高剛性化された専用ボディとなっています。

 さらにモリゾウエディションは構造用接着剤追加(3.3m)と補強ブレースを追加。もちろん並行して軽量化もおこなわれ、CFRP製のルーフやアルミ製ボンネット/ドアなどを採用しています。

 サスペンション周りは専用のスプリング/ショックアブソーバー(モリゾウエディションはフロント・倒立モノチューブダンパー/リア・モノチューブダンパー)はもちろん、専用サスペンションメンバー(5kg軽量化+ロアアーム取り付けポイント15mmアップ)、ブッシュのピロボール化、トルセンLSD(前後)、前後対向キャリパー(フロント:4ポット/リア:2ポット)の採用など変更部位は多岐に渡ります。

 タイヤはRZが235/40R18サイズのADVAN APEX V601、モリゾウエディションは245/40R18サイズのミシュラン・パイロットスポーツカップ2を装着します

 テストを担当したレーシングドライバーの石浦宏明選手は次のように走りの印象を教えてくれました。

「GRヤリスに対してロングホイールベース&ワイドトレッドの基本素性を活かした『懐が深く』、『ストライクゾーンが広い』走りですね。

 高速コーナーが多いコースではGRヤリスより速いと思いますよ。

 RZは日常からサーキットまで万能な上に振り回して楽しめる味付け、モリゾウエディションはとにかく速さを追求した味付けになっています」

■スーパー耐久参戦「水素カローラ」と密接な関係がある「GRカローラ」

 ちなみに2022年からスーパー耐久シリーズに水素エンジンを搭載したカローラスポーツが参戦していますが、実はGRカローラとの密接な関係があります。

 坂本氏はその理由を教えてくれました。

「実は以前からGRカローラの開発は進めていましたが、課題が山積みで企画は頓挫……。

 そんなとき、ほぼ同じタイミングで水素カローラのプロジェクトが立ち上がりました。

 このふたつの転機が偶然重なったことで水素カローラとGRカローラの開発がリンクしました。

 これによりさまざまな検証・評価を極限状態(=サーキット)で通常の開発を超えるスピードでアジャイルにおこなえるようになりました。

 その結果、パワートレインもシャシも大きく進化させることができました。

 これは意図したものではなく“神がかり”のような巡り合わせで、そのキッカケを生んでくれた社長は本当に“何か”を持っていると思いました」

スーパー耐久シリーズに参戦している水素エンジンを搭載した「カローラ」は、第二戦「富士24時間レース」にて「GRカローラ」顔に変更された(画像:GRカローラと水素カローラ/提供:TOYOTA GAZOO Racing)スーパー耐久シリーズに参戦している水素エンジンを搭載した「カローラ」は、第二戦「富士24時間レース」にて「GRカローラ」顔に変更された(画像:GRカローラと水素カローラ/提供:TOYOTA GAZOO Racing)

 ちなみにRZ、モリゾウエディション共にステアリングにはACCの操作スイッチが装着されているのを確認できたので、運転支援デバイス(TSS)などはカローラスポーツと同じスペックのシステム装着は間違いないでしょう。

 発売はRZが2022年の秋ごろ、モリゾウエディションが2022年の冬ごろに台数限定で発売予定(予約抽選は秋ごろから受付)となっています。

 価格は現時点では未発表ですが、筆者は車体/プラットフォームが専用となるGRヤリスに対して、多くの人が想像するよりもリーズナブルな設定(GRヤリス+100万円以内?)になるのではないかと予想しています。

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