なぜ世界遺産に「激レアマシン」を展示出来た? 富岡製糸場にラリーマシンが集結した理由とは
くるまのニュース / 2022年6月11日 14時10分
世界遺産の「富岡製糸場」でラリーカーの展示とライトアップがおこなわれました。一見、結びつかないイメージの両者ですが、どのような経緯でイベントが開催されたのでしょうか。
■本物のラリーカーが世界遺産のに集合! パレードランとライトアップ展示を実施!
全日本ラリー選手権第5戦「MONTRE2022」が、6月10日から12日にかけて群馬県西部の富岡市・高崎市・藤岡市などを中心に開催されます。
そのプレイベントとして富岡市にある世界遺産「富岡製糸場」にてラリーカーの展示とライトアップがおこなわれました。
全8戦でおこなわれる全日本ラリー選手権の第5戦とあり、後半戦の戦いになってきました。シリーズチャンピオンに向けてどの選手も落とせないラリーが続いていきます。
そんなラリーですが、普段ならば木曜日に関係者はサービスパークが設置される主要地域に入り、翌日の金曜早朝から始まるレッキ(コースの下見)に向かいます。
今回は準備日となる木曜日に多数のチームの協力を得て、世界遺産の富岡製糸場でラリーカーの展示をおこないました。
これは全日本ラリー選手権でチャンピオン経験をもち、世界のラリーシーンで活躍してきた新井大輝選手が、ラリーカーを使った地域貢献、町おこしをしたいと旗振り役となり実現しました。
今回の取り組みに関して、新井選手は次のように話しています。
「WRCのラリージャパンは別格ですが 、日本のラリーは世界のラリーシーンに比べてプロモーションとして少し劣るのではと長年思っていました。
どのようにしたら地域活性やラリー自体のプロモーションをできないか悩んでいました。
過去ヨーロッパラリーの現場も実際見てきましたし、先日メキシコのラリーの現場も見てきました。
そうすると開催前に長い時間をかけて地元を盛り上げていました。
今回地元群馬での開催でもありますし、世界に誇れるこのような施設もありますし何かできないかと考えて、今回の展示イベントになりました」
※ ※ ※
今回のラリーは全日本ラリー第5戦でもありますが、FIAアジアパシフィックラリーチャンピオンシップ・アジアラリーカップ第1戦も併催になっています。
つまりアジアパシフィックラリーに参戦しているチームやメディアも富岡市などを訪れることになり、海外のメディアに向けてアピールするチャンスでもあります。
この展示においても海外メディアが取材に来ており海外に向けて発信されていくでしょう。
■展示に参加だけではなく「座繰り」体験も
今回車両展示に協力したチーム関係者は、事前に製糸場の観光ツアーや、繭から糸を繰り出す「座繰り」も体験しました。
ヘイキ・コバライネン選手は、体験した内容に関して次のように述べています。
「いろいろ体験をさせてもらった、カイコから繭が作られ、そこから糸を紡ぎ出す経験はすごく良かった。
ガイドさんもフランスの人で、すてきなガイドをしてくれた。
フランスが製糸に対して深く関わっていることも知ることができて良かったよ。素敵なイベントで良い体験ができたよ」
なお、富岡製糸場では開業当初フランス式繰糸器という機械が使われていたようです。
夕方に向けてラリーカーが富岡製糸場の東置繭所というメインの展示場の前でパレードランをおこない、整列して展示イベントに移行していきました。
本来ならば建物のライトアップに合わせて展示をおこなう予定でしたが、意外に日没が遅く天候の悪化も見込まれたので、うっすらとライトアップされた状態での展示と記念撮影となりました。
富岡製糸場でラリーカーの展示とライトアップがおこなわれた
今回展示会場となった富岡市、世界遺産観光部観光交流課観光交流係の担当者は次のように述べています。
「富岡市としてこういうプロモーションに関わるのは初めてです。
新井さんから世界ではラリーを使って地域活性化をおこなっているし、世界遺産を使ってアピールしているというのはお聞きしていました。
世界遺産ということもあり、史蹟にもなりますので制限はありますけど、その範囲内でご協力できれば。とお伝えしました。
今までもCM撮影などでご協力もしてきましたが、こういうPRイベントとしては初めてです。
富岡製糸場は世界遺産ではありますが、アジア系のインバウンドのお客さまは多いですが、欧米のお客さまは少し認知が薄いので、より多くの人に認知していただけるようなれば嬉しいです。
今後もこのような活動を継続していけるのではれば協力していきたいと思います」
※ ※ ※
最後に新井選手は、将来的なビジョンを次のように語ってくれました。
「ラリー前日の忙しいタイミングなので参加してくれたチームには感謝です。
今後も継続していきたいです。今回は直前のアナウンスになったのと、コロナや施設や自治体などの準備期間が短かったので関係者だけになってしまいましたが、お客さんを呼んでラリー車を見てもらって発信してもらいたいです。
ラリー好きだけでなく、子供とかにも多く見てもらって興味を持ってもらいたいです」
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