「前が見えない!」高速道路がゲリラ豪雨で通行止めになる? 悪天候時の恐怖の運転体験とは
くるまのニュース / 2022年6月22日 16時10分
近年は、いわゆるゲリラ豪雨がもたらす災害級の被害が増えています。高速道路を走行中に突然豪雨に見舞われることもありますが、そんなときはどうすれば良いのでしょうか。
■「線状降水帯」や「ゲリラ豪雨」で高速道路が通行止めに!?
近年、甚大な被害をもたらすことのある「線状降水帯」が警戒されています。
急激に発達した積乱雲が集まり、長期にわたって局地的に大雨をもたらす気象現象であり、とくにここ数年で災害級とも呼べる大雨が発生したことは記憶に新しいところです。
そこで気象庁は、2022年6月1日より産学官連携で線状降水帯の発生予測を開始。文部科学省や理研科学研究所による全面協力と、スーパーコンピュータ「富岳」を活用し、さらにはさまざまな大学の研究機関とも連携して予報モデルの開発を進めると発表しました。
線状降水帯がもたらす長期にわたる大雨も十分危険ですが、一方で突然発生する「ゲリラ豪雨」はより遭遇しやすい異常気象でしょう。
梅雨に入ってから全国各所でゲリラ豪雨が発生しており、関東でも雹(ひょう)を含む大雨が局地的に発生するなど、いつどこで大雨が発生してもおかしくありません。
クルマを運転中に天気が急変して突然の豪雨に見舞われる可能性も否定できず、それが高速道路上だった場合は重大な事故につながることもあります。
悪天候で高速道路が「通行止め」になる場合にはどんな基準があるでしょうか。
NEXCO東日本では、台風や大雨など悪天候の場合は交通管理隊や警察の高速隊などが巡回し、走行が困難、または危険と判断される場合には通行止めになるとアナウンスしています。
また、NEXCO西日本が公表している「降雨時通行規制基準」を確認すると、場所によってばらつきはあるものの、時間雨量が50mm前後、または連続雨量が200mm程度までが通行可能な基準となっているようです。
時間雨量とは1時間に降る降水量で、連続雨量は雨の降り始めから終わりまでの時間雨量が2mmを超える降雨が6時間以上続いた場合の累積雨量のこと。
もちろん状況は刻一刻と変化しますし、通行止めとなる基準は状況次第ともいえますが、場所によっては時間雨量が35mm、連続雨量が150mmでも規制対象(通行止め)になる路線もあります。
※ ※ ※
気象予報用語では時間雨量が10~20mmは「やや強い雨」、20~30mmで「強い雨」と表現されています。
20mm以上はいわゆる「土砂降り」となるわけですから、その倍以上の50mmもの大雨での高速走行は大変危険なので、通行止めとなるわけです。
■オープンカーで走行中にゲリラ豪雨に遭遇!
ゲリラ豪雨では、晴天だった空が暗転し、涼しい風が吹き始めた途端に大雨が降ってきます。
実際に高速道路を走行中にゲリラ豪雨に遭遇したOさん(50代・男性)は、かなり怖い思いをしたそうです。
雨で前が見えない状態で走行するのは危険
「首都高の6号向島線を走行中に、遠くの空がやけに暗いなと思ったら突然大雨が降ってきました。ワイパーをフル稼働させても前が見えにくいほどの激しい雨に見舞われました。
周囲のクルマも急速にスローダウンしていて私も同じようにブレーキを踏んだのですが、後方から迫ってきたトラックに衝突されそうになってしまったのです。
視界が悪化することでブレーキ操作も遅れるので、首都高のような密集して走行する高速道路でのゲリラ豪雨は本当に怖いです」
さらに悲惨な経験をしたのが、Sさん(40代・男性)。東名高速の御殿場IC(静岡県御殿場市)から東京都内へ向かう途中にゲリラ豪雨に遭遇しました。
そのときSさんが乗っていたのは不運にもオープンカー。雨が降ってきたときにルーフを開けて走行していたことから、車内は水浸しになってしまったといいます。
「次のSAかPAで幌を閉めようと思っていたのですが、間に合いませんでした。しかも周囲のクルマから水しぶきが上がっていて、前方の視界はほぼゼロで怖かったです。
車内がビショビショになってしまったので、帰ってきてからすぐに内装クリーニング専門業者に依頼してキレイにしてもらいましたが、オープンカーでゲリラ豪雨に遭うと非常に厄介です」
線状降水帯は気象庁が予測を開始したので、それを確認して、予測されている場合はルートの変更や迂回、もしくは走行自体を取りやめるのが正解ですが、ゲリラ豪雨に関してはその判断が難しいところです。
では高速道路を走行中にそんな突発的なゲリラ豪雨に遭遇してしまったり、大雨のなかに突入しまった場合はどう対処すべきなのでしょうか。
一般道では安全な場所で停車するべきですが、高速道路の本線上での停車は後方車両からの追突など重大事故を引き起こす可能性もあり推奨できません。
同じく路肩も緊急車両などが走行してくる可能性を考慮して、停車はできないと考えておいたほうが良いでしょう。
できることとしては、まずはヘッドライトの点灯です。
とくに前が見えないほどの大雨では、周囲から自車を認識してもらうためにハザードを点灯させたり、もし装着されているのであれば、フォグランプとリアフォグランプも点灯し、自車の存在を周囲に認識させます。
次に安全な速度までスピードを落とし、できる限りの低速で最寄りのIC(高速の出口)かSA/PAまで移動して、ゲリラ豪雨が過ぎ去るのを待つというのが、もっとも安全に大雨をやり過ごす対処法といえそうです。
※ ※ ※
ゲリラ豪雨の場合は、突風や雷なども同時に発生することが多いようです。
SA/PAの安全な場所に停車しても無理にクルマから降りようとせず、雨や雷などが弱まるまでは車内で待機するのが良いでしょう。
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