加速スゴすぎ! 新型「ソルテラ」は“SUV×EV”でスバルらしさ濃厚!? トヨタの力でさらなる魅力も!
くるまのニュース / 2022年6月26日 14時10分
スバル新型「ソルテラ」が日本市場に登場しました。初のグローバルEVとなる新型SUVですが、水平対向エンジンやシンメトリカルAWDがなくても「スバルらしさ」はあるのでしょうか。
■水平対向じゃないとスバル車じゃない!?
スバルがグローバルで販売する電気自動車として新型「ソルテラ」が日本に登場しました。
スバル車はOEMを除いて全車が水平対向エンジンを搭載しますが、ソルテラはEVなのでエンジンではなくモーターを搭載。
また、四駆システムとして「シンメトリカルAWD」もスバル車の特徴といえますが、ソルテラのAWD車は前輪と後輪をそれぞれ別のモーターで駆動する新システムを採用するなど、これまでのスバル車とは異なる仕組みが取り入れられました。
開発はトヨタと共同でおこなわれており、トヨタでは新型「bZ4X」として販売されます(サブスクリプション限定)。
そういった意味でも、新型ソルテラはこれまでのスバル車とは異なるモデルなのかと思いきや、「スバルらしいSUV」だといいます。一体どのようなところにスバルらしさを感じられるのでしょうか。
スバルらしい部分として、そのデザインが挙げられます。
新型ソルテラは、スバルのデザインフィロソフィー「BOLDER」を取り入れ、SUVとしての高い性能を表現したデザインのなかに、エアロダイナミクスへのこだわりを注入しました。
外観は、六角形の「ヘキサゴングリル」、ヘッドライトとテールライトにはコの字の「Cシェイプ」を採用するなど、ひと目でスバル車とわかるパーツを取り入れています。
さらに、フロントバンパーのクラッディングはヘッドライト周辺まで大きく覆うことでSUVとしての力強さを強調するデザインパーツであるとともに、サイドに空気の通り道を設けて空気抵抗を低減させる役割も持たせました。
リアは左右に分かれたデュアルスポイラーが斬新なリアビューを実現するほか、リアウインドウを最大限傾斜させることによってクーペのような流麗なスタイルと空力性能の両立を図っています。
内装は、「0次安全」を重視するスバルとして、前方の視界を確保するために低く構えたインパネを取り入れていますが、フードがないトップマウントメーターや横長のマルチインフォメーションディスプレイなど、これまでのスバル車とはひと味違うデザインを採用。
スイッチ式のシフトや、ディスプレイからシームレスにつながるセンターコンソールを取り入れるなど、先進的な雰囲気も楽しめます。
一方で、ステアリングヒーターはスバル初の全周が暖かくなるタイプを採用したことや、シートヒーターが前席のみならず後席にも設定されたことは、雪国で支持されるスバルらしい点だといえます。
また、パドルシフトが付くのも新型ソルテラの特徴(bZ4Xには非設定)のひとつ。
とはいえ、パドルシフトはエンジン車のようにシフトアップ/ダウンを制御するのではなく、新型ソルテラの場合は減速度の強弱を制御するもので、減速度を強めると車速が下がることから、結果的にエンジン車と同じようにパドルシフトを使うことができます。
※ ※ ※
実際に新型ソルテラに乗り込んでみると、視界の良さが実感できます。SUVならではの高い着座位置で視界が広く、全幅1860mmという大柄なボディであっても思いのほか運転しやすく感じます。
トップマウントメーターはステアリングホイールの上から見るタイプのもので、ステアリングの上端が視界に入り込んでくるのが若干気になりますが、速度や航続距離といった運転に必要な情報をシンプルに表示しており、運転に集中できる環境が整っていました。
ただし、あと何km走れるかという情報は出ているのですが、それが充電全体の何%に当たるのかの表示がなく、EVだからこそ、その点はやや不安に感じるシーンもありそうです。
■一気に加速! リニア感がスゴイ!
新型ソルテラは新開発のEV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」により、走りや安全性、実用性などの高性能化を実現。AWD車のモーターは、フロント/リアに各80kWを搭載しました。
新型ソルテラの開発で目指したのは「これまでスバル車に乗っているユーザーでも違和感のない走り味」ですが、重量物であるバッテリーを床下の低い位置に搭載することで、低重心の水平対向エンジンのような高い走りの質感を実現しているといいます。
スバル新型「ソルテラ」
高速道路を走ってみると、EVならではのリニアな加速によって一気に制限速度へ到達してしまうのですが、そこへ行き着くまでが非常に滑らかであるのと、車体がブレることなく安定していることに驚きます。
ワインディング路ではワンペダルドライブ「S PEDAL DRIVE」を試してみました。コーナーが続くような道では、通常はアクセルとブレーキを頻繁に踏みかえる必要がありますが、新型ソルテラはアクセルの加減速だけでスピードを調整でき、ステアリング操作に集中できます。
そして、新プラットフォームや低重心などの利点がここにも効いているようで、新型ソルテラは思いのほかワインディング路が楽しく、まるでスポーツカーを操っているかのような走りを堪能できました。
「フォレスター」や「アウトバック」なども、車高の高いSUVでありながらそのスポーティな走行性能が特徴のひとつです。新型ソルテラはこれにモーター駆動のリニアな加速感が付け足されることで、魅力が増幅されたように感じられるのです。
後席に乗ってみると、とても広くてゆったりしていることに気付きます。EVということでフロアをフラットにすることができ、さらに2850mmというロングホイールベースによって膝まわりを広く確保したほか、頭上の空間にも十分な余裕を持たせ、広々とした後席を実現したといいます。
さらに、ラゲッジスペースの積載性にも注力されており、9.5インチのゴルフバッグは4個積載でき(ET-SSの場合。ET-HSは3個積載)、82リットルのスーツケースも3個載せることができます。
また、テールゲートも上に大きく開くので、大きな荷物の載せ降ろしも楽にでき、SUVとしての実用性も十分です(上に開きすぎて、背が低い人だとパワーゲートの開閉ボタンに手が届かないこともありそうですが)。
安全機能は、スバルの「アイサイト」ではなく、最新版の「トヨタセーフティセンス」改め「スバルセーフティセンス」を搭載します。
「アイサイトX」のように、高速道路の渋滞時に手放し運転できる機能はありませんが、前方は単眼カメラとミリ波レーダー、後方は後側方レーダーが車両の周囲の状況を監視し、さまざまなシーンで安全運転を支援。
アイサイトにはない「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」は、日常走行において道路上の歩行者や自転車、先行車、カーブを認識したときに、ドライバーの操作からその意図を理解し、減速や操舵を自然に制御して危険回避をアシストします。
また、自動駐車をおこなう「アドバンストパーク」の並列バック駐車を実際に試してみると、停める位置を選ぶだけであっという間にクルマが自ら駐車してくれる優れもの。
状況によるとは思いますが、今回試してみたときは切り返すことなく一発で駐車でき、しかも素早く、位置もピッタリという、見事な駐車を見せてくれました。
余談ですが、このとき停めた駐車場が狭く、左右のクルマとの間隔が近くて降りるのが大変だったのですが、スマートフォンのデジタルキーを活用して外から駐車することもできるので、使いこなせれば本当に便利な機能だといえるでしょう。
※ ※ ※
スバルのAWDシステム「X-MODE」を搭載し悪路走破性も高めた新型ソルテラは、走行性能や実用性を含めて、これまでのスバルSUVと同じように使えることがわかりましたが、最大の違いは充電が必要ということです。
FWD車は567km、AWD車は542kmという航続距離(WLTCモード)を確保していますが、外気温やエアコンの使用状況によって左右されるので、実際はこれよりも短くなってしまいます。
昨今は高速道路のSA/PAや道の駅、コンビニ、大型ショッピングセンター、宿泊施設などに急速充電器が設置されていますが、これからEVがどんどん増えてくると、充電器の不足が懸念される状況。
EVにいち早く取り組んだ日産は各ディーラーに急速充電器を設置し、場所によっては複数台の充電器を置いているところもあったり、24時間いつでも使える体制を整えたりしています。
トヨタや三菱、ホンダなどもディーラーに充電器を配備するところが増えていますが、スバルディーラーでは充電器の設置が進んでいない模様です。
EVを販売する以上、オーナーがいつでも使えるような充電器の設置が急務となりそうです。
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