年間12万件以上の「カギの閉じ込め」なぜ起こる? 真夏日には注意も… 「インキー」対策に有効な方法とは
くるまのニュース / 2022年7月10日 9時10分
昔のクルマは鍵を差し込んで開けるタイプが主流でしたが、最近では電子キーが主流となっています。アナログタイプのものに比べて、カギを抜き差しする手間が省ける一方、電子キーを車内に「閉じ込め(インキー)」てしまうなどのトラブルも起こっています。
■鍵のとじ込みはなぜ起こる?
最近のクルマの鍵は、電子キーが主流となっています。電子キーは導入されてから10年以上が経過しており、いまでは、ほぼすべてのモデルが電子キーを採用しています。
アナログタイプのものに比べて、カギを抜き差しする手間が省ける一方、電子キーを車内に「閉じ込め(インキー)」てしまうなどのトラブルも起こっています。
電子キーでは、鍵についたボタンでクルマの鍵を開け閉めできるものから、最新のものでは鍵をポケットやバッグに入れた状態で、ドアノブに触れるだけで解錠・施錠ができる優れモノも登場しています。
一方で、その電子キーを車内に閉じ込めたまま外に出てしまい、開かなくなってしまったというトラブルも多く発生しているようです。
JAFによると、2021年の「キーの閉じ込み」によるロードサービスの出動件数は約12万7000件。なぜ、キーの閉じ込みトラブルは起きてしまうのでしょうか。
JAFの広報担当者はこのことについて以下のように話します。
「一般的に多い原因として、うっかり車内に置き忘れる、カバンのなかに入っていると思って出たら車内に鍵があり、閉じ込められたなどの理由が挙げられます」
電子キーを車内に閉じ込めてしまうのは、利用者の「ヒューマンエラー」(人為的なミス)に起因することが多いといいます。
例えば、電子キーの開閉ボタンでトランクを開け、荷物を出し入れしているときに荷室内にキーを置いたまま、トランクを閉めてしまうといったケースが挙げられます。
電子キーでトランクの開閉ボタンを使ってトランクだけを解錠しているので、ドアは解錠されておらず、その状態でトランクを閉めてしまうことでキーの閉じ込めを起こしてしまうのです。
また、国民生活センターには、車内に置いたままのカバン内の電子キーのボタンが、何らかの理由で押されてしまってドアが施錠されたケースも報告されているそうです。
ほかにも、車上荒らしなどを防ぐ防犯上の機能によって、キーの閉じ込めが起きてしまった事例もあります。
電子キーのなかには、ドライバーが誤ってボタンでロックを解除してしまい、そのままクルマから離れてしまった場合の防犯機能として、ドアロックの解錠後、そのままドアを開けずに一定時間が経過すると再びドアをロックする機能が搭載されているものもあります。
しかし、この機能が裏目になり、荷物だけ積み込んでドアを閉じた際に、勝手にドアが施錠されてしまったという自体に陥ってしまう可能性があるのです。
本来、電子キーが車内にあればドアロックしないようになっており、キーの閉じ込めが起きないように開発されています。
ただ、電子キーは人が身に付けていることで、人がアンテナとなって電波を送受信しやすくなっており、例えば、後席に荷物と一緒に置いてしまったような場合、電波の感度が低下して、キーの閉じ込めを防止する機能が正常に作動しない状態になってしまうこともあるようです。
さらに、電子キーの内蔵電池の電力が低下して動作が不安定になってしまうケースもあります。
モデルによって異なりますが、電子キーの電池交換を促す機能があり警告してくれるので、そうなった場合は速やかに電池交換をしたほうが良いでしょう。
大体の電子キーは1年から2年は電池が持つといわれていますが、動作が不安定にならないためにも、1年に一度、定期的に電池交換するのが安心かもしれません。
■インキーはどうしたら対策できる?
そんな電子キーの閉じ込みは、JAFの出動理由のなかでも第5位になるほど多いトラブルになっています。電子キーの閉じ込みには、どのような対策方法が挙げられるのでしょうか。
おもな対策方法について、JAF担当者は「電子キーの閉じ込み対策は、常に鍵を持ち歩くこと、または目の届くところや側に常に電子キーを置いておくことを意識することです」と話します。
クルマから乗り降りする時や荷物の積み下ろしをする際は、それが短時間であっても電子キーを持っているか確認するように注意することが1番といえるでしょう。
車内で待たせている子供やペットが誤って電子キーに触れてしまい、ドアをロックしてしまうという事例もあるので、車内に子供やペットを乗せる場合は、自身でしっかりと電子キーを持ってクルマを離れるのが安全です。
昔は鍵を差し込んでドアの開閉やエンジン始動をおこなっていた
また、誤って電子キーを閉じ込めてしまったときは、速やかにJAFなどのロードサービスに救援を依頼しましょう。
最近のクルマは盗難防止のための機構や装置を備えるとともに、ドアの内側にはパワーウィンドウなどの電子部品が内蔵されていることがあるため、無理に自分でこじ開けようとすると別のトラブルを引き起こすことがあります。
これからの時期、気温も上がり車内は高温になるので、とくに車内に子供を残してのキーの閉じ込みには、より一層注意する必要があります。
※ ※ ※
ちなみに、JAFの救援依頼要請理由として多いのは、1位が「バッテリー上がり」、2位が「タイヤのパンク」、3位が「落輪・落込」となっており、この3つが全体の約67%を占めています。
どれもドライバーのうっかりミス、メンテナンス不足などの「ヒューマンエラー」(人為的なミス)が多いようです。
電子キーおよび車両の定期的なメンテナンスをしっかりとおこない、万が一のトラブルが起こらないように注意しましょう。
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