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斬新デザインの全長7mトラックが凄い!? 丸目の新型「路面清掃車」に期待! NEXCO中日本が採用した実力はいかに

くるまのニュース / 2022年7月9日 6時10分

NEXCO中日本/中日本ハイウェイ・メンテナンス東名は新型「路面清掃車」を導入しました。どのような特徴を持っているのでしょうか。

■作業員の代わりになる? 新型「路面清掃車」とは

 NEXCO中日本グループの中日本ハイウェイ・メンテナンス東名には新型「路面清掃車」が試験導入されています。
 
 日本ではあまり見たことのないトラックですが、どのような特徴を持っているのでしょうか。

東名高速道路、新東名高速道路、中央自動車道、名神高速道路、新名神高速道路などの、「物流の大動脈」を担う路線を多数管轄している中日本高速道路(NEXCO中日本)。

これらの重要路線は1日に何万台ものクルマが走行しています。交通量の多さに比例して道路上で回収されるごみの量も多くなっており、年間約600トン回収されています。

 そんな道路上のゴミ問題を解決するための新たな特殊車両が、2021年10月よりNEXCO中日本/中日本ハイウェイ・メンテナンス東名にて試験的に導入されました。

 新たに採用されたのは「路面清掃車」と呼ばれる車両。

 以前から同じ名前の特殊車両は使用されていましたが高速道路上のゴミはすべて作業員が清掃車両から降りて回収していました。

 時速80キロや100キロ以上で多くのクルマが走行する隣で、人力でゴミを回収するのは容易な作業でなく、実際に負傷事故などが発生することもあったといいます。

 そのような状況において作業員の負担を軽減するために採用されたのがこの新型「路面清掃車」になります。

 新型「路面清掃車」の最大の特徴は、吸引能力を備えた巨大なホースが取り付けられていることです。

 この吸引能力を用いることで、作業員が清掃作業の際に路面上に降りる回数が約7割程度減少したといいます。

 吸引口のサイズは幅40cm×高さ10cm(吸引ホースの直径は20cm)、ホッパーの容量2.3立方メートル、最大積載量は800kg。

 700ミリリットルの液体が入った1リットルのペットボトルや、空き缶、布切れ、ビニールなど、多種多様なゴミの種類に対応可能です。

 ベース車両は日本ではほとんど見たことがない斬新な顔つきをしたトラックになっています。

 この路面清掃車はドイツのトラックメーカー「ハコ」社が製造する「マルチカー M31」という新しい車両です。

 神奈川県相模原市に本社を置く飛鳥特装株式会社が4年前から輸入販売をおこなっているもので、NEXCO中日本の採用は国内で2例目となるようです。

 飛鳥特装株式会社は30年以上にわたって、トラックやバスをベースとした特装車の製作に特化してきた会社です。

 そして2017年には同じハコ社の多目的作業車「シティマスター1600」を、2018年からは「マルチカー M31」の輸入販売を手掛けるようになりました。

■旧東ドイツで誕生したマルチカーのルーツとは?

 ハコのマルチカーは元々、冷戦真っ只中に東西分断されたドイツに端を発します。

 1958年、ドイツ民主共和国(東ドイツ)の「人民公社ヴァルタースハウゼン車両工場」はマルチカー最初のモデル「M21」の生産を開始しました。

 東ドイツには国内各地の自動車工場によって形成された共同体「車両製造工業協会(IFA)」というものが当時は存在し、東ドイツのクルマ「トラバント」を生産していた「人民公社ザクセンリンク」や、同じく「ヴァルトブルク」生産の「人民公社アイゼナハ自動車工場」などがIFAを構成していました。

 マルチカーもIFA下で誕生したブランドですが、当時のIFAを構成していた会社・ブランドのなかでは唯一、現在も存在するブランドとなります。

 東西ドイツは1989年に両国を分断したベルリンの壁が崩壊、1990年には正式に再統一が実現しました。

 マルチカーを製造していた人民公社ヴァルタースハウゼン車両工場も1991年に民営化され、その際に会社名を現在の「ハコ」へと変更し、今に至ります。

 高速道路会社で使用されているドイツ製のトラックと聞くと、メルセデス・ベンツが手掛ける「ウニモグ」が有名です。

 そうしたなかで、マルチカー M31について飛鳥特装株式会社の担当者は次のように語ります。

「このマルチカー M31はウニモグと同じカテゴリーの異なるサイズのクルマととらえています。

 多目的な用途に合わせて車両やアタッチメントの選択が可能です。

 マルチカー M31はウニモグに比較してボディサイズが長さ7.0m×幅1.82m×高さ2.53m、車両重量5.7tとかなり小さく、メンテナンスのしやすさだけでなく、路肩が狭い日本特有の事情にも合致していると見ています」

 さらに、アタッチメントを装着した状態でも「準中型自動車免許」で運転できるといい、近年、深刻となっている人手不足解消にも期待が高まります。

リアの張り出し感も凄い! NEXCO中日本が導入する新型「路面清掃車」(撮影:加藤博人)リアの張り出し感も凄い! NEXCO中日本が導入する新型「路面清掃車」(撮影:加藤博人)

 今回NEXCO中日本が採用した路面清掃車のアタッチメントの一部にはオーストリアの会社が製造するものも含まれていますが、同社では路面清掃以外にも草刈用途など、マルチカー用に用意されている300種以上のアタッチメントも車体と一緒に販売しています。

 今後、各高速道路会社へのさらなるマルチカー M31の導入を目指して売り込みをおこなっていくとのこといい、目にする機会が増えていくかもしれません。

 NEXCO中日本が導入した路面清掃車は現在、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の海老名インターチェンジ-相模原インターチェンジで本戦実装試験を実施中。

 今後の正式導入に向けて、本番環境でテストをおこない、データを収集中です。

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