交通違反取締りの噂「ノルマは実在する?」 給料アップも関係!? 元警察官が語るリアルな裏事情とは
くるまのニュース / 2022年7月6日 9時10分
警察官は、全国さまざまな場所で交通取り締まりをおこなっていますが、噂のひとつに「交通違反時にノルマはあるのか?」という話題があります。実際のところはどうなのでしょうか。
■警察官は交通取り締まりに「ノルマ」はあるのか?
全国ではさまざまな場所で警察官による交通の取り締まりがおこなわれています。
噂のひとつには、「取り締まりにノルマはあるのか」という話題があります。なかには「多く取り締まることで給料アップに関係する」などと認識している人もいるかもしれません。
では、実際のところはどうなのでしょうか。今回は、取り締まりの経験を持つ元警察官に「取り締まり時のノルマ」について詳しく話を聞きました。
今回話を伺ったのは交番勤務6年、生活安全部門2年携わってきた経験を持つ警察官のBさん。取り締まり時のノルマや給与について、以下のように教えてくれました。
交通取り締まりは、交通事故を未然に防止するため、主に白バイ隊員や交番の警察官などがおこなっています。
交番の警察官を例にお話すると、交番勤務の警察官には1日の間にさまざまな業務があります。
例えば、1軒ごとに家庭を訪問して困りごとを聞いたり、事件・事故への注意喚起をしたりする巡回連絡という活動や、交通事故・刑事事件の対応、遺失拾得物の処理、夜間パトロールなどがあります。
交通取り締まりもその業務のうちのひとつで、住民から要望のあった場所、交通事故が多い場所、事故が発生する危険性が高い場所などを中心にパトカーやバイクを使って取り締まりをおこないます。
実際に交番で勤務をしていた当時は、信号機のない横断歩道や一時停止の標識がある場所で歩行者とクルマが衝突する事故が発生することもあったので、事故防止のため、重点的に取り締まりをおこなっていました。
ここで噂のひとつにある「警察官の交通取り締まりにノルマがあるのか」という疑問についてお答えすると、「ノルマは設けられていない」というのが実状です。
理由としては、例えば新型コロナウイルスが流行し、外出自粛が求められている期間はクルマの交通量が大幅に減少したり、そもそも交通違反をする人が少なければ多くの件数を取り締まることはできないため、必ず達成しなければいけない件数を定めること自体が困難だからです。
その代わり、警察官の士気を高める目的で、1か月間に何件くらい切符を切るという「目標件数」が定められています。
これを聞くと、目標件数という名の実質ノルマではないかと考える人がいるかもしれません。
しかし、この目標を達成できなかったからといって、給料を下げられる、上司から何か不当な扱いを受けるといったことはありません。
あくまで努力義務のようなものであり、職務怠慢でない限りペナルティを受けることはないといえます。
ただし、白バイ隊員は交通取り締まりの業務をメインに行う部署であるため、さまざまな業務を幅広く行う交番の警察官よりも厳しい目標件数を課されるという話は聞いたことがあります。
また交通取り締まりにノルマの噂に加え、「交通取り締まりをたくさん行うと給与が上がるのではないか」、「異動の希望が通りやすくなるのではないか」などの質問を受けることもよくあります。
給与については、たくさん交通取り締まりをしたからといって給与がアップすることはありません。
警察官の給与は公安職給料表で定められており、表の等級が上がらなければ基本給が上がることはないからです。
業務成績が優秀であれば等級が上がって給与がアップする可能性はあるかもしれませんが、交通取り締まりの件数だけでなく、業務全般を総合的に評価するものなので、交通取り締まりのみを頑張ったからといって給与が上がるわけではないのです。
異動の希望についても、交通取り締まりの件数で左右されることはまったくありません。
警察官は非常に異動の多い職業であり、早ければ数年に1度のペースで勤務地が変わり、交通取り締まりの件数が多くなくても希望する部署へ配属されるケースもあります。
生活安全課、刑事課、警備課など交通取り締まりに直接関わらない部署も多いので、取り締まりの件数で異動の希望が通りやすくなることはないといえるでしょう。
※ ※ ※
警察官の交通取り締まりは、地域によって差はあるといえますが、ノルマはないというのが実際のところのようです。
ただし、交通事故を減らすためにも目標という形で、日々取り締まり活動がおこなわれています。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「覆面パトカー」どう見分ける? 「地味なセダン」に注意!? 例外も? 一般車と「決定的な違い」は? 元警察官が解説
くるまのニュース / 2024年9月14日 7時10分
-
街中を走る「パトカー」どんな仕事している? 意外と大変!? 「警察官のパトロール」の気になる業務内容とは?
くるまのニュース / 2024年9月6日 14時50分
-
自転車「ながらスマホ」11月から罰則化 6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金 事故増加で取り締まり強化
HTB北海道ニュース / 2024年9月4日 19時33分
-
どれぐらい走ると違反になるのか知ってる? 追い越し車線を走行し続ける行為
バイクのニュース / 2024年8月30日 10時10分
-
謎の「白バイコスプレおじさん」全国で目撃!? 違反じゃないの? 警察”風”の衣装でSNSでも話題に! 元警察官が解説
くるまのニュース / 2024年8月26日 9時10分
ランキング
-
1ヨーカドー「大量閉店」で晒された本質的な"弱点" 食品中心の店舗でも透ける「消費者の見えてなさ」
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 22時0分
-
2“もう彼とはやっていけない”と思いました… 夫から送られてきた「最悪のLINE」3つ
ananweb / 2024年9月13日 20時45分
-
3エアコン冷房「27℃」「28℃」だとどれくらい電気代が違う? いくらお得になる? 【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月13日 21時25分
-
4なにかと話題の「アパ社長カレー」の意外な事実。“アパ不倫”イメージもあるけど実食してみると
女子SPA! / 2024年9月14日 8時45分
-
5ワークマンの“手を使わずに履けるスリッポン”を履いてみた 「かかとスライダー」で本当に脱ぎ履き簡単!
Fav-Log by ITmedia / 2024年9月14日 7時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください