「オートハイビーム」が眩しすぎる! 自動切り替えの遅れでトラブルも!? 手動チェンジのすすめ
くるまのニュース / 2022年7月9日 7時30分
雨が降る夜間の運転では周囲が見えにくくなり、ハイビームを使用して周囲を明るく照らして安全を確保します。しかし、昨今装着が進む「オートハイビーム」は、悪天候のときに反応が遅れがちで、対向車などを幻惑させてしまうことがあるようです。
■「オートハイビーム機能」は悪天候時に作動しない!?
雨などの悪天候時に注意したいのが夜の運転です。雨天時は視界不良が起きやすいうえに、夜間ともなればさらに周囲が判別しにくくなり、もっとも気を遣うシチュエーションではないでしょうか。
悪天候だからこそ、対向車や歩行者、自転車などの早期発見のためにも、上手に「ハイビーム」を活用したいものです。
道路交通法の第52条(車両等の灯火)によると、「走行用前照灯(ハイビーム)」をメインで使用し、市街地など街灯が十分にあって対向車の多い地域では「すれ違い用前照灯(ロービーム)を状況に応じて使い分ける」といった内容になっていることも話題になりました。
2017年3月に道路交通法の改正で「通常走行はハイビームが基本」との警察からの通達に合わせて、メーカー各社がそれぞれにオートハイビーム機能を搭載。
多くのメーカーはライトスイッチが「オート」、ライトスイッチレバーが「ロービーム」のポジションにある場合、自動ブレーキ用に搭載されたカメラを活用して、対向車や前走車を感知・判断してハイビームに切り替えてくれます。
しかしその切り替えタイミングの遅さが問題になることがあり、また、視界が悪くなる雨天時や夜間などは、カメラが対向車や歩行者などの存在を十分に検知できないことも少なくないとされています。
20代の女性ドライバーは、「走行中のオートハイビームが眩しかったらしく、すれ違いざまに罵声を浴びせられたことがある」とトラブルに発展したといい、ほかにも、20代の男性は「夜間、自転車で走行しているとやたらと眩しいクルマが増えて、ヘッドライトの光が目に入って数秒視界が奪われたことがある」といった自転車ユーザーとしての経験を語ってくれました。
最近ではさらに進化し、対向車側はロービーム、反対側はハイビームといった具合に、細かい制御をおこなう「アダプティブハイビームシステム」も登場していますが、現状では評判があまり良くないようです。
神奈川県のH整備士は、「対向車のヘッドライトが眩しく感じるのはLEDも影響しているようですが、オートハイビームも関係していることがあるようです」といいます。
とくに軽自動車のハイトワゴンやスーパーハイトワゴン系のオートハイビームは作動が遅れるように感じることが多いようで、対向車や歩行者、自転車はかなり眩しい思いをしていることがあるのです。
「これまで一般的だったヘッドランプにハロゲンバルブに比べ、最近装着率の高いLEDなどは光の方向性がかなり直線的です。
ただでさえヘッドライトの位置も高いハイトワゴンは、ロービームでも対向車は眩しさを感じやすいといわれています。
対向車が信号待ちなどをしているなど日常的なシチュエーションでも、背の高いクルマはハイビームにしているのではないかと間違われることも多いようです」(H整備士)
■自動切り替えではなく「手動」が良い?
警察の解釈ではハイビームが基本といいますが、実際に夜の雨天での運転では、ハイビームで遠くの歩行者や自転車、対向車などを早めに見つけられるなどメリットがあるのも事実です。
オートハイビームは切り替えが遅れがち
オートハイビーム機能ではロービームに自動で切り替わらないことも多く、気づかぬうちに周囲の人を幻惑させることもあるため、オートではなくマニュアル操作でハイビームに切り替えることをおすすめします。
つまり、手動でハイビームとロービームを使い分けるということですが、オートハイビームが付いていないクルマと同じく、見えづらいカーブや暗い道などでハイビームを使用し、対向車など来たらロービームに切り替えるというのが良いようです。
とくに、先の見えないコーナーが続く山岳路などではオートハイビームの反応が遅れがちで、「アダプティブハイビーム」などと呼ばれる、対向車に光が当たる部分を遮光する機能であっても自動切り替え時の瞬間的な眩しさは変わりません。
オートハイビーム機能は、実はキャンセルができるようになっています。キャンセルの仕方は取扱説明書に記載されており、自分で解除することが可能。
オートハイビームがきちんと機能しているのか心配しながら走るより、手動切り替えをおこない、街灯が少ない場所ではハイビームで走行し、対向車や先行車、歩行者などが見えたらロービームにするのが安心・安全なのではないでしょうか。
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