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斬新ハンドルのレクサス「新型SUV」がめちゃ凄い! 新型「RZ 450e」体感で驚愕!

くるまのニュース / 2022年7月8日 19時0分

レクサスは、2022年4月20日にBEV専用車「RZ」を世界初公開しました。なかでも話題なのが「ステアバイワイヤー」搭載車です。世界最速試乗で体感した印象はどのようなものなのでしょうか。

■斬新ハンドルはやはり凄かった!?世界最速試乗!

 2022年4月20日に世界初公開されたレクサス初のBEV専用車「RZ」。
 
 従来の丸形ステアリングのほかに「ステアバイワイヤー」を採用した斬新な形状のステアリングも設定されています。
 
 世界に先駆けて、ステアバイワイヤー搭載車を体感した印象はどのようなものなのでしょうか。

 筆者(山本シンヤ)は、世界初公開に合わせてプロトタイプに試乗済みですが、今回は前回未試乗だったRZ本命といわれる「ステアバイワイヤー」装着車に試乗しました。
 
 そもそも、ステアバイワイヤーとは何ものなのでしょうか。

 簡単に説明するとステアリングホイールとタイヤを物理的に切り離す技術になります。

 すでに日産が2013年に「スカイライン」でDAS(ダイレクト・アダプティブ・ステアリング)と名付けて実用化されていますが、RZのステアバイワイヤーはそれとはちょっと違います。

 DASはバックアップ用としてメカニカルなステアリングシャフトが残されていますが(通常はクラッチで切り離されている)、RZのそれはメカニカルな繋がりは一切ない点です。

 システムは操舵/転舵ユニットそれぞれにモーターコントロールユニット(MCU)を搭載し、ステアリング操作をセンシング/ステアリングに適切な反力を生成する「ステアリング・トルク・アクチュエーター(STA)」とステアリングのギア比を制御/タイヤに転舵&路面状況をドライバーにフィードバックする「ステアリング・コントロール・アクチュエーター(SCA)」を通信で繋ぐことでドライバー操作&路面状況の伝達を行なっています。

 故障の際の安全性に関して心配する人も多いでしょうが、そこは抜かりなしです。

 ひとつの故障が発生してもステアリング機能を保持するためにMCU/通信/電源などに関しては完全な冗長システムになっています。

 そんなステアバイワイヤー最大のメリットは車両状態に応じてステアリングギア比を自由に変えられることでしょう。

 ステアリングに求められる性能は実用域では取り回し性、ワインディングなどでは俊敏性、高速道路では安定性とさまざまですが、ステアバイワイヤーは速度や走行状況に応じて自由自在に調整することが可能です。

 さらにステアリングとタイヤが機械的に繋がっていないメリットを活かし、不要な外乱/振動も遮断できます。

 しかし、機械的に繋がっていないが故にドライバーとクルマを繋ぐ重要な要素となるステアリングインフォメーションを作り出すことが大きな課題です。

 開発初期はマスターテストドライバーの豊田章男氏から「クルマと対話する気にもならない」と厳しい評価で、開発陣は「クルマとの対話」を改めて考え直し、運転に必要な情報の“質”や“伝達速度”に徹底してこだわって開発を進めたそうです。

 開発を担当した山口武成氏は次のように教えてくれました。

「新しい運転体験の実現のためには既存のデバイスでは限界がありました。

 ステアリング持ち替えなし、ギア比のコントロールはステアバイワイヤーでなければ実現できません。

 ただ、ハードが成り立っても作り込みの部分は相当苦しみましたね。

 開発期間は私が関わってからは約5年、先行開発を含めるとかなり長い期間でした」

 では、実際に乗るとどうだったのでしょうか。

 前回の試乗と同じくトヨタの下山テストコース・第3周回路で試乗をおこないました。

 ドイツ・ニュルブルクリンクを模した非常に厳しいコースですが、正直いうと「いきなりここでの試乗で大丈夫?」という心配半分、「ここで乗せるということは自信があるのかな?」という期待半分といった感じです。

 実は筆者は2019年に開発途中の同システムを搭載した「LS」のテストカーに試乗したことがありますが、そのときの印象はサイズを感じないキビキビとした操舵感などシステムとしては面白いと感じたものの、リアルなのにバーチャルに近い乗り味だなが記憶に残りました。

 当時は路面の情報があまり伝わってこなかったので「ドライはまだしも雨の日などは厳しいだろうな」とあれから3年、その印象はどう変化したのでしょうか。

 エクステリアは通常のモデルとの違いはありませんが、インテリアは通常の円形ステアリングからヨーク形状のステアリングでインテリアの印象は大きく変わっています。

 ただ、ステアリング形状のインパクトに対してインパネ周りは意外と普通のデザインなので、バランスは今一つ。

 2種類のステアリングが設定されるので仕方ないですが、将来的にはコクピットデザインの再考も必要でしょう。

 操縦かんを彷彿とさせるデザインはおじさん世代ならナイトライダーのナイト2000のような雰囲気。

 これはステアリング操舵角を±150度に設定することで、持ち替え不要だからこそ実現したそうです。

 ちなみにワイパー/ウインカーレバー、パドルなどは独自の形状かつステアリング連動式でステアリングから手を放さずに操作可能ですが、慣れるまでは少し時間がかかるかも。

 ただ、見ようによってはいすゞ「ピアッツァ」やシトロエン「BX」のような集中サテライトのコンセプトに近いので、個人的には好意的に見ています。

 コースインの前にクランクや転舵をイメージした道を走ります。ノーマルのステアリングの感覚でステアリングを切ると思った以上に曲がる感覚で、イメージ的には初期の4WS(四輪操舵)に近いかなと。

 そのため、慣れが必要ですが、慣れるとまるでクルマのサイズやホイールベースが小さくなったと錯覚するような取り回しの良さを実感。

 なかでもクランクや車庫入れなど切り返しが多いシーンでもステアリングの持ち替えがないので、新鮮と驚きのほうが大きいです。

■いよいよコースイン。 いざステアバイワイヤーを体感!

 僅かな操作でクルマが大きく反応するので、「1周目は様子見」とビビりながらの走行と思いましたが、コーナーを2~3つ超えると「あれっ、普通!!」と。

 一番の驚きはステアリングとタイヤは繋がっていないはずなのに「直結感」がノーマルステアリングより強いことです。

 凹凸やグリップの変化など路面からのフィードバックはシッカリ感じるのに不要な振動やガタは遮断されているので、むしろノーマルステアリングよりもスッキリ滑らかな操舵感です。

 語弊を恐れずにいうと、ステアフィールはノーマルのステアリングよりも高いレベルで、より信頼できるステア系です。

 ステアリングギア比は速度に応じて可変、低速はアジリティ重視、高速は安定性重視の設定ですが、その繋がりも自然で滑らかなのでどこで変わっているかは正直わかりませんでした。

 ドライブモードに合わせて操舵力/手ごたえが変化しますが、変化代が少ないのでノーマルモードで十分だと感じました。

 下山テストコースの途中に回りこむとRが厳しくなる複合コーナーがあります。

 だましのレイアウトのため普通のステアリングだと切り遅れや手アンダーが出がちですが、ここもステアリング持ち替えなしで、楽勝で駆け抜けることが可能です。

 タイヤのグリップもステアリングにシッカリ伝わってくるので不安要素はないのはもちろん、タイヤのグリップも限界ギリギリまで安心して使えるコントロール性の高さも印象的です。

 一方、高速コーナーは微舵のコントロールは難しいのかなと思いましたが、実際はその逆でむしろノーマルのステアリングよりも繊細にコントロールが可能でした。

 とくにRが大きな高速コーナーをジワーっと切りながら曲がっていくときの気持ちよさは歴代レクサス最良レベルといっていいでしょう。

 なぜ、デジタルなのにアナログよりも繊細なフィールが出せるのでしょうか。

 山口氏に話を聞くと次のように話しています。

「タイヤの切れ角をコントロールしているモーターの電気を使う量が横Gによって変わります。

 それをステアリングにフィードバックしてロードインフォメーションとして返しています。

 その辺りの作り込みは徹底して注力しましたが、それだけでなう、ステアバイヤ―を活かすe-TNGAの基本素性の良さやBEVの応答性の良さなども効いています」

従来のハンドルと異なる切れ角を実現する「ステアバイワイヤー」を搭載した新型「RZ」従来のハンドルと異なる切れ角を実現する「ステアバイワイヤー」を搭載した新型「RZ」

 ハンドリングはノーマルステアリングのRZに乗ったときは、4輪駆動力制御「Direct4」を採用するも、どちらかといえば内燃機関から乗り比べても違和感のない乗り味に感じました。

 しかし、ステアバイワイヤーモデルはコーナリングの一連の流れの繋がりがより高いレベルでDIRECT4がより実感しやすい乗り味で、電動車らしさがより強い走りです。

 恐らく、電動化パワートレインの旨味がステアバイワイヤーで花開いたと分析しています。

 現時点では実用域は少しだけ慣れが必要ではあるものの、一度味わうとノーマルステアリングに戻れなくなる、それくらい完成度は高いです。

 実はステアバイワイヤーの試乗後にノーマルステアリングに乗り換えて走らせてみましたが、「こんなにステアリング回してしていたんだ……」と実感。個人的には“RZらしさ”をより高める武器のひとつだと感じました。

 ただひとつだけ心配なのは、「ES」のデジタルアウターミラーのように“一発屋”になってほしくないということです。

 そんな不安を山口氏に聞いてみると、「ステアバイワイヤーは電動車との親和性が高く、BEVだけでなくHEV/PHEVにも応用が可能です」と話してくれました。

 個人的にはNX/RXはもちろん、クロスオーバーに対してちょっと元気のない背の低いモデルにも水平展開してほしいと願っています。なぜなら、技術は普及してこそ意味があるのです。

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