遭遇する前に知っておきたい「ゲリラ豪雨時のクルマ運転術」 災害級の雨から自分を守るには?
くるまのニュース / 2022年7月13日 14時10分
ゲリラ豪雨は、通常の雨とは異なり災害を引き起こす可能性が高くなります。クルマを運転しているときににこのような豪雨に見舞われた際、どのように対処すれば良いのでしょうか。
■豪雨時に生じる運転の支障とは
夏の空によく見られる積乱雲は、雷を伴った激しい雨(局地的大雨、ゲリラ豪雨)をもたらすことがあります。
クルマを運転しているときに、このような豪雨に見舞われたらどうすれば良いのでしょうか。
気象庁は、降水量によって雨の表現を定義しています。
おおよそ1時間に30mmから50mmだと「バケツをひっくり返したような」「激しい雨」、50mmから80mmは「滝のように降る」「非常に激しい雨」、80mm以上だと「息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる」「猛烈な雨」です。
このような豪雨のとき、クルマの運転にどのような支障が生じるのでしょうか。
まず、道路とタイヤの間に水の膜ができ浮き上がってしまう現象です。
このとき、タイヤは道路に接地していない状態なので、アクセル、ブレーキ、ハンドルの操作が効きづらくなり、空気と水面の抵抗によって減速するのを待つしかありません。
タイヤの回転速度に対して排水能力が追い付いていないのが原因となりやすく、高速走行はもちろんのこと、タイヤの空気圧不足や摩耗状況によっても発生しやすくなります。
また、視界も悪くなります。激しい雨によって昼間でも白く霧がかかったような視界になることは珍しくありません。
JAF(日本自動車連盟)は、40km/hで走行する車両が、前方で停止している車両や歩行者に気付いて停車した際の位置を測定するテストを実施しました。雨量をはじめ、昼夜、灯火類、反射材の有無などさまざまな条件下で検証をしています。
傾向としては、雨量が多いほど視界不良で発見が遅れ、逆にライトや反射材があったほうが、早い段階で停車できたという結果でした。
灯火類も、光が強くてより遠くから視認できるものほど、余裕をもって止まれるという結果でした。
■ゲリラ豪雨への対処法は?
このように、豪雨によって運転に支障が生じることがありますが、その際のもっとも確実な対処法は運転を中断して安全な場所に停車する、ということです。
高速道路であればパーキングエリアやサービスエリア、一般道であれば道の駅などの駐車場に退避するのが良いでしょう。これらの施設では、付近の道路状況や気象などの情報を得ることもできます。
しかし、高速道路などすぐに停車するのが難しい場所では、ひとまず緩やかに減速し安全な場所まで走行を継続します。減速することで水しぶきを少なくして周囲の安全も確保できます。
高速道路では、道路の状況に応じて制限速度が変わる場合があります。雨で引き下げられているときは、その速度に従って走ります。
「道路冠水表示板」の設置例
また、車間距離も重要です。降雨時は視界が悪化しますが、車間距離が短いと先行車から舞い上がる水しぶきがフロントガラスにかかりさらに危険です。車間距離を十分に取る必要があります。
運転時は、さらに安全を確保するためにヘッドライトを点灯させることも有効です。
明るい時間であっても視界不良となるのであれば、ライトをつけましょう。ヘッドライトやテールランブなどを光らせることで周囲から気付かれやすくなり、追突リスクの低減が期待できます。
最後に、交差点の立体交差も要注意です。道路や線路などをくぐるアンダーパスに雨水が流れ込み、冠水することがあります。
クルマは一般的にマフラーが水没すると排気不良となりエンジン出力が低下し、吸気口から水を吸い込むとエンジン内部は水没して停止します。
冠水した道路の水は濁っていることも多く水深も分かりにくいため、無理な突破を試みるのは避けましょう。
※ ※ ※
ゲリラ豪雨は、災害を引き起こす可能性があります。安全な所で雨が過ぎ去るのを待つか、予報が出ていたらそもそも運転を控えることも検討しても良いかもしれません。
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