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オジサン世代が歓喜!? 往年のモテ車「ソアラ」なぜ「イマ」乗れる? トヨタ名旧車の魅力とは

くるまのニュース / 2022年7月16日 19時10分

2022年4月6日、KINTOはクルマのさまざまな楽しみ方や魅力を発信する一環として旧車コミュニティ「Vintage Club by KINTO」を立ち上げました。そのなかで特選ラインアップの旧車4台「初代ソアラ」「セリカLB」「27レビン」「70スープラ」がレンタル出来るサービスが存在するといいます。

■カローラ・セリカ・ソアラ・スープラ、往年の名車に乗れるサービスとは

 KINTOというとトヨタ/レクサス車に「定額で乗れる」というサブスクリプションサービスを展開する会社だと思っている人が多いですが、実は買う前/買った後のカーライフをサポートするサービスも展開しています。
 
 そのひとつが所有するクルマのリフォームやアップデートをおこなう「KINTOファクトリー」ですが、今回お届けするのは「ビンテージクラブ by KINTO」です。

 実はこれ、2022年4月から本格始動したコミュニティで、昨今注目を浴びる「旧車」を気軽に楽しむコンテンツとなっています。

 面白いのはオンライン上でワイガヤをするだけでなく、オフラインつまり実際に体験ができるという点でしょう。

 立ち上げの経緯についてKINTOは次のように話しています。

「現代の自動車は、とても快適でスタイリッシュですが、ちょっと昔のクルマ、いわゆる旧車は、いじる楽しみとダイレクトに機械に触れる感覚、近年のクルマにはない独特の味を持っています。

“一人ひとりの『移動』に『感動』を”というビジョンを掲げているKINTOでは、現代のクルマとともに、旧車に気軽に触れる場をつくり、皆さまと一緒に旧車を楽しみたいと考えます」

 この取り組みのひとつに「特選旧車レンタカー」サービスというものがあります。

 これまで“憧れ”で終わっていた旧車、それもトヨタ自動車×レストア職人集団・新明工業のタッグで蘇ったモデルを、実際に「見て・触れて・乗る」ことができるのです。

 現在ラインアップしているモデルは4台、年式は1970年代から1990年代とさまざまですが、古い順に試乗していきたいと思います。

 1台目は1974年式の「カローラレビン(TE27)」です。

 初代セリカに搭載された1.6リッターDOHCエンジン(2T-G)をよりコンパクトなカローラに搭載してしまったスポーツモデルで、いわばGRカローラのご先祖様のような存在といったらいいでしょう。

 ちなみに完全なオリジナルの状態ではなく、アルミラジエターやクーラー、LEDライトななどの現代流アップデートや、当時のクルマ好きがおこなっていたカスタマイズ(タコ足、ウッドステアリング、ワイドタイヤ&アルミホイール)が施されています。

 まず乗る前にボディの小ささに驚きます。全長3955mm×全幅1565mm×全高1355mmと、現在の軽規格+αといったサイズだから当然でしょう。

 室内に座ると、助手席との距離が近い。機能に徹したシンプルなインパネ周りも逆に新鮮です。ちなみに後付けのエアコンが装着されていますが、ほぼ効かず。

 アクセルを少しだけ踏みながらカギを回すとエンジンは一発で始動。ひと昔前は当たり前の行為だったのに新鮮に感じたのは、プッシュ式スターターに慣れてしまった証拠かもしれません。

 シフトを1速に入れて発進、現在のクルマと変わらずクルマは動き始めますが、即座に音/振動/ショックが容赦なくドライバーに伝わってきます。

 ステアリングはパワステ無しに加えてワイドタイヤ(といっても195サイズ)装着のため、交差点を曲がるだけで大仕事。

 さらに路面の凹凸判定機のようにクルマは外乱に影響されるので、直進時であっても気を抜けません。

 850kgの車両重量と115ps/14.5kgmの2T-Gの組み合わせは、力強さは十分以上のレベルでフィーリングも想像していたよりも軽快&レスポンシブ。

 5速MTもカチッと決まるので、交差点ダッシュだけでも思わずニンマリしてしまうほど。 

 印象的だったのは、すべてにおいて機械的に繋がっているため、人とクルマの関係が現代のクルマよりもピュアで濃厚であること。

 最近のクルマは電子まみれになっていますが、この直結感は見習うべきだと感じました。

 2台目は1975年式の「セリカ・リフトバック2000GT」です。

 クーペに対して長く、低く、短いスタイルは、大人のスペシャリティカーといった印象。

 しかし、フラッグシップの2000GTのスポーツ度は高く、当時の若者には憧れの存在だったといいます。

 実はこのモデルはKINTOの小寺信也社長の強い想いから製作された1台です。

 このモデルも完全なオリジナルではなく、エンジンやトランスミッションは現代流にアップデート済みなのはもちろん、エクステリアはオーバーフェンダーやフロントスポイラー(当時流はチンスポ)、リアウィンドウルーバー、ハヤシのアルミホイール&ワイドタイヤ(といっても195サイズ)など、当時流行ったカスタマイズも施されています。

 運転席に座ると、カローラのシンプルなインパネと違って豪華で、5連メーターがドーンとレイアウト。昔はこのメーカー数が多いほうが偉かったそうです。

 アクセルを少しだけ踏みながらカギを回すとエンジンは一発で始動するも、レビンよりもアイドリングはちょっとだけ不安定。
 
 145ps/18.0kgmを発揮する2リッター-DOHCの18R-Gは、スポーツエンジンながらも実用トルクは太いので日常域は非常に乗りやすい反面、2T-Gと比べるとおっとりした特性なのと高回転はレッドゾーン手前で頭打ち傾向。恐らく、誰でも扱えるように燃料が濃いめのセッティングなのでしょう。

 フットワークはレビンと同じように音/振動/ショックはダイレクトに伝わってきますが、そのレベルはかなり抑えられた印象で、上級モデルであることを実感。

 ちなみにセリカには後付けのパワーステアリング(電動式)が装着されており、レビンから乗り換えると操作の楽さにそのありがたみを痛感。

 旧車はオリジナルにこだわる人も多いですが、個人的には「気軽に乗る」と言う観点で見ると、現代の技術を活かしたアップデートもアリだと感じました(余談ですが当時のクルマにはないUSBポートも追加済み)。

■往年のモテ車「ソアラ」にも乗れる!?

 3台目は1982年式の「ソアラ2800GTリミテッドエディション」です。

 当時のトヨタの技術のすべてを注ぎ込んで開発されたグランドツーリングカーで、輸入車にしか目を向けなかった人たちもソアラに興味を持ったといいます。

 また、経済成長も相まって高価格ながらも高い人気を誇り、「ソアラに乗るとモテる」という伝説まで生まれたほどです。

 このモデルは上記の2台と異なり、オーディオなどを除けばほぼフルオリジナル。

 ちなみに筆者(山本シンヤ)はこのソアラがクルマにのめり込むキッカケになったモデルで、今回の4台のなかでも強い想い入れがあります。

 エクステリアは直線基調で端正かつ上品なスタイルは、5ナンバー枠に収まるサイズながらも存在感は抜群です。

 インテリアはデジタルメーター(速度系はデジタル表示、タコメーターはバー式)、タッチ式エアコンコントロール、ドライブコンピューターなど、当時のデジタル技術が満載。筆者は子供ながらに「未来がやってきた!!」と興奮しながら父親に頼んでディーラーから貰ってきたカタログを見ていたのを思い出します。

 走り始めると、ATのシフトショックが若干ある程度で、ほぼ今のクルマと変わりません。170ps/24.0kgmを発揮する2.8リッター直列6気筒DOHC(5M-GEU)は4速AT(ECT)との組み合わせは、スポーツというよりもラグジュアリーな特性。

 高回転まで回して走るというよりは、大排気量のメリットを活かしてトルクで走るほうが気持ちいいです。

 フットワークは穏やかな特性ですが、1300kgちょっとと今のクルマと比べると圧倒的に軽い車両重量も相まって想像以上にキビキビ走ります。

 決して速く走らなくても、「何かいいよね!!」と感じる優雅な走行フィールは、現在のレクサスは学ぶ必要があると感じました。

 古いクルマに乗るとき、「当時のいい思い出が壊されたら嫌だな」と心配しますが、ソアラはまったくそんなことはないどころか今でも通用する走りでした。

 筆者の「夢のクルマ」の1台は、時代を超えても変わりませんでした。

貴重なエアロトップ仕様となる「 スープラ 2.5GT」貴重なエアロトップ仕様となる「 スープラ 2.5GT」

 そして、最後は1992年式の「スープラ2.5GT」、それも貴重なエアロトップ付です。

 スープラとしては3代目となるモデルですが、日本市場では初めてスープラの名を冠したモデルになります(初代/2代目はセリカXX)。

 ソアラに対してスポーツ色が強いイメージが与えられていましたが、このモデルは1990年のマイナーチェンジでエンジンを3リッターターボ・7M-GTEUから2.5リッターツインターボ・1JZ-GTEUに変更されたモデルになります。

 このモデルは少しだけカスタマイズが施されており、ホイール(BBS-LM)や吸排気系(スポーツエアクリーナー&マフラー)、サスペンション(車高調整式)、ステアリング(MOMO製)、ナビゲーション、さらには当時流行った300km/hメーターなどが装着されています。

 エクステリア、インテリア共に「さすがに90年代のクルマは普通でしょ」と思いながら、走り始めると、当時のターボモデルらしさ全開です。

 2.5リッターツインターボは280ps/37.0kgmを誇りますが、とにかく実用域がトロい。

 ただし3000rpm前後を境にパワーが急激に盛り上がり、そこから先は公道ではちょっと無理。当時は乗りやすさよりもピークパワーが重視されていたのでしょう。

 ストロークは大きめでちょっと緩めの5速MTは、むしろシビアさがないので頻繁に操作するにはアリかなと思ったりします。

 フットワークは235/40R18タイヤ(ノーマルは225/50R16)+車高調整式サスペンションの装着とノーマルとは異なりますが、決して高いとはいえないボディ剛性とのマッチングも良く、直進性もコーナリングも納得レベル。攻め込まない限りは今のクルマとほぼ変わらないと思います。

※ ※ ※

 このように4車4様のキャラクターがありましたが、どれも今のクルマと比べると粗削りな部分はあるものの、「クルマらしさ」が濃いことです。

 この辺りは新しいクルマも学ぶ必要があると感じましたが、その一方で新しいクルマの便利さや技術の進化も再確認できました。まさに「温故知新」です。

 恐らく、オジサン世代にとっては「すべてが懐かしい」、逆に若い世代は「すべてが新鮮」といったように、世代によって印象は異なるはずです。

 このサービスの良さは、単に試乗できるだけでなく旧車をキッカケに世代を超えたクルマ談義ができるという、新しいカーライフの橋渡し的な存在になりえる存在だということです。所有しなくてもクルマ文化を共有できる、これは大事なことでしょう。

 ちなみにこの特選旧車レンタカーサービスはこれまで東海地区を拠点におこなっていましたが、2022年8月1日から10月31日まで3か月限定で、東京(貸出場所はGRガレージ東京三鷹)で展開を実施予定です。

 すでに7月1日より予約が開始されているので「今のクルマのご先祖さまを体感してみたい」、「当時の思い出を振り返ってみたい」といったようなさまざまな想いを胸に、試乗してみもいいかもしれません。

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