昔あった「黄色ヘッドライト」なぜ廃止? LED定番化も「明るすぎ問題」はどうなる? 今後「要検討」の可能性も
くるまのニュース / 2022年7月22日 9時10分
クルマのヘッドライトは非常に重要なパーツのひとつであり、ライトの色については「白色」とされています。かつては黄色も認められていましたが、なぜ黄色は禁止となったのでしょうか。
■クルマのヘッドライトは白のみ! どうして黄色は禁止になった?
夜道やトンネル内で周囲を照らすヘッドライトは、クルマにとって非常に重要なパーツのひとつであり、ライトの色については「白色」とされています。
かつては黄色も認められていましたが、なぜ黄色は禁止となったのでしょうか。
クルマのヘッドライトは、夜間やトンネル内などの暗い場所において周囲を照らしたり、自車の存在を周囲に知らせたりする役割を持っており、クルマにとって重要なパーツのひとつです。
そんなヘッドライトですが、道路運送車両の保安基準第32条第2項では「走行用前照灯は、夜間に自動車の前方にある交通上の障害物を確認できるものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」とされています。
また、同様に第5項には「すれ違い用前照灯は、夜間に自動車の前方にある交通上の障害物を確認でき、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」と定められています。
ヘッドライトは、重要なパーツのひとつであるからこそ、このようにしっかりと基準が設けられているのです。
なお、「走行用前照灯」はハイビーム、「すれ違い用前照灯」はロービームを指しており、色については「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第42条において、両者ともに「白色であること」とされています。
一方で、街中を走行していると黄色のヘッドライトのクルマも見受けられます。「白色」と定められているはずですが、黄色のヘッドライトを装着していても法令上の問題はないのでしょうか。
実は、「道路運送車両の保安基準第2章及び第3章の規定の適用関係の整理のため必要な事項を定める告示」の第29条には、「2005年12月31日以前に製作された自動車については」という前置きのもと、ハイビーム・ロービームの色について「白色又は淡黄色」と記されています。
ここからわかるように、年式の古いクルマには、もとから黄色のヘッドライトの装着が認められています。実際に、街中で黄色のヘッドライトを装着しているクルマには現行型モデルは見られないはずです。
では、かつては装着できた黄色のヘッドライトが現在装着できなくなった背景には、どのような理由があるのでしょうか。
国土交通省自動車局の担当者は、黄色のヘッドライトが廃止になった理由について、以下のように説明します。
「世界中から輸入されることの多いクルマは、『国際基準で統一したほうが良い』ということから、2006年に国際連合で『クルマのヘッドライトは白色で統一する』というように決められました」
国際的に見ると、ヘッドライトにはもともと白色を採用している国が多く、輸出入が多いクルマは、そうした基準に合わせたほうが合理的だとの見方があったことがうかがえます。
さらに、ほかにも「ウィンカーとの区別がつきにくい」「運転者の視認性をさらに向上させるため」といった理由によって、ウィンカーはオレンジ、ヘッドライトは白、というような明確な色の棲みわけがされたようです。
■明るすぎる「白色」が問題に? 今後検討されるかも?
もともとクルマのヘッドライトには、「ハロゲンランプ」や「HID」の活用が多く見られましたが、2007年からは、新たに「LED」も活用されるようになりました。
LEDは消費電力が少ないうえに、発熱も少なく、ハロゲンランプやHIDに比べて、寿命も非常に長いため、新車で購入してからの交換頻度が少なく済ませられます。
特徴として、ライトの色が白色になっており、まさに今後のクルマのライトとしてベストな選択といえそうです。
その一方で、「明るすぎる」という声も挙げられているようです。前出の国土交通省担当者は、LEDについて「LEDは明るすぎることが問題になっているので、今後また国際基準で話し合うかもしれません」といいます。
最近では白色LEDが定番だが…「明るすぎ」という新たな問題も…
SNSを見てみると「LEDヘッドライトまぶしすぎる…そんなに明るさいらない」「クルマのLED明るすぎてバイク乗りにはしんどいです…」「対向車がLEDだとまぶしすぎるよね」といった声も見られ、走行中に視界を妨害されていると感じている人もいるようです。
黄色のヘッドライトの弱点を克服したかのように見えるLEDですが、LEDにはLEDの弱点とも呼べる部分も見られます。
※ ※ ※
なお、同じモデルであっても、生産のタイミングによって黄色のヘッドライトの装着がOKな車両と、NGな車両が存在しています。
初年度登録が2006年1月のクルマでは、黄色のヘッドライトを装着できないため、要注意といえるでしょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
車の運転中「日焼け」が気になるので、フロントガラスに「スモークシート」を貼りたいです。交通違反で“罰金”になると聞いたのですが、カーテンなどもNGなのでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年9月18日 5時0分
-
クルマのナンバープレート「2枚重ね付け」違反じゃない? 輸入車乗りに人気!? 日本と海外ナンバー同時装着で注意すべきこととは
くるまのニュース / 2024年9月11日 21時10分
-
ルームミラーに付いている「謎のポッチ」何に使う? 実は「後続車の“爆光”」対策ってマジ!? 意外と「知らない」機能とは
くるまのニュース / 2024年8月27日 14時50分
-
謎の「白バイコスプレおじさん」全国で目撃!? 違反じゃないの? 警察”風”の衣装でSNSでも話題に! 元警察官が解説
くるまのニュース / 2024年8月26日 9時10分
-
信号待ちの「思いやりライトオフ」実は「法律違反」かもしれない理由とは!? 危険を招かない「正しい思いやり」はどうすればいいのか
くるまのニュース / 2024年8月22日 10時40分
ランキング
-
1「便が漏れる」、「薬物依存になる」、「死に至る」…栄養学の専門家が絶対に飲んではいけないと話す「ヤセ薬」一覧
プレジデントオンライン / 2024年9月19日 16時15分
-
2なぜ「肌の接触」が必要なのか? ハグやマッサージが幸福感をもたらす理由
ニューズウィーク日本版 / 2024年9月19日 17時50分
-
3若者にも増加中…「スマホ老眼」を治す一番の近道は?【一生見える目をつくる】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月19日 9時26分
-
450代から急増する薄毛の悩み!薄毛危険度チェックで確認&早めの対策を
ハルメク365 / 2024年9月19日 16時0分
-
5「結局、水筒にスポーツドリンクを入れるのはNGなの?」「炭酸飲料は?」 水筒に入れていいもの/いけないものを企業が解説
Fav-Log by ITmedia / 2024年9月18日 18時48分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください