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交換したほうがいいのはエンジンオイルだけじゃない! クルマに使われている多種多様な油脂類とは?

くるまのニュース / 2022年7月23日 14時10分

クルマにおいて「オイル交換」と言えば真っ先に「エンジンオイル交換」と思い浮かべる人が多いかもしれません。しかしエンジンオイル以外にも、ブレーキフルードやギヤオイルなどさまざまな役割を持つ多種多様な油脂類がクルマには入っています。どのような種類があるのでしょうか。

■クルマに使われているさまざまなオイル、どんな種類がある?

 クルマのメンテナンスで、「オイル交換」と言えば「エンジンオイル交換」という印象を持っている方も多いのではないでしょうか。しかしエンジンオイル以外にもブレーキフルードやギアオイルなど、さまざまな役割を持つ多種多様な油脂類がクルマには入っています。

 それぞれのオイルを定期交換していくことで乗り心地や燃費の悪化を回復させることができるなど、トラブルの未然防止につながる可能性もなります。逆に、交換を怠っていると運転中の機能不全など、安全性の低下に繋がる場合もあります。

 実際クルマにはどのような油脂類が使用されているのでしょうか。代表的なものをいくつか紹介します。

 まずは前文でも触れた「エンジンオイル」です。エンジンはシリンダの中にあるピストンが往復運動(上下や斜め、水平など)をして動力を発生させますが、摩擦による抵抗や発熱も発生します。エンジンオイルにはその潤滑や冷却の役割を果たしエンジンを保護する役割があります。

 エンジンを冷却するための機構に使用されるのが「クーラント(冷却水・LCC)」です。エンジン内部より発した熱をクーラント液が吸収し車の前部に設置された熱交換器(ラジエーター)で冷やされ、再びエンジンに戻ってエンジンを冷却します。冷却のみであれば真水が一番効率的ですが、防錆能力や寒冷地での対凍結性も求められるのでクーラントが必要になります。

 ブレーキ機構には、ブレーキフルード(ブレーキオイル)というオイルが使われています。車検時などで交換をすすめられたことのあるユーザーもいるかも知れません。クルマは軽い個体でも1トン近くはある鉄の塊。そのような重量物を止めるために油圧システムの力を使いますが、その圧力を発生させる機構に組み込まれているのがブレーキフルードです。

 エンジンの力を伝えるトランスミッションにもオイルが封入されています。トランスミッションには多数のギアが組み合わさって回転するためエンジンオイル同様に潤滑のための油脂が必要です。

 ギア式のオートマチックトランスミッション(有段式)で使用されるオイルが「ATF(オートマチックトランスミッションフルード)」です。オートマチックトランスミッションの変速機内に入っており、劣化が進むとシフトショックが増大するなど、乗り心地に影響が出る可能性があります。

 デュアルクラッチタイプのトランスミッション(DCT)であれば「DCTオイル(フルード)」が使われており、ギアの保護を始め湿式クラッチであればトルク伝達能力にも影響があります。

 CVT(無段変速機)式のトランスミッションで使用されるのは「CVTオイル(フルード)」です。CVT内部のプーリーやベルトの潤滑や冷却、油圧ポンプの作動をするためのオイルになります。

 マニュアルトランスミッションを搭載したクルマに使用されるのが「マニュアルミッションオイル」です。劣化が進むとギアが入りづらくなるなど影響がでます。

 マニュアルトランスミッションを搭載したクルマには、「クラッチフルード(クラッチオイル)」もあります。オイル自体はブレーキフルードと兼用であり、劣化が酷くなるとクラッチが切れにくくなり、スムーズなシフトチェンジができず、ミッションにも負担がかかる可能性があります。

 クルマがカーブを曲がるときなどにスムーズな走行を助けてくれるデファレンシャルギア(差動装置)に使用されるオイルのことを「デファレンシャルギアオイル(デフオイル)」といいます。FF車や4WD車はミッションオイルと兼用のタイプを使用する事になります。劣化すると走行時に異音が発生する可能性があります。

 油圧式のパワーステアリング搭載車には「パワーステアリングフルード(パワステオイル)」が必要です。近年はEPSと言われる電動式パワーステアリングのクルマが増えてきたため、少なくなりましたが、ちょっと古いクルマやトラックには油圧式のパワーステアリングが採用されています。劣化が進んだ状態で熱が入ると噴き出してきてしまう可能性があります。

■交換するべきオイルだけじゃない? 条件によっては故障リスクも

 前述のようにクルマに使用されるオイルにはさまざまな種類があります。よってその交換サイクルもそれぞれ違ってきます。

オイル交換の時期が表示されるクルマもあるオイル交換の時期が表示されるクルマもある

 特にエンジンオイルとブレーキフルードは他のオイルよりも高い頻度で、定期交換をおすすめします。

 エンジンオイルの交換時期は車種や乗り方によって差はあるものの、5000-10000km/回または半年-1年/回が目安になります。

 ブレーキフルードは、吸湿性があり、例え走行距離が短くても空気中の水分を吸収し性能が低下していきます。性能が低下したブレーキフルードは熱によって気泡が発生しやすくなり、クルマの制動能力を低下させてしまいます。

最悪の場合、ブレーキが全く効かなくなることもあり得ます。車検のタイミングで交換しておくと安心に繋がります。

なお、各油脂類の交換作業は専門の知識と適した工具が必要になるため、初心者の方は専門店にお任せするのが無難です。

※ ※ ※

 オイルの中には、定期交換が必要ですがその頻度は低く、寿命が長いオイルもあります。

 クラッチフルードとDCTオイルです。

 クラッチフルードはブレーキフルードと兼用で使われますが、ブレーキほどの熱は加わらないので、その交換スパンも長くなります。目安としては50000kmまたは5年程度です。

 DCTオイルは、DCT搭載車両に必要となるオイルですので、おもにDCTの搭載例が多い欧州車や高級車が中心となってきます。DCTは劣化したオイルで使用し続けるとトラブルが起きやすくなるばかりか修理費も高額になります。30000kmから50000kmまたは3年から5年ごとには換えておくことが推奨されます。

※ ※ ※

 基本的には、オイルは使用頻度や経年で劣化していくため、定期的な交換が必要ですが、中には交換することでトラブルに繋がるケースもあります。

 代表的な例が、ATF及びCVTオイルです。これらのオイルは10年などの長期間もしくは走行距離10万kmなどの長い走行距離に至る間、無交換の状態で交換をおこなうと、トランスミッション内部のパイプラインにスラッジが詰まり故障するリスクが発生します。

 新車から小まめに交換していれば問題ありませんが、中古車を選んだ際は注意が必要です。

※ ※ ※

 前述のオイルも含めクルマには様々なオイルやフルードが使用されており、定められた期間に交換をしないとトラブルや事故に繋がるケースがあります。

 特に大きなトラブルに繋がりやすいエンジンとブレーキ周りのオイルには気を配っておきたいところです。

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