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「ブレーキの踏み方」なぜ男女で異なる? 女性はかかとを床につけない!? 正しいブレーキの操作方法とは

くるまのニュース / 2022年7月27日 9時10分

クルマのブレーキペダルを踏むとき、男性の多くがかかとを床につけたまま踏むのに対し、女性の多くがかかとをつけずに踏んでいる人が多いといいます。男女でブレーキの踏み方が異なるのはなぜなのでしょうか。

■女性はかかとを床につけずにブレーキを踏みがち!?

 クルマの運転で速度を上げるときはアクセルペダルを踏みますが、逆に「速度を落とす」「止まる」ときはブレーキペダルを踏みます。

 そんなブレーキ操作にかかわるブレーキペダルの踏み方ですが、多くの男性ドライバーがかかとを床につけたまま踏むのに対し、女性ドライバーの場合は(床にかかとをつけずに)アクセルペダルからブレーキペダルにわざわざ足を移動させて操作している人が多いようです。

 男女間でブレーキの踏み方に違いがあるのはなぜなのでしょうか。

 各自動車メーカーは、男女の身長差や足、腕の長さの違いを考慮して、シートの前後スライドやシートリフター、ステアリングにはチルトやテレスコピックなど、どんな体型の人でも最適なポジションが取れるような装備を搭載しています。

 しかし、現実はいくらシートの位置は可動してもペダルまで動いてくれることはありません。

 とくに背が低い人は、普通に座るとインパネやダッシュボードの位置が高すぎて前が見にくく、シートリフターで座面の位置を上げると今度はアクセルやブレーキペダルまでの距離が遠くなってしまいます。

 なかには、運転に適さないヒールが高い履物(サンダルやパンプスなど)を履いて運転する女性もいるといわれており、またペダルの踏み間違いによる事故の多発を受けて、教習所では「ペダルはきちんと踏み替えるべき」という教え方に変化しているそうです。

 都内の教習所の元教官K氏に話を聞いてみました。

「確かに、誤作動がないように背の低い女性などには『ブレーキペダルをしっかり踏むこと』と教えていました。

 女性の足のサイズが男性よりも小さいことが多く、従来のかかとを支点に踏み分けるスタイルではペダル操作がしにくいのです。

 また、かかとを支点してもペダルが上手に踏み込めないこともあり、かかと支点にこだわらず、しっかりブレーキ操作をするために踏み替えを推奨したこともあります」

 女性の場合はペダルまでの距離が遠く、踏み込む力が弱かったり、繊細なコントロールができずにギクシャクしたブレーキ操作になってしまうことが多いそうです。

「アクセルとブレーキはじんわり効かせるようにコントロールしましょうと説明しておりましたが、多くの教習生が気を遣いすぎて踏み始めが弱くなる傾向がありました。

 その結果、静止目標までに制動力が足らず、慌てて強く踏み込むことになりがちなんです」

 最近では、そんな女性特有のブレーキの踏み方を考慮して、ブレーキのフィーリングやタッチをチューニングしている新型車も増えているといいます。

 たとえば日産の軽自動車「デイズ」「ルークス」のブレーキはペダルを少し寝かせて配置。ヒールの高い履物でも操作しやすいように工夫されているのだそうです。

※ ※ ※

 本当は、ブレーキペダルに合わせて右足を配置し、かかとを支点としてアクセルとブレーキを操作するほうが微妙な踏力のコントロールがしやすいのも事実です。

「ブレーキペダルにシートポジションを合わせるのは、咄嗟(とっさ)の操作でブレーキをしっかり踏めることが重要だからです。

 しかし、多くのドライバーはペダルをしっかり踏み込むより、座って楽なポジションにシートをセットしがちです。

 ブレーキをしっかり踏めるシートポジションにすることは、かかとを床につけずにアクセルとブレーキを踏み替えるスタイルでも同じです」(教習所元教官K氏)

 正しいシート位置とは、ステアリングは肘が伸び切らない程度にとは聞きますが、それよりも、座面の位置をペダルがしっかり踏み込めるところまで前に移動させるべきだといいます。

 元教官のK氏いわく、上体は多少余裕を持たせても、ペダルに合わせてシートを調整してみることをお勧めするとのことです。

「あとは、やはりヒールの高い履物は運転には適さないということを覚えておくことです。極端な厚底でなければ、ソール部分が厚いスニーカーを車内に積んでおき、運転する際に履き替えるようにすると良いでしょう」(教習所元教官K氏)

■ブレーキの正しい操作方法とは

 それでは、ブレーキペダルはどうすれば上手に扱えるようになるのでしょうか。やはり「ポンピングブレーキ」などを活用したほうが良いのでしょうか。

「皆さん勘違いしがちですが、『ポンピングブレーキ』は速度コントロールがメインの目的ではなく、後続車や周囲のクルマに、ブレーキングを知らせるサインのようなものです。

 ついブレーキを強く踏んでしまってガクガクしてしまう人もいますが、実際にブレーキが効き始める前の『遊び』の部分を使ってブレーキランプを点灯させているにすぎないんです。

 そのあと実際にブレーキをしっかり効かせて速度を落とすのが正解です」(教習所元教官K氏)

男女でブレーキの踏み方に違いがある男女でブレーキの踏み方に違いがある

 またK氏はATが普及したことによる弊害も指摘してくれました。

「市街地などで多いのが不必要なブレーキです。ポンピングブレーキは意図があるので良いのですが、問題のない場面で速度コントロールにブレーキを使ってしまうとブレーキランプが点灯して後続車もつられてブレーキを踏み、それが連鎖することで渋滞を生みます。

 ブレーキコントロールの前にアクセルコントロールで速度調整することも重要だという意識が必要です」(教習所元教官K氏)

 アクセル操作で速度をできる限りコントロールし、ブレーキはしっかり制動・停止がするために使い分けることが重要なのだとか。どうすればブレーキをコントロールできるようになるのでしょうか。

「たとえば止まりたい目標地点(停止線や後続車の後ろ)を想定し、ブレーキの効きを一定に保ちつつ目標地点で止まれるように操作するクセを身に付けるのが大切だと思います。

 この『一定に』というのがポイントで、これができるようになると咄嗟の場合はさらに強く踏み込めますし、強すぎればペダルを少し戻してあげれば良いのです。

 これをさまざまなシチュエーションで繰り返すことで、ブレーキのフィーリングや効き具合を感覚的につかめるようになると思います」(教習所元教官K氏)

※ ※ ※

「男女によるブレーキの踏み方の違い」というより、「体格差によるブレーキ操作の違い」があるというわけです。

 ブレーキをしっかり踏み込むためにも、正しいシートポジションと運転に適した履物が大切です。

 さらに、不必要なブレーキングを減らして速度コントロールはアクセルでおこない、ブレーキは制動するために使うということが覚えておくと良いでしょう。

 この当たり前のようでいて実は結構難しい作業を覚えることで、ペダルの踏み替えでもしっかり止まれるようになるということです。

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