1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

中古車価格高騰中! 2002年の排ガス規制が運命変えた!? 絶版スポーツカー4選

くるまのニュース / 2022年8月1日 6時10分

2002年、排出ガス規制により、多くのスポーツカーが生産終了となりました。今回は、そんな消えていった悲運のスポーツカーをピックアップして紹介します。

■厳しい排ガス規制でスポーツカーが続々終了

 いまから20年前の2002年、日本を代表するスポーツカーたちが軒並み生産終了となり、クルマ好きに大きな衝撃を与えました。

 これは「平成12年排出ガス規制(2000年)」が施行されたのが理由で、規制と生産終了の年にタイムラグがあるのは、施行は2000年10月1日でしたが、それ以前に認可を受けたクルマについては2002年8月末までの猶予期間が設けられたためでした。

 その内容は、施行当時「世界一厳しい」といわれた「昭和53年排出ガス規制」を大幅に強化したもの。

 ガソリン車の基準値が窒素酸化物(NOx)は0.48から0.08g/kmに、一酸化炭素(CO)は2.70から0.67g/kmに、炭化水素(HC)は0.39から0.08g/kmに改められるなど、約70%もの排出量削減が求められたのです。

 もちろん規制に対応するエンジンを開発し搭載すれば生き残ることは可能でしたが、当時はミニバン全盛でプレミアムSUVの人気に火がつきはじめたとき。

 趣味性が強くて実用的ではないスポーツカーは販売が低迷していたこともあり、メーカーは採算が取れないと判断。多くのスポーツカーが2002年に生産終了となったのです。

 惜しまれながら絶版となっただけに中古車人気は加熱する一方で、なかには相場が高騰しすぎて今では手の届かない存在になってしまったモデルもあります。

 そんなスポーツカーのなかから、もはやレジェンド級といっても過言ではない4車種をピックアップして紹介します。

●トヨタ「スープラ」(2代目)

 トヨタ「スープラ」は日産「フェアレディZ」の対抗馬として、「セリカ」ベースのボディに6気筒エンジンを搭載して誕生したスポーツクーペです。

 北米では1978年発売の初代モデルから「セリカ・スープラ」として販売されていましたが、初代および2代目の日本名は「セリカXX(ダブルエックス)」だったため、日本では一般的に「スープラ」というと1986年に発売された通算3代目を初代として扱います。

 日本での2代目(通算4代目)にあたる1993年に登場したA80型は、豊かな曲面で構成された流麗なクーペボディが魅力のFRスポーツで、搭載される3リッター直列6気筒DOHCエンジンには280馬力のツーウェイ(シーケンシャル)ツインターボと、225馬力の自然吸気の2種が用意されました。

 トランスミッションは5速MTと4速ATのほか、日本の乗用車で初となる6速MT(独ゲトラグ製)を設定。

 フェラーリ「F40」を彷彿させる大型リアスポイラーの装着や、年次改良で大径ブレーキや、状況に応じて左右の減衰力に差をつけるショックアブソーバ「REAS」を投入するなど、話題に事欠かないクルマでした。

※ ※ ※

 平成12年排出ガス規制に対応できないことから2002年7月に生産を終了。在庫車両も翌8月には完売し、およそ9年の歴史に幕を閉じました。

 ちなみに、1000万円オーバーの物件がぽつぽつとあり、現在(2022年6月)の中古車相場は高騰してるといえます。もっとも安価な物件でも350万円(自然吸気モデル)といったところです。

■現代でも通用する実力の中古車は高騰中

●日産「スカイラインGT-R」(5代目)

 10代目の日産「スカイライン(R34型)」に「GT-R」グレードが追加されたのは1999年1月のこと。

 同グレードが存在しない世代もあったためGT-Rとしては5代目にあたり、1989年登場の「R32型」から始まった第2世代GT-Rの3代目にして最終モデルということになります。

日産「スカイラインGT-R VスペックII」日産「スカイラインGT-R VスペックII」

 第2世代GT-Rの特徴は、当時の自主規制いっぱいの280馬力を誇る2.6リッター直列6気筒ツインターボエンジン「RB26DETT」と、状況に応じて前後のトルクを0:100~50:50の範囲で配分する電子制御4WDの組み合わせによる卓越した運動性能でしょう。

 R34型では基本性能に磨きをかけ、パフォーマンスのさらなる向上を実現。注目はボディサイズが縮小されていることで、先代にあたるR33型より全長は75mm、ホイールベースは55mmも短縮され、前後重量配分が大きく改善されています。

 搭載されるエンジンは型式も最高出力も変わりませんが、ツインボールベアリングのセラミックタービンを採用することで、最大トルクの増加とレスポンスを向上。

 ほかにもボディ剛性や空力性能の強化、6速MTや18インチタイヤの採用など、登場から20年以上が経った現在でも十分に通用するスポーツカーに仕立てられています。

※ ※ ※

 人気の高さは現役時代から同様で、2002年に販売された最終限定車は1000台が即日完売しました。

現在の中古車相場は限定車に限らず異常なまでに高騰しており、最安値の物件ですら1350万円と高額。2000万円超えも当たり前で、走行距離が少なく修復歴のない物件では3000万円を超えることもあります。

●日産「シルビア」(7代目)

 日産車では、GT-Rだけでなく、「シルビア」も2002年に生産を終了しました。

 最終モデルとなった7代目シルビアは、先代の大型化されたボディが不評だったこともありダウンサイジングされ1999年1月に5ナンバーサイズで登場。

リアのショルダーラインがサイドウインドウより幅の広いスポーティな装いが特徴です。

 搭載されるエンジンは2リッター直列4気筒DOHCで、250馬力(ATは225馬力)のターボと165馬力(ATは160馬力)の自然吸気を設定。駆動方式はFRレイアウトを踏襲し、ターボのMTは6速に進化しています。

 タコ―メーターをメーターナセルの中央に配置したり、グレードによってはフロントピラーに油圧計あるいはブースト計を備えるなど、インテリアもスポーツムード満点でした。

 パッケージオプションを追加したり電動ハードトップのオープンカー「ヴァリエッタ」を追加投入したりと精力的なグレード展開を続けましたが、やはり排出ガス規制のタイミングで生産を終了。

 在庫分が完売した2002年11月(ヴァリエッタは2001年7月)をもって販売を終了しました。

※ ※ ※

 もともと中古車人気の高い車種ですが、7代目モデルは販売期間がわずか3年11か月と短命だったこともあり、生産終了以降の相場は上昇傾向にあります。

 とはいえ、600万円級の極上物件も存在はしますがほとんどは300万円以下と、ほかの絶版スポーツに比べれば常識的な部類。自然吸気のモデルに限れば100万円台でも狙えます。

●マツダ「RX-7」(3代目)

 2002年8月に生産が終了した「RX-7」は、マツダが誇る本格派のスポーツクーペです。

 1991年の発売当時は販売チャンネルの関係からマツダではなく「アンフィニ」名義でしたが、1996年10月からはマツダへと改められました。

 RX-7の特徴は、なんといってもロータリーエンジンを搭載していること。654ccのローターふたつにシーケンシャルツインターボを備え、255馬力から280馬力もの最高出力を実現。5速MTあるいは4速ATを介して後輪を駆動するFRレイアウトを採用しています。

 コンパクトなキャビンと曲面で構成されたスタイリングが個性的なボディはアルミ製のボンネットを採用。新開発の4輪ダブルウィッシュボーンのサスペンションもアーム類やリンクをアルミ製とするなど、徹底した軽量化が図られています。

 結果として、当時としては世界トップクラスのパワーウエイトレシオ4.9kg/PSを達成しました。

※ ※ ※

 モーターのようなフィーリングのパワーユニットとシャープなハンドリングの組み合わせは、ほかのクルマでは決して味わえない独自の魅力があります。

 加えてロータリーターボ最後のクルマでもあるため中古車人気は非常に高く、相場は上昇の一途。最低でも300万円台で、1000万円オーバーの車両もあるほどです。

※ ※ ※

 2002年に多くのスポーツカーが消滅した一方で、マイナーチェンジで対応したホンダ「NSX」(初代)や、デビュー当初から規制をクリアしていた「S2000」のようなクルマも存在。

 さらに、日産「フェアレディZ」(5代目)やダイハツ「コペン」(初代)のように2002年に登場したスポーツカーもあったのですから、「2002年に国産スポーツカーは終わった」というのは早計で、実は国産スポーツカーの火が消えたワケではありませんでした。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください