新型「クラウン」は電気自動車になる!? トヨタ自ら事前のネタバレも? 「クラウンEV説」の謎に迫る
くるまのニュース / 2022年8月1日 8時10分
トヨタ 新型「クラウン」はEVになる!? そんな声がSNSで聞かれます。実はトヨタが自らも事前に「ネタバレ」をしていました。
■「クラウン スポーツ」はEV? それとも…!?
2022年7月15日、従来の高級車イメージを覆す新型「クラウン」が世界初公開されました。「クラウン クロスオーバー」を皮切りに、全部で4つの異なるボディタイプで順次発表していくといいます。
その斬新さや衝撃度の高さから、SNSなどネット上ではクルマ好きを中心に大きな反響が巻き起こっています。そんななか「クラウンはEV(電気自動車)になる!?」との声をみることができます。どういうことでしょうか。
新型クラウン発表披露会では、4タイプのクラウンが公開されました。まずクラウン クロスオーバーを2022年秋に販売し、その後2023年に3モデルをグローバル市場で順次発売していくことが明らかにされました。
クラウン クロスオーバーは、セダンとSUVを融合させた新コンセプトを特徴としています。
ボディサイズは、全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mmで、4ドアクーペ風の流麗なフォルムと、車高を上げた「リフトアップ」スタイルを融合しました。
日本仕様にはトヨタ車初採用となる新システムを含む2種類のハイブリッドを用意し、それぞれ四輪駆動のみの設定としています。消費税込み価格は435万円から640万円までです。
トヨタではこのあと新型クラウンのラインナップとして、スポーティなミドルSUV「クラウン スポーツ」、機能性を高めたラージSUV「クラウン エステート」、そして正統派セダン「クラウン セダン」の登場が控えています。
SNS上では「クラウンらしくない」「斬新だ」「見慣れたらカッコよく見えてきた」など、さまざまな反響が聞かれます。
そんななかで「新型クラウンはEVだ!」との話題が散見されます。
そう思わせる理由は、クラウン スポーツのデザインにあります。
トヨタが昨年2021年12月に発表した「バッテリーEV戦略に関する説明会」において、会場で15台以上のEVを発表したなかに、今回クラウンとして公開したクラウン スポーツそっくりの展示車両「クロスオーバー EV」が含まれていたのです。
2台を見比べてみると、確かにほぼ「そのまんま」でした。
EVと、ハイブリッドを含めた通常のクルマでは、フロント部のデザインに大きな違いがあります。大きな熱源となるエンジンを搭載するため、前面に冷却のための開口部が必要となるのです。
ところがバッテリーの電力によりモーターを駆動させるEVの場合は、そこまでの大開口部は必要としません。
トヨタの高級ブランドであるレクサスでは、2022年に相次いで高級SUVの新型車2モデルを発表しています。そのひとつはEVの「RZ」で、もうひとつがハイブリッドなどを搭載する新型「RX」です。
2モデルはレクサスブランドの象徴となる「スピンドルグリル」デザインをフロントに採用しながらも、RZについては開口部を減らし、ボディ同色面を強調することで、EV専用デザインであることを主張しています。
そこで改めてクロスオーバー EVとクラウン スポーツのフロントデザインを見てみると、2モデルともに明確に大きな「グリル」(開口部)の存在がバンパー下部に確認できます。
あわせて、他のクラウンシリーズとも見比べてみても、クラウン スポーツだけが極端に開口部が小さいということはなく、むしろクラウン エステート(黄色いモデル)のほうが開口部の割合が少なく見えるほど。
今後登場予定の3つの新型クラウンシリーズの外見からは、明確に「これはEVに違いない!」と断定できるほどの差は見いだせないのです。
※ ※ ※
7月の新型クラウン発表披露会では、日本仕様のクラウン クロスオーバーの詳細な仕様については明らかにされたものの、残りの3モデルについては「地域の特性や需要に応じたパワートレインを選択していく」と紹介するにとどまっています。
質疑応答でも、新型クラウンのEV仕様があるかどうかの問いに対し、トヨタ側では否定も肯定もしませんでした。
トヨタではガソリンエンジン車に加え、ハイブリッドやプラグインハイブリッド(PHEV)、バッテリーEV、燃料電池車(FCV)に至るまで、さまざまな最新の環境対応型パワートレインをすでに実際に市販化しています。
ましてや、新型クラウンは世界40の国と地域でのグローバル展開をスタートし、トヨタブランドを代表する新しいフラッグシップカーへ発展させる目論見です。
トヨタが有するさまざまな最新パワートレインのいずれを搭載しても不思議はありません。
新型クラウンがEVであるかどうかは、今後のトヨタからの続報を待つほかないようです。
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