新型「デロリアン」世界初公開!? 40年ぶりに復活! ガルウイングは健在!? 現代版タイムマシン「Alpha5」実車を米国でお披露目
くるまのニュース / 2022年8月19日 10時10分
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にタイムマシンとして登場したことによって、いっきにその知名度を上げ、その魅力を世界に広く広めることになったデロリアン。約40年の時を経て新型「デロリアン Alpha5」として復活しました。
■未来・過去に行くには「時速88マイル」必要! 新型「デロリアン」なら4.35秒で可能に!?
アメリカ時間の8月18日午前11時(日本時間19日午前2時半)。
カリフォルニア州ペブルビーチにて開催されている、「ペブル ビーチ コンクール デレガンス」の一角で新型「デロリアン」の実車がデロリアンモーターカンパニー(以下、DMC)によって公開されました。
2022年6月には新型デロリアンの画像や簡単なスペックが公開されており、実車が8月18日に公開されることが予告されていました。
予告通り、アメリカ太平洋時間の8月18日午前11時頃にペブルビーチの美しい海とよく整えられた緑の芝生をバックに世界で初めて、新型「デロリアンAlpha5」のほぼ量産型といえるコンセプトカーが公開されたことになります。
1985年に1作目が公開された映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にタイムマシンとして登場したことによって、いっきにその知名度を上げ、その魅力を世界に広く広めることになったデロリアン。
多くの人がデロリアンと聞いてまずイメージするのは、ガルウィング+ステンレスのボディでしょう。
生産終了から約40年の時を経てよみがえった新時代のデロリアンには「デロリアンAlpha5」の名前を与えられており、デロリアンを象徴するガルウィングドアのクーペボディを継承しています。
しかしステンレスボディの採用はなく、100+kWh のバッテリーを搭載し、0-100km/hは約3秒。
航続距離300マイル(約480km)超を誇るスーパースポーツEVに生まれ変わりました。
ちなみに、映画でデロリアンがタイムスリップする速度となる「時速88マイル」(約140km/h)に達するまでの時間はわずか4.35秒と発表されています。
今回、現場で取材をおこなったジャーナリストのBen HSUさんから新型デロリアンに対する関係者のコメントが集まりました。
●マイク・メレデス氏(自動車ジャーナリスト)
「とくに、全体のフォルムと、オリジナルのデロリアンのようなガルウイングドアが気に入っている。かなり量産車に近い印象です。」
●キャンディ・コラル – ヘルスケア担当重役
「スマートでセクシー。色も気に入っています。女性はみんな、口紅やマニキュアをどうやって合わせようかと話していますよ」
●アンドレア・ポルタ – イタルデザイン
「多くの人がDMC-12をベースにしたものを期待しましたが、実は私たちの出発点は1982年のDMC-24の4ドアでした。
カラーはクロモスフィアレッドといいます。ペブルビーチでデビューすることが分かっていたので、美しい緑の芝生とのコントラストが欲しくて選びました」
●トロイ・ビーツ(DMCの最高マーケティング責任者)
「私たちにはDeLorean ブランドの歴史を尊重するという大きな責任がありました。
さらにその将来をキュレーションするという役割も。私たちは Alpha5 の登場で両方を実現できたと考えています」
※ ※ ※
初代デロリアンは 1982 年に 2万9825ドルで販売されましたが、新型デロリアンAlpha5の価格はまだ発表されていません。
日本円で2000万円を超えるのではないかと予想されています。
■現在のDMCはアメリカ・テキサスに本社を構えるが、どのような歴史を辿った?
新型デロリアンAlpha5のデザインを担当したのは、初代デロリアンと同じイタルデザインです。
イタルデザインとはこれまで、数々の名車を世に送り出してきたイタリアにあるデザイン会社で、フォルクスワーゲン「ゴルフ」やフィアット「パンダ」をはじめとする欧州車。
さらには、いすゞ・「ピアッツァ」や日産「初代マーチ」、トヨタ「初代アリスト」など名車の誉れ高い日本車のデザインも手掛けてきました。
そのイタルデザインが2021年1月に公式ツイッターにて初めて公開したのが、DMC-12デロリアンの40周年のお祝いとデロリアン復活をにおわせるプロジェクトの立ち上げでした。
2022年6月にはついに新型デロリアンの写真やコンセプトを公開し、8月18日に正式に実車の世界初公開が実現した次第です。
このたび、新型デロリアンAlpha5を発表したDMC(デロリアン・モーター・カンパニー)という会社は、デロリアンを最初に製造・販売した会社ではありません。
そもそも、元祖DMCは米ゼネラルモーターズ社の副社長を務めたジョン・デロリアン氏がGMを退職して理想のクルマを作るべく設立した自動車メーカーで1975年に設立されました。
そしてデロリアンことDMC-12が登場したのは1981年。
斬新で個性的なガルウイングドアを持つ未来的なデザインの2シーターのスペシャリティカーでした。
デザインを手がけたのはジウジアーロ率いるイタルデザインで中身は英国ロータスカーズという組み合わせでした。
映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で一躍有名になった「デロリアンDMC-12」
今回発表された新型デロリアンAlpha5も同じ、イタルデザイン社によるデザインではありますが、初代DMC-12デロリアンは数々の騒動によって1982年12月、9000台のデロリアンを世に送り出して生産終了しており、ちょうど40年の時を経て劇的な変化を遂げて復活したことになります。
DMCは1995 年に部品の在庫を保有すること、「DMC」の名称を使う権利を取得しました。
約10年前から初代デロリアンのEV化についての開発が進められてきた経緯もあり、「完全な EVこそこれからのデロリアンが進むべき道です」と当時の代表者も話していました。
DMCは現在、テキサス州サンアントニオに本社拠点を置いており、そこに設置された工場にて新型デロリアンAlpha5の生産がおこなわれる予定です。
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