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6m級の巨大トヨタ「タンドラ」も「ハイブリッド」採用! 2トン超えの重量を支えるトヨタの「新」ハイブリッド「i-FORCE MAX」とは

くるまのニュース / 2022年8月29日 14時10分

2021年9月にトヨタは、同社最大級ピックアップトラック「タンドラ」を15年ぶりのフルモデルチェンジし発表しました。このクルマは全長6m級の巨大なクルマながらガソリン車だけでなく「ハイブリッド車」のラインアップが存在します。フルサイズモデルとしては珍しい「電動」パワートレインを用いたピックアップトラックにはどのような秘密があるのでしょうか。

■2トン超えの巨大なピックアップにハイブリッドのパワートレイン…その秘密とは

 トヨタの米国法人は、フルサイズピックアップトラックの「タンドラ」を全面刷新して、2021年9月19日に世界初公開しました。

 15年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型タンドラには「i-FORCE MAX」というハイブリッドシステムを搭載したモデルが存在。全長6m級の巨大な車には珍しい電動パワートレインの採用ですが、どのような背景があるのでしょうか。

 タンドラは、トヨタが北米で生産するフルサイズピックアップトラック。2021年9月には15年ぶりのフルモデルチェンジをおこない、現行モデルとなる3代目が誕生しました。

 そんな3代目タンドラのボディサイズは、一番小さなサイズの「Limited」グレードでも、全長5933mm×全幅2037mm×全高1981mmと全長6m級、全幅2m超えの巨大な車。その車両重量は2490kgと2トンを超えます。

 パワートレインは、ガソリン車とハイブリッド車をラインナップしています。

 ハイブリッド車の動力源は、ガソリン車に搭載される3.5リッターV型6気筒ツインターボエンジンにモーターのハイブリッドシステム「i-FORCE MAX」を組み合わせたエンジン。これに10速ATが組み合わされ、最高出力443馬力・最大トルク585lb-ftを発生します。

 大排気量で大トルクを発生させるV8エンジンの採用が一般的だった巨大なピックアップトラックに、ハイブリッドシステムの採用するにあたり、トヨタではさまざまな苦労があったようです。

 今から約25年前の1997年、トヨタは同社初の量産ハイブリッド車「プリウス」の初代モデルをデビューさせます。プリウスは、それまでのスタンダードなコンパクトカーと同じ機能を持ちながら、燃費の向上と排ガスの低減を実現した車として、世界中の人々に紹介されました。

 以降近年に至るまで、さまざまなクルマにハイブリッドシステムが導入されてきましたが、ハイブリッド車は主に小型車セグメントに限定されていました。

 これについて、北米トヨタの商品開発担当エグゼクティブ・プログラム・マネージャーJay Sackett氏は次のように語っています。

「ハイブリッド車は、ガソリン代の節約や二酸化炭素排出量の削減に役立つ手軽な手段であり、完全燃焼エンジンのパワーやスピードに匹敵することは知られていないというのが、共通の考え方でした。

 そのため、ミニバンやピックアップトラックなどの大型車のユーザーは、電動化が自分たちのニーズに追いつくのかどうか、疑問を抱いていました。

 トヨタは、常にお客様のニーズに応えるためにイノベーションを続けているため、これをチャンスと捉えました。」

■省燃費性とパワーの両立を実現する方法とは

 アメリカのドライバーにとっては、必ずしも燃費=優れた性能とはいえませんが、ハイブリッド車であるタンドラの場合は、高いレベルの燃費が期待されます。

 なので、タンドラi-FORCE MAXは、巨大なボディを支えられるほどパワフルであると同時に、ハイブリッド車に期待される燃費性能を実現する必要がありました。

タンドラのi-FORCE MAXはどのような仕組みのでしょうかタンドラのi-FORCE MAXはどのような仕組みのでしょうか

 そこでトヨタは、電気モーターとV型6気筒ターボエンジンを並列に搭載し、従来のハイブリッド車のように電気モーターと内燃エンジンを交互に使うのではなく、2つを並行して動かすことで、先代モデルモデルのV型8気筒エンジンをも上回る総合的な出力を得ることができました。

 これについて前出のSackett 氏は「モーターやインバーターなど、使用されている技術の一部はTHSと似ていますが、この構造と方式はまったく異なります。」と述べています。

 このパワートレインを実現するために、電気モーターをエンジンとトランスミッションの間に配置する必要がありました。モーターは、必要に応じてエンジンの出力を補うように求められ、ドライバーの要求に応じてトルクを追加するか、アクセルを少しだけ踏むような低速の領域では、全負荷を引き受けてエンジンが燃料を節約できるようにします。

 これにより、437馬力と583lb.-ft.のトルクを誇るピックアップトラックが完成。積載で最大1665ポンド(約755kg)を運ぶことができ、最大1万1450ポンド(約5193kg)をけん引できます。

Sackett氏は、次のようにコメントしています。

「このパワートレインの驚くべき点は、燃費を改善するためにパワーとトルクを妥協する必要がないことです。

 このパワートレインは、従来のV型8気筒エンジンと比較して、非常に低い回転数で最大トルクを達成します。これは、エンジンがより静かに作動し、車両がよりスムーズに走行し、本当にトレーラーを牽引できることを意味します。

 また、電気モーターのみ、ガソリンエンジンのみ、またはその両方が駆動している場合の変化をほとんど感知できません」

※ ※ ※

 トヨタはリリースの中でタンドラi-FORCE MAXについて次のように記載しています。

「トヨタがモビリティ企業へと進化を続ける中、自動車やトラックが人間の移動において果たす役割を再考することが重要です。

 モビリティの未来がどのように見えるかを理解しながら、明日の人間のために地球を損なうことなく、今日の人間のニーズを満たすことによってイノベーションが図られます。

 タンドラi-FORCE MAXはこの役割に適合し、トヨタはより少ない炭素排出量で荷物をけん引して荷物を運ぶように設計されたピックアップ トラックをドライバーに提供します。」

 また、Sackett氏は以下のように語ります。

「新しいタンドラにより、電動化と妥協のないパフォーマンスにより、エキサイティングな未来へとさらに進んでいます。」

 燃費の向上と優れたパフォーマンスを両立させ、未来の電動ピックアップトラックの新たなビジョンをもたらしたタンドラi-FORCE MAX。

 トヨタの今後の動向が期待されます。

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