ドア開けたら「自転車！」思わずヒヤッと!? 気を付けたい「車のドア開閉」交通違反になるケースも!?

クルマを一時的に路肩に停めて乗り降りするといった経験のある人もいるでしょう。これは、状況によって事故を招く危険性や、交通違反になる可能性があるといいます。

■思わずヒヤッと!? 気を付けたい「ドア開け事故」

　道路にクルマを停車させて、乗り降りするという経験をしたことある人もいるでしょう。

　これは状況によって事故が発生する危険性や、交通違反になる可能性があるといいます。

　送迎時などに路上で一時的にクルマを停めて乗り降りしたことは、経験したこと人も多いでしょう。

　普段何気なくドアを開閉して、クルマの乗り降りをおこなっている人もいると思いますが、実はこの行為は、交通違反に該当する場合があるといいます。

　道路交通法第71条「運転者の遵守事項」の第4号の3では、以下のように定められています。

「安全を確認しないで、ドアを開き、又は車両等から降りないようにし、及びその車両等に乗車している他の者がこれらの行為により交通の危険を生じさせないようにするため必要な措置を講ずること」

　これに違反した場合、「安全不確認ドア開放等」の違反として違反点数1点、反則金は普通車の場合6000円が科されます。刑罰として5万円以下の罰金に処される場合もあります。

　このように、道路交通法ではクルマのドアの開け閉めについて細かく規定されているといえますが、これにはどういった要因があるのでしょうか。

　そのひとつに、クルマの運転者または同乗者がクルマのドアを開けた際、バイクや自転車と接触してしまう、いわゆる「ドア開け事故」の発生が考えられます。

　ドア開け事故は件数が多いわけではないものの、1年間を通して発生しています。

　警視庁の統計である「交通事故の違反別発生状況（第1当事者）」を例に見てみると、警視庁管内（東京都内）では2020年中にクルマのドア開放が原因となった事故が222件発生し、うち6人が重傷、216人が軽傷を負いました。

　過去のデータを見ても2019年は268件、2018年は355件と絶えず発生していることが分かります。

　過去には開いたドアにぶつかって転倒し頭を打つなどして死者が出る痛ましい事故も発生しています。

　こうしたドア開け事故について、元警察官Bさんは以下のように話します。

「ドアが自転車や歩行者に当たる事故については、件数として多いわけではなかったですが対応する機会はありました。

　私が対応した際は軽傷で済む場合が多かったのですが、状況によって転倒して頭を打ったり、対向車線に投げ出されてクルマに轢かれたりする事故になる可能性も考えられます。

　重大な事故につながるおそれがあることを念頭に置いて、クルマのドアを開ける際には十分に気を付けましょう」

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　ドア開け事故は安全確認の不十分により発生する事故といえますが、運転者はもちろん、助手席や後部座席に乗っていた同乗者が降りる時に、無造作にドアを開けることでも同様の事故が発生しているケースがあります。

　しかし、ドアの開閉時に起きた事故はどういう状況でも運転者の責任になってしまいます。このため運転者はもちろん、同乗者も十分に注意しなければなりません。

　防止策としてはドアミラーやルームミラーをしっかりと活用し、後ろからクルマ、バイク、自転車、歩行者などが来ていないかをしっかり確認し、さらに目視で再確認するという習慣を身に付けることが大切です。

　クルマの後方からやって来る自転車や歩行者などからは、人が降りるのかどうか判断しにくいので、ハザードランプを付けて周りの人に知らせることも効果的といえます。

　共栄火災海上保険はドア開け事故の防止策のひとつとして、「ドアは一気に開けるのではなく一呼吸置く（後方の自転車やバイクにドアを開けることを知らせる）とさらに安全です」と呼びかけています。

　また子どもは、周りをよく確認せずにドアを開けてしまったり、強風が吹いている場合にドアと一緒に体も外に引っ張られたりする可能性も考えられます。

　このため、子どもを乗せているときはチャイルドロックをかけることや、大人が先にクルマから降りてドアを開けてあげるなどの配慮をするなどの防止策を取ることが望ましいといえます。

　一方でバイクや自転車、歩行者の人についても、クルマの横をなるべくすり抜けないような運転を心がけるほか、クルマの横を通るときには「人が降りてくるかもしれない」という危険予測運転をしていくことを心がけると良いでしょう。

　そして万が一の場合に備え、自転車に乗る場合はヘルメットやプロテクターなどを着用し、自分の体を守る対策を取ることは大切といえます。