クルマの車高はドコまでアゲれる? 流行りは「爆アゲ」「ちょいアゲ」どっち? 最新リフトアップ事情とは
くるまのニュース / 2022年9月5日 6時10分
クルマのカスタムといえば車高を下げる「シャコタン」や車高を上げる「リフトアップ」などが挙げられます。では、リフトアップはどこまでアゲられるのでしょうか。
最近は、さまざまなカテゴリーでヘビーデューティ系のクルマが流行していることから、カスタムシーンでは「リフトアップ」が流行中です。
ノーマルよりも少しだけロードクリアランスを拡大させる“ちょいアゲ”もムーブメントになっています。
ハイリフトというカスタムの手法が誕生したのは、1970年代の北米。
カリフォルニア州には、激しい岩場などを走る「ルビコントレイル」というオフロードルートがあり、こうしたところをクロスカントリー4WDで走破するために生まれたのがハイリフトという手法です。
ハイリフトするとノーマル状態よりもロードクリアランスが拡大し、対地角度(3アングル)が大きくなります。
これにより凹凸のある地形が走りやすくなったり、路面にある障害物への接触を抑えることができるのです。
その後、ハイリフトはドレスアップメニューとしても広がり、1m以上も車高を上げるビッグフットと呼ばれるレーストラックを真似たカスタムカーも流行。
日本でも1980年代の四駆ブームの時にはハイリフトがトレンドとなり、ビッグフットが街中を走る姿も見られました。
そもそもハイリフトという改造方法は、ラダーフレーム構造のクロスカントリー4WDのもの。
大径のタイヤ&ホイール、自由長の長いスプリングとそれに合わせた長いダンパーを装着するのが基本となります。
ビッグフットのようなクルマは、さらにラダーフレームとボディに間にスペーサー(ブロック)を噛ませることで、車高をアップさせます。
ラダーフレームのクルマの場合は前後、もしくはリアがリジッドアクスル式サスペンションであることが多いので、車高アップによるホーシングのズレを補正するためのラテラルロッドの調整が必要です。
また足回りのジオメトリーもズレが生じるため、キャスター角やキャンバーを調整するパーツの装着も必要になります。
最近のクルマはそのほとんどが、モノコックボディ構造で、四輪独立懸架式サスペンションを採用しています。
こうした構造のクルマでの黎明期のハイリフトは、サスペンションにスペーサーを入れていました。
リーズナブルにリフトアップができる反面、サスペンションはノーマルのために走行性に変化はありません。
モノコック構造のクルマでは、サスペンションのメンバーとボディの間にブロックを噛ませる“メンバーダウン”という方法もあります。
スペーサーよりも見た目の変化は大きいものの、ボディや足回りへの負担も危惧されるため、プロはあまり勧めていないようです。
四輪独立懸架式サスペンションのクルマの場合は、コイルスプリング+車高調整式ダンパーを装着してリフトアップするのが最近のスタンダードとなりました。
ただ、こうしたメニューの場合もリフトアップする高さによっては、ジオメトリーを調整するパーツの装着が別途必要になることがあります。
■リフトアップはどこまで上げられるのか?
ちなみにリフトアップする場合、どこまで上げられるのでしょうか。
コンプライアンス上では、車検証に書かれた全高+40mm以内と規定されており、さまざまなメディアにおいてもそのように報じている場合がほとんど。
しかし、実際にはそれほど単純ではないようです。ジムニーカスタムを専門におこなっているショップに聞きました。
「+40mm以内のリフトアップ量というのは、基本としてあるのですが、手法や懸架方式の違いによってはその限りではありません。
例えば、コイルスプリングの場合は国交省の“指定部品”になっているため、普通車や軽自動車枠の規定内の車高であれば、+40mm以上になっても構造変更の必要はありません。
ですが、指定部品になっていないリーフスプリングは+40mm以内でなければいけません。
また、ブロックやスペーサーを使う場合ですが、これらは単体で+40mmを越えなければOKとなります。
つまりブロックとスペーサーを組み合わせて上げた場合は、+40mmを越えても構造変更の必要がありません」
クルマをリフトアップするにはさまざまな方法が存在する
ただし、陸運局が異なる場合には違う見解になることもあるとのことなので、まずはカスタムをするときにショップやメーカーなどに問い合わせることをオススメするということでした。
さて、リフトアップをするとロードクリアランスが上がって悪路走破性が向上するのに加えて、ドライバーのアイポイントが上がることで前方の見通しが良くなるなどのメリットがあります。
その一方で、サスペンションの設定によっては操縦安定性が悪くなり、横風などを受けるとフラついたりする場合があります。
ただし、最近はむしろノーマルよりもシャープなハンドリングになるサスペンションキットも販売されていますので、オン・オフどちら寄りのセッティングなのかを確認して購入するのが良いでしょう。
リフトアップをする場合は、その量によってタイヤサイズを変えないとカッコ悪くなる場合も。
車種やリフトアップ量によって適したタイヤササイズが変わってきます。
リフトアップする場合は、タイヤやホイールの予算も考えておいたほうが良さそうです。
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