どんどん暗くなるけれど ドライバー目線で「目立つ歩行者」の服装とは? 「反射材」もカギ握る?
くるまのニュース / 2022年9月14日 16時10分
日没が早まっているなか、夕暮れ時や夜間は事故が増える傾向にあるといわれています。ドライバー側から見て、とくに目立つ服装とはどのようなものなのでしょうか。
■早めにドライバー側から気づかれやすい服装とは?
9月に入ったことで日没も早まり、夜の時間が増えていますが、まだまだ夕方以降の外出頻度は多い季節です。夜の時間帯には交通事故が増える傾向にありますが、これは他の交通との正確な距離を測るのが困難であるため。ヘッドライトを点灯する車両はまだしも、歩行者の場合は事故直前まで発見されていないというケースもあります。
そのような事情もあり「夜の外出時には目立つ色を」「反射材を着用しよう」といわれます。では具体的に服の色の違いや反射材の有無はどの程度の効果があるのでしょうか?
夜の道を走るクルマから歩行者はどの程度で視認されるのか、という点について、JAFは過去に実際にテストをおこない検証しています。
テストでは様々な色の服を付けたマネキンと、黒に反射材、JAF制服(上下 反射材付)という反射材を含めた状態で検証が行われました。
結果としては反射材を付けたJAF制服がもっとも視認されやすく、次に黒+反射材、白、黄色、と続いています。これらはハイビームにおいては150m以上先から視認できました。
ロービームの場合は黒+反射材が42.6mで視認されたのに対して、JAF制服が70mと大きく差をつけていました。
また夜間での視認性がもっとも悪い黒ですが、反射材を身に着けることで大きく向上するという結果も得られました。
ハイビームとロービームは正式名称では「走行用前照灯」「すれ違い用前照灯」といい、道路運送車両法の保安基準でその機能が定められており、ハイビームは前方100m、ロービームは前方40mを照らし出すように光線の角度が決められています。
ヘッドライトは前方に対して満遍なく光を出しているわけではなく、運転手が視認できる光量が確保されているのが100m、40mの範囲になっているのです。つまりロービームで走る車は40m先までしか見通せないということであり、これ以上先の距離から視認させることがそもそも難しいのです。
逆に40m以上先から視認される反射材は、光線軸から僅かに外れた周辺光を上手く反射させることによって、運転手からの視認性を向上させているということになります。
反射材は光線軸から外れた僅かな周辺光でも、反射して視認性を向上させています。ただし、反射材の装着箇所は一つだけだと車の運転手から見逃されることがあります。というのも反射材は道路標識やその支柱などにも使われている物であり、遠くからではそれらと区別し難いためです。
「なにかしらの物体がそこにある」ということが分かるだけでも視認性は高まっているのですが、「その反射材は人が身に着けている」ということが分かると更に効果的となります。
■ペットの散歩時にも反射材があると安心
おすすめの反射材着用法は、「上半身に反射材ベストやタスキ」を付けて、更に「手首や足首」に分散させる方法です。ペットなどを連れて歩く場合には、ペットを結ぶリードやハーネスなどに反射材が付いていると良いでしょう。
夕暮れ時は交通事故が多く発生するといわれている(写真はイメージ)
こうして身に着けて歩行することで「反射材が揺れながら移動して見える」ことになり、車の運転手からは「その反射材が人や動物が身に着けているものだ」ということが、より認識しやすくなるのです。
反射材を使う事で夜間の視認性向上による、交通事故予防法は知られていました。ただ反射材というのは、光を受けなければ効果が得られません。無灯火で接近してくる物には効果が薄いわけです。
そこで近年では歩行者をより目立たせるために、LEDを利用した発光型のアイテムが使われることが多くなりました。これには歩行者が身に着ける懐中電灯の他に、それ自体が点滅するLED内蔵型ベストやタスキというものがあります。
反射材ではクルマのハイビームを利用して150mから視認できましたが、LEDを用いて発光させると200m~300m先から視認できるようになります。これはクルマのブレーキランプや発炎筒などと同等以上の夜間視認距離になり、より遠方まで自分の存在を知らせることができます。
ドライバー側も、早めのヘッドライト点灯を心がけることで事故を防止しましょう。
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