斬新グリルデザインの「新型SUV」発表! スクエアLEDライトの未来感スゴイ! オフロードSUV「北京BJ60」494万円から中国で発売
くるまのニュース / 2022年9月10日 16時10分
2022年8月26日から開催中の成都モーターショーにて、中国「北京汽車」が新たなオフロードSUV「BJ60」の予約を開始しました。
■北京汽車が三菱製エンジン搭載の本格オフローダー「BJ60」を発売
中国における国営自動車メーカーのひとつ「北京汽車」は新たなオフロードSUV「BJ60」を発表しました。
心臓部には三菱のエンジンを搭載していますが、なぜ中国の自動車メーカーが三菱製を使っているのでしょうか。
北京汽車は1953年に誕生した自動車部品会社「北京第一汽車附件廠」に端を発する国営の自動車会社です。
1958年6月20日に初の乗用車「井岡山」を完成させ、北京汽車制造廠へ改称、自動車メーカーとしての一歩を踏み出しました。
この会社が生産したモデルで有名なのが「BJ212(通称:北京ジープ)」です。
ソビエト連邦のUAZ-469を元に開発したこのオフロード車は1966年に完成し、それ以来中国人民解放軍の軍用車として採用されてきました。
現在でも関連会社「北京汽車製造廠(BAW)」から民生モデルが生産されています。
民生モデル含め、累計で120万台以上生産された象徴的な中国製オフロード車で、BJ212は日本に少数ながら並行輸入されていたこともあり、その際、四駆系雑誌でも取り上げられたことがありました。
現在、北京汽車グループは中国で6番目に大きい自動車会社にまで発展、2021年は172万3000台の販売台数を記録。
傘下にはメインである「北京」、純電動ブランド「アークフォックス(中国名:極狐)」、かつてはスズキと合弁関係にあった「昌河」、商用車部門の「フォトン(中国名:福田)」などのブランドが存在します。
そのなかでも、北京汽車のオフロード車「BJシリーズ」はグループ子会社「北汽越野車」が製造しています。
2013年に小型4×4「BJ40」をリリースしたのを皮切りに、現在までにBJ30、BJ80、BJ90などの車種を続々投入。この度発表されたBJ60はシリーズの久々の新型モデルとなります。
BJ60は全長5040mm×全幅1955mm×全高1925mm(ホイールベース2820mm)のボディを持つ本格4×4で、トヨタ「ランドクルーザー」とほぼ同じサイズです。
ラダーフレームや、トランスファーレバーを備えるパートタイム4WDなどのクロカン4×4には必須な要素だけでなく、モダンなデザインにパノラマルーフ、そして充実の運転支援システムも兼ね備えているので、街乗りにも最適な一台となるでしょう。
また、ガソリンタンクは容量85リットルのメインタンクに加え、35リットルのサブタンクも用意されているため、長距離でのオフロードも心配なく走ることが可能です。
パワートレインには三菱の中国で合弁会社「瀋陽航天三菱汽車発動機」が製造する4K31TD型2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載。48Vマイルドハイブリッドと組み合わせ、出力262 hp、406 Nmの大トルクを実現させました。
中国車に三菱製エンジンが搭載されるのは珍しいことではありません。三菱は1997年より中国でのエンジン製造を開始しましたが当時の中国メーカーが手がけたエンジンはお世辞にも良いものとはいえず、信頼性も高くはありませんでした。
また、他メーカーからエンジンを譲ってもらおうにも、なかなか交渉が上手くいかなかった背景もあります。
そのような状況のなか、高い耐久性はもちろんのこと、中国メーカーに対しても比較的安価に供給してくれる三菱は中国メーカーの間で評判を呼び、多くの採用例が誕生していきました。
広州汽車や長城汽車、吉利汽車などの世界的企業にまで成長した中国メーカーも、初期のモデルは三菱の「4G6」や「4A9」などを搭載。
これらの会社も今では独自開発のエンジンを多数揃えていますが、「4G20J1」「4A15J2」「GW4B15C」「GW4D20M」「JLH-4G20TDJ」「JLC-4M18H」などの名前には三菱製エンジンの命名規則が使われており、かつての名残を感じられます。
現在でも三菱のエンジンを採用し続けているメーカーは数多く存在し、今回紹介した北京汽車のBJ60もそのひとつです。
北京汽車は長らく、本格オフローダーのポジションを2013年発表のBJ40だけに委ねてきました。もちろんBJ80やBJ90もラインナップには取り揃えられていますが、両モデルとも高価格帯モデルとなっており、手頃な値段で手に入れられるBJ40ほどの人気はありません。
そのようななか、北京汽車は新型モデルのBJ60を欠けていた中間的役割を担う存在として登場させました。
オフロードも楽しめ、なおかつデイリーユースも快適にこなせるという両方の特徴を持つモデルなので、消費者からの注目は間違いなく集めるでしょう。
グレード体系は5人乗りモデルを3種、7人乗りモデルを2種用意。
予約は2022年8月26日から開催中の成都モーターショーにて開始され、5人乗りモデルは23万9800元(邦貨換算:約494万1000円)から、7人乗りモデルは26万9800元(約555万9100円)からスタートしています。
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