軽に新たな「クロスオーバーSUV」の波が来てる!? 「スペーシア」「タント」の次は「N-BOX」の番だ!
くるまのニュース / 2022年9月11日 7時40分
圧倒的な人気を誇るホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」が現行型デビューから5年を迎えました。ライバルのスズキやダイハツが、対抗策として新ジャンルのクロスオーバースタイルを採り入れ話題を呼んでいます。ホンダも同様のモデルを出すのでしょうか。
■スズキやダイハツが相次いで導入する「クロスオーバー」スタイルとは
いま日本の新車の販売のうち4割近くを占めているという軽自動車ですが、なかでも背高でスライドドアを採用したホンダ「N-BOX」に代表される「軽スーパーハイトワゴン」と呼ばれるジャンルが人気のトップを占めています。
そんな軽スーパーハイトワゴンに、新たな派生カテゴリーとして「クロスオーバー」モデルを追加することがトレンドとなっています。三菱、スズキ、そしてダイハツの各社が設定するなか、王者のホンダが同様のモデルを出すことはあるのでしょうか。
N-BOXは、2011年秋の東京モーターショーに参考出品した直後の12月に初代モデルが登場しました。
コンパクトカー「フィット」の高効率パッケージを実現させた独自のセンタータンクレイアウトを採用し、低フロア化を実現させるなど、軽の限られた規格サイズ内で最大限の室内空間を得るため、新開発のプラットフォームを新開発しています。
またママさんユーザーを意識し、かわいらしさを強調したデザインが多かった当時の軽スーパーハイトワゴンとは一線を画し、シンプルなスクエアデザインで老若男女からの支持も集めました。
その結果、N-BOXは翌2012年度には年間の軽自動車販売台数ランキングで1位に躍り出るほどの人気ぶりを発揮しています。
以来、ほぼ毎年に渡り年間ランキング1位の記録を達成し続けるなど圧倒的な販売台数を重ね続け、2021年5月にはホンダ車史上最短で累計販売台数200万台を達成しました。
現行型は2017年9月に登場した2代目です。
初代のコンセプトを継承しながらもプラットフォームから設計を一新させ、操縦安定性や先進運転支援技術、衝突安全性能などすべての面でアップデートされました。
2022年上半期も、登録車を含めた新車販売台数でも1位を獲得するなど、デビュー5年を迎えた今も衰え知らずの鉄板人気を保っています。
しかし2022年5月、ちょっとした異変が起きました。
スズキのライバル車「スペーシア」が、N-BOXの月間販売台数を超え1位となったのです。
長引くコロナ禍における部品供給不足の影響などもあり、一時的な現象とも捉えられますが、懸念材料がないとも言い切れません。
スペーシア好調の理由のひとつが、多彩なバリエーションにあります。
N-BOXは、ノーマルタイプに加え、エアロパーツなどでドレスアップした「N-BOX カスタム」の2タイプが用意されてます。これはダイハツのライバル車「タント」や日産「ルークス」なども同様の布陣です。
対するスペーシアは、ノーマルと「スペーシア カスタム」に加え、もうひとつのラインナップとして、クロスオーバーSUV風の仕立てとした「スペーシア ギア」を2018年12月に追加設定しています。
クロスオーバースタイルで話題を呼んだ同社の軽ハイトワゴン「ハスラー」の手法を取り入れたもので、ユーザーからも好評を博しました。
スペーシア ギアはスペーシアシリーズ全体の4割を占める月もあるといい、確実に販売台数の底上げにも大いに貢献していることがわかります。
■スズキの成功を受けライバルのダイハツも動いた! どうするホンダ!?
この成功事例をみて素早く反応したのがダイハツでした。
2022年秋に実施されるタントのマイナーチェンジに際し、新ラインナップとしてクロスオーバースタイルの「タント ファンクロス」を追加すると発表したのです。
スズキの成功を受け、ダイハツが新たに導入するクロスオーバーSUV風の軽スーパーハイトワゴン 新型「タント ファンクロス」[2022年秋発売予定]
タントはスペーシアとの熾烈な2位争いを繰り広げており、有効な対抗策のひとつとして真っ向勝負を挑む格好となりました。
ここで気になるのが、ホンダの動向です。
いまのところホンダからは、クロスオーバースタイルのN-BOXが出るという公式情報は発表されていません。
初代N-BOXはデビューからおよそ6年で2代目にフルモデルチェンジしていますが、一方で現行型N-BOXはデビューから丸5年を迎えており、モデルライフも後半戦に突入しています。
初代の例にならうと、そろそろ3代目の次期モデル登場の噂も聞こえ始める時期といってもよいでしょう。
これはあくまでも他社の動向からみた推察の域を超えませんが、次期モデル開発に向け、ホンダ社内でクロスオーバースタイルの新型N-BOXが検討されている可能性は非常に高そうです。
その際に参考になりそうなヒントが、2014年の東京オートサロンで参考出品されていたクロスオーバースタイルのN-BOX「N-BOX+ エレメントコンセプト」に隠されています。
鮮烈なオレンジカラーをあしらったそのアクティブすぎるスタイルからは、新たな旋風を巻き起こしそうな雰囲気がひしひしと感じられます。
隠れた名車であるクロスオーバーSUVモデル「エレメント」をイメージし誕生したといいます。
※ ※ ※
順当にいけば、2023年から2024年にかけN-BOXのフルモデルチェンジが行われるかもしれません。
その際に現れるかもしれない、スペーシア ギアやタント ファンクロスに向けたホンダの対抗策がどのようなものとなるのか、興味は尽きないところです。
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