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謎多き「レア」オービスを発見! LSM-200によるネズミ捕り地域はごく一部? 取締り機器メーカーの覇権争いが始まる!?

くるまのニュース / 2022年9月17日 11時10分

和歌山県南部という限られた地域のみで、レーザー式の速度違反自動取締装置(オービス)「LSM-200」を使った取締りが行われています。どのような特徴があるのでしょうか。

■とにかく情報が少ない「LSM-200」の取締り

 これから秋の行楽シーズンです。観光地はにぎわいを取り戻しつつあり、クルマで出掛ける機会も増えてくるかもしれません。運転で注意しなければいけないのは、事故と違反です。そこで重要になってくるのは安全運転や交通取締りの知識です。

 今回は、とても珍しい速度取締りを目撃した方に取材ができたので紹介します。

 筆者(オービスガイド 大須賀克巳)は10年以上、全国の速度違反取締り現場を調査してきましたが、唯一出会えていない取締り方式があります。それは、レーザーで速度を計測するLSM-200という機器を使ったネズミ捕りです。

 速度違反の取締りには、覆面パトカーのほか、速度違反自動取締装置(通称、オービス)を使って後日違反者を呼び出す方式と、その場で違反切符の処理を行う方式(通称、ネズミ捕り)があります。

 定置式のネズミ捕りには、主に「レーダー式」と「光電管式」の2種類の方法がありますが、実はもうひとつ、「レーザー式」というのも存在しています。

 速度を計測する方法は異なりますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

 例えばトンネル内では、レーダーは乱反射などにより計測が難しいようです。

 そこで光電管を使いますが、これは車線を一時的に封鎖して機器をセットするなどの手間や危険性があります。

 しかしレーザーなら、移動式オービスとしてトンネル内での運用実績があります。

 さらにレーダーを扱うには無線技師の免許が必要ですが、レーザーは不要というメリットもあります。

 その他、メーカーの違いによる納入ルートや価格、使い勝手、信頼性など様々な違いもあると思います。

 レーザー式の装置LSM-200については、交通ジャーナリストの今井亮一氏がネット上で公開していた警察資料で知ったのですが、実物の写真を見たのは2019年10月4日、Shinya@ZX-10Rさんによる画像付きツイートでした。

 その後、今日まで2~3回SNSで画像を見かけましたが、とにかく情報が少ないです。これは和歌山県の南部という非常に限られた地域で運用されているのと、その辺りは人口も多くないためかもしれません。

■レーダー探知器は反応した?

 そんなレアなLSM-200の画像が取締り情報共有アプリであるオービスガイドに投稿されたので早速、投稿者に連絡を取り、詳しい状況を聞いてみました。

 投稿者の「じゃがいもさん」は大阪府から和歌山県へ旅行に来ていて、たまたま遭遇したしたそうです。趣味で大阪府警の警察車両を撮影していることもあり、LSM-200にもすぐに気が付き撮影と投稿をしてくれました。クルマで通過した際は取締り中でしたが、クルマを止めて現場に戻った時には撤収作業中だったそうです。続いて気になる点を聞いてみました。

――目撃時間と場所は?

 2022年5月11日16時30分頃、和歌山県串本町の国道42号です。

――取締りの状況やサイン会場について教えてください。

 まず、速度を計測するLSM-200が道路の左側路肩に三脚により設置されていて、その側に椅子に座った警察官が1名いました。そこから150mくらい先に交番があり、そこがサイン会場(違反切符の処理を行う場所)になっていました。

 そこには赤い旗を持った停止係の他に、警察官が数名いたと思いますが、はっきりとは確認できませんでした。計測場所とサイン会場の間は、無線での連絡と思いますが、探知機で350.1MHz(連絡用周波数)は受信されませんでした。

 たまたまなのか?違反車両は止まっていませんでした。現場の道路は、対面通行で地元の方もゆっくりと走っていました。

LSM-200の撤収作業(撮影:じゃがいもさん)LSM-200の撤収作業(撮影:じゃがいもさん)

――レーダー探知器は反応しましたか?

 手前のゆるいカーブを抜け、100m先にLSM-200が目視でも確認できた瞬間に探知機も反応しました。クルマにはレーザー対応のユピテルLS20を付けています。

――レーザーはステルス方式?

 速いクルマが来た時にだけ、レーダーを狙い撃ちで照射するステルス方式というのがありますが、LSM-200の場合は常時レーザーが出ているようでした。よって探知機もLSM-200が見えた瞬間に反応しました。

※ ※ ※

 LSM-200は初めてネットに目撃情報が上がった2019年からすでに3年が経過しようとしています。それでも和歌山県の南部だけ運用され続けているのはなぜなのでしょう。理由は分かりませんが、その間に一気に普及した移動式オービスの影響が考えられます。

 しかし、全国ではレーダー式や光電管式のネズミ捕りが頻繁に行われていることを考えると、LSM-200が全国に展開されない理由は他にあるのかもしれません。

 今まで「移動式オービス」と「ネズミ捕り」を作るメーカーは別々で、きっちりと住み分けができていました。しかしLSM-200を作ったのは、移動式オービスを製造しているメーカーです。それに呼応するのかのように、先日ネズミ捕りの機器を製造しているメーカーが作った新型移動式オービスの試験運用の様子がSNSで話題となりました。この件については現在情報を集めている最中です。

 これらのように交通取締りの世界は進化を続けており、それに対応しようとする探知機やアプリも同様です。ゆとりをもって交通ルールを守り運転していれば、取締りに遭遇しても慌てないし、日々の安全を守る警察官の様子や、取締りに使われている機器を観察できて楽しいかもしれません。

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