「車中泊」利用増でトラブル多発! 最低限気をつけたい「乗用車で車中泊」のマナーとは 日本RV協会に聞いた
くるまのニュース / 2022年9月18日 11時10分
昨今はアウトドアブームが続いており、クルマで寝泊まりする、いわゆる「車中泊」をするユーザーも増えています。では改めて車中泊をおこなう際はどういったポイントに気をつけると良いのでしょうか。今回はキャンピングカー・ビルダー、ディーラーが加盟する日本RV協会(JRVA)の担当者に話を聞きました。
■車中泊の先駆者が語る「車中泊のマナー」とは
昨今は新型コロナウイルス感染の影響もあり、密が避けられるアウトドアがブームとなっています。
そのうちクルマで寝泊まりする車中泊もブームのひとつとなっており、車中泊をおこなうユーザーも増えています。
一方で、一部ユーザーのマナー違反がたびたび問題にあがっており、多くのユーザーに広まったことで、車中泊の定義が人によっても異なっているといえます。
では改めて車中泊ではどういった部分に気をつけると良いのでしょうか。今回は、キャンピングカー・ビルダー、ディーラーが加盟する日本RV協会(JRVA)の担当者に話を聞きました。
車中泊は言葉の通り車内で寝泊まりすることを指します。
従来では、移動手段として用いていたクルマを宿泊施設の代わりに眠る場所として用いるのが一般的でした。
しかし、昨今のアウトドアブームにより、車内でくつろげるスペースに改造したり、車内で快適に過ごせる工夫がなされている車中泊仕様車や、より本格的な機能を備えたキャンピングカーも多数販売されています。
車中泊が広まったきっかけについて、日本RV協会の担当者は以下のように話します。
「車中泊はもともと路上生活者の住居というように、あまり良い言葉ではなかったのが始まりでした。
その後徐々に旅行する際にクルマで移動しながら寝泊まりするというスタイルが増え、車中泊が広まりました」
一方で最近では車中泊をおこなうユーザーが増加したことで、トラブルが発生するケースも。
これにはユーザーによってもそれぞれ車中泊の定義が異なっており、特に車中泊のマナーに関しての認識があいまいであることが問題のひとつといえます。
車中泊をおこなう際に大事なポイントのひとつには「場所選び」があげられます。
車中泊はクルマが停められる場所なら、どんな場所でもおこなっても良いというわけではありません。
例えば高速道路のSA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)では、あくまで休憩を主な目的としている施設であることから、必ずしも車中泊が推奨されている訳ではないのです。
過去、NEXCO東日本の広報担当者は、SA・PAでの車中泊について以下のように話しています。
「Webサイトなどの注意事項について、車中泊に関する具体的な記載はしていませんが、これはそもそも車中泊というものが定義しづらいことが理由に挙げられます。
一時的な休憩というのは問題ないですが、休憩の枠を超えるような長時間の駐車はご遠慮いただきたいです。
加えて、家庭用のゴミを捨てたり、アイドリングなどの迷惑行為もお控えいただくようお願いします」
運転の休息のために訪れるSA・PAは、車内で仮眠をとって疲れをとることも可能です。
ただし仮眠と車中泊との線引きが難しく、大々的に禁止しているわけではないものの、こうした施設での長時間の車中泊は避けるべきといえるでしょう。
また乗用車で車中泊をおこなう場合、電源や調理施設、食事スペースなどが車内には備わっていないケースが多いため、車外に荷物や設備などを出してしまう傾向にあります。
宿泊を目的としたオートキャンプ場ではなく、例えばSA・PAなどの駐車場区画や歩道上にテーブルやイスを広げたり、SA・PAなどで無料開放されているゴミ箱に家庭ゴミを入れてしまうなど、マナー違反をする一部ユーザーも存在します。
このように、車中泊は自身の所有車で気軽におこなうことができますが、ルールを知らぬままおこなうことで周囲への迷惑行為につながるといえます。
では改めて、車中泊はどういった部分に気をつけると良いのでしょうか。これについて前出の日本RV協会の担当者は以下のように話します。
「最近は、車中泊が当たり前のスタイルになってきており、地方観光などにも役立ちつつあります。
徐々にクルマの中で仮眠しながら遠くへ行くなど旅のスタイルが変化しつつあるなど、車中泊は旅行のスタイルとしてかなり有効なものだと思っています。
その一方、一部で利用マナーも問題になってきていますので、車中泊の過ごし方もあらためて考える必要があるでしょう。
車中泊とは、ただクルマのシートを倒して寝れば良いというものではありません。
就寝前の時間を楽しく過ごすにはどうしたら良いのか、またフラットで快適な就寝スペースの確保をどうしたらよいのかなどと考えてみることで、さらに車中泊が楽しめるようになります」
また今後の車中泊に関しての提案について、以下のようにも話します。
「特にゴミについてはかなり深刻な問題といえますが、例えば車中泊向けに整備されたRVパークでもごみの収集を有償にすることで、とても環境が良くなりました。
このため多くの場所でおこなわれているごみの処理も、無償のサービスではなく、あえて有償とするのは、とても効果的だと思います」
※ ※ ※
日本RV協会では、設備環境が備わっていない乗用車であっても車中泊できる施設として「RVパーク」と呼ばれる車中泊施設を増やしており、現在は280箇所以上の施設があるといいます。
RVパークでは施設条件として、4m×7m程度の駐車スペースに加え、24時間利用可能なトイレや100V電源の供給、入浴施設が施設内または15km圏内にあること、ごみ処理が可能など、さまざまな項目をクリアしています。
こうした施設であれば不自由なく自身の所有車で車中泊をおこなうことができるため、利用してみるのも良いといえます。
またRVパーク利用時には禁止・注意事項として「車外の調理は禁止」「直火禁止(たき火やバーベキューも不可)」「アイドリング禁止」「発電機の使用及び騒音、周辺(車中泊客)に迷惑のかかる行為は禁止」「ゴミ・吸い殻などのポイ捨て、不要物の置き去りも禁止」などが提示されています。
車中泊をおこなう際は事前にルールを確認した上で、気持ち良く楽しみたいものです。
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