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レクサスの「高級SUV」に驚愕!? 「大人の余裕&気持ちいい」を両立! 今冬発売の新型「RX」を最速試乗してみた!

くるまのニュース / 2022年9月9日 19時0分

2022年8月末にアメリカにてレクサスの新型「RX」の先行試乗会がおこなわれました。ラグジュアリーSUVのパイオニア的存在ですが、その質感や走りはどのような進化を遂げているのでしょうか。

■最速試乗! で分かった新型「RX」の凄さとは

 2022年6月1日、レクサスは新型「RX」を世界初公開。日本での発売は2022年冬を予定しています。

 そうしたなかで、先行して同年8月末にアメリカにて試乗会がおこなわれました。

 RXは、1998年に「高級セダンの快適性を兼ね備えたSUV」として開発され、プレミアムクロスオーバーSUVというカテゴリーを開拓。そこから24年、5代目となる新型RXが発表されました。

 今回、試乗会が開催された場所はアメリカ・ロサンゼルスから北に144km離れたリゾート地、サンタバーバラになります。

 RXは約95の国と地域で累計350万台を発売するレクサスの絶対的なエースであり、失敗は許されません。

 ただ、レクサスのブランドホルダーである豊田章男社長は常日頃から「失敗を恐れるな」と語っていますが、RXの開発陣にこのように語りました。

「RXを壊してください」

 チーフエンジニアの大野貴明氏は「社長の一言は『コアモデルだからこそ“挑戦”が必要』と理解しました。先に登場したNXは、次世代レクサス第1弾と高い評価を受けていましが、その武器を上手に活用しながら次の時代に向けた『新たな基準』を作るつもりで開発を進めました」と語っています。

 この言葉から「RXは大きなNX」ではないということが解っていただけるでしょう。

 それは乗る前から実感します。

 パッと見はNX/RZとの共通性を感じるものの、よりボディに溶け込んだスピンドルグリルに加えて、ホイールベース延長や前後トレッド拡幅によるスタンスの良さ、更にはよりボリューム感のある面構成などから、「伸びやかさ」と「柔らかさ」から、やんちゃなNX、先進性のあるRZに対して、優しいけど頼りがいのある兄貴といった印象です。

 ちなみにボディサイズは全長4890(±0mm)×全幅1920(+25mm)×全高1695(-10mm)と先代とほぼ同じですが、より堂々としたスタイルに感じます。

 インテリアはNX/RZに続いて新世代レクサスのコクピットデザイン「TAZUNA Concept」を採用。

 タッチパネルとステアリングスイッチをフル活用させる操作系は共通ですが、メーターフードからドアトリムまで連続的につながる造形により、エクステリア同様に奥行きや伸びやかさが強調されたデザインで、スポーティよりもエレガントな印象。

 NXで気になっていたソフトパッドと樹脂部品の質感や隙間などもシッカリと整えられています。

 ちなみにNXに装着のダイヤル式ドライブモードは廃止されタッチパネル対応となっています。

 これには賛否がありますが、ステアリングスイッチのカスタム機能のなかにドライブモードが格納されています。

 残念なのはシフト周りのレイアウトです。NXよりも左右方向の余裕があるかつ、リモートタッチ廃止でレイアウトの余裕があるにも関わらず、縦配置のカップホルダーやシフト下の小さなスイッチなど洗練度に欠けます。

 未来感があるインパネ周りとのギャップが気になるので、もう少し何とかしてほしい所です。

 居住性はパッケージの刷新で大きくレベルアップ。とくにリアシートは先代+60mmとなる2850mmのホイールベースが活きており、足元スペースはフォーマルユースが可能なほどのゆとりがあります。

■乗れば感動レベル!? 新型「RX」を試乗インプレッション、いざ!

 では、実際に乗ったらどうなのでしょうか。

 正直走り出すまでは心配でした。初代RXのコンセプトは「高級セダンの快適性を兼ね備えたSUV」です。

 そのDNAは歴代モデルが受け継がれてきましたが、新型NXのスポーティさを実感する今、そのコンポーネントを活用するRXもそっち系の走りだったら嫌だなと(決してNXを否定しているわけではないです)。

 しかし、ステアリングを握って走り始めて数十mで一安心。

「おっ、これは紛れもなくRXだ」と感じました。ここからは、もう少し具体的に説明していきましょう。

 パワートレインは2.4Lターボ(RX350)、2.5Lハイブリッド(RX350h)、2.5Lプラグインハイブリッド(RX450h+)、2.4Lターボ+DIRECT4(RX500h Fスポーツパフォーマンス)の4タイプが用意されています。

 2.4LターボはRXのなかではベーシックなユニットですが、フラットトルクと伸び感のあるフィーリングに加えて8速ATの巧みなシフト制御で、実用ユニットにしておくのは勿体ないくらい。

 静粛性の高さも相まって、このエンジンのウィークポイントだった濁音の多いサウンドも抑えられ、「これでいいよね」と思うくらいのユニットになっています。

 2.5Lハイブリッドは実用域の力強さはもちろん、アクセル操作に対する反応、出力の出し方やエンジン/モーターとの連携、全開走行しない限りは気にならないフィーリングなどはNXと同様です。

 しかし、静粛性の高さが別格。遠くにエンジンが搭載されていると思うくらいエンジンノイズは抑えられています。

 ただそれは実用域の話で、高速の合流やワインディングで元気に走らせるときには、車格を考えるとパフォーマンス/音含めて、もう少し頑張ってほしい所ですが、燃費を含めた総合性能は相変わらず高いです。

 2.5LプラグインハイブリッドはRXのキャラクターにもっともピッタリです。

 EVモードではシステムからのノイズはもちろんロードノイズも見事にシャットダウンされており、本当に音もなくスーッと走り始めます。

 動力性能も2トン近い重量を軽々と走らせる力強さや瞬発力が備えられています。ただ、このシステムの本当の凄さはHVモードで、高速道路の合流などでのアクセル全開時はシステム出力309psを実感。

 NXより重量があるので凄い速い感じはしませんが、逆にそれがいい意味でジェントルな加速になっているのでアリかなと。

 静粛性は2.5Lハイブリッドより1ランク上のレベルで、実用域ではエンジンのON/OFFはほぼ分らないレベルです。NXではエンジン音がうるさく興ざめするチャージモードも、RXではそれほど気になりませんでした。

 2.4Lターボ+DIRECT4は、フロントに1モーターパラレルハイブリッドシステム+6速AT(クラッチ機構付)。

 リアにモーター(eアクスル)を組み合わせた電動AWDで、前後のパワートレインの協調で駆動力制御を可能にしています。

 その印象はハイブリッドというよりも電動スーパーチャージャーのようなイメージで、THSII(トヨタハイブリッドシステム)にはない「小気味よさ」、「伸びの良さ」、そして「ダイレクト感」が印象的な「気持ちいいハイブリッド」です。

 システム出力367hpは決して軽いとはいえないRXの重量でも十分以上のパフォーマンスを発揮します。

 ATは多段化がトレンドにも関わらず6速ですが、ギアを細かく刻む必要がない実力を持っている証拠といえるでしょう。

 ただ、トルコンレスのクラッチ機構のため、重箱の隅を突いていくとギリギリまで回生をしているのか停止直前のクラッチを切り離すタイミングで僅かにギクシャク(気にしなければ分からないレベル)するシーンもありますが、それ以外は超滑らかです。

 次世代のスポーツユニットといってもいい存在であり、個人的にはレクサスのセダンタイプに水平展開してほしいと思いました。

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 新型RXのフットワークはどうでしょうか。

 一番の驚きは、いい意味で「走りを主張していない」という所です。

 とはいっても、基本性能の高さはいうまでもなく、ステアリング切り出しの滑らかさや正確性の高さ、コーナリング時のフロントのスッキリとした回頭性と絶大なリアの安心感のバランス、サスペンションのスムーズな動き。

 バネ上の振動の収まりの良さや重量を活かしたシットリとした乗り味、凹凸を優しく吸収しつつもフワフワさせない乗り心地などを含めた「走る・曲がる・止まる」の性能は、先に登場したNXよりも粗さがなく、確実に洗練&精緻に仕上がっています。

 今回、さまざまなシーンで走らせましたが、街中ではサイズを感じさせない扱いやすさ、高速では抜群の安定感と乗り心地、ワインディングではサイズを感じさせない身のこなしと一体感あるハンドリングを実感しています。

この辺りはリア周りの骨格刷新、サスペンション取り付け部の着力点剛性の確保、接合剛性アップ(レーザースクリューウェルディング+構造用接着剤+短ピッチ打点技術)などがおこなわれた新世代プラットフォーム(筆者はGA-Kフェイズ2と呼ぶ)の採用、低重心化やホイールベース/トレッド変更、ヨー慣性モーメント低減などの素性の刷新。

 さらに新開発のリア・マルチリンク式サスペンションをはじめとする各機能部品のハーモニーが、それらを実現させているのでしょう。

 ダンパーはノーマル系がメカサスとAVSが選択可能、FスポーツはAVSのみの設定ですが、メカサスだけ乗っていると「AVSいらないかも!!」と思うくらいハンドリングと快適性のバランスは高いですが、AVS付きに乗ると「上には上があるよね」を実感。

 要するに先代のようにマイナス→プラスではなく、ゼロ→プラスの進化が感じられます。

 ただ、ノーマルとFスポーツの違いは解りにくくなっているのも事実で、制御の幅をもっとキャラクターに活かしたほうがいいと思います。

 これらの強力な武器に加えて、NXでの経験・知見も活きているのでしょう。

■レクサスが目指す「新型RXの味」は? Fスポーツパフォーマンスは別格?

 NXはデジタル開発に挑戦したものの、やはり最後は走り込みのトライ&エラーでクルマを育ててきました。

 それが故に対処療法的な部分もあったと聞きます。RXではそれらをデジタル開発にシッカリとフィードバックさせ、より理想の基本素性ができたということでしょう。

 しかし、新型RXはそれ表に声高らかに主張するではなく、走りは良くて当たり前でその先を目指しているような感じがしました。恐らく、それは「大人の余裕」であり、そこにRX独自の「味」があると考えています。

 では、その味とは何なのか。

 筆者は「ゆとり」、「重厚」、「優しい」だと考えます。実はこの要素は歴代RXで掲げられていたキーワードでしたが、当時は基本性能が伴わなっていなかったので、逆に“逃げ”の言葉に聞こえていました。

 しかし、新型は基本性能の向上で対話ができるクルマになったうえで、個性としてこれらが表現できるようになったのではないでしょうか。

 その結果、決して飛ばさなくてもクルマの良さが実感しやすい走りを生んだのかなと。

 でも、元気に走らせるとシッカリと答えてくれる実力もシッカリと持っている、それが新型RXです。

 ただ、RX500h Fスポーツパフォーマンスだけは別格です。FスポーツパフォーマンスはFスポーツの上位に位置する新グレードで、2.4Lターボ+DIRECT4のパワートレインに加えて、専用サスペンション(リニアソレノイドAVS)、後輪操舵角が拡大(最大4度)されたDRS(ダイレクト・リア・ステア)、21インチ専用タイヤ、6ピストン対向キャリパー、なども採用されています。

 実際に走らせると「これはあの大きなRXなのか?」というくらい、クルマが小さく・軽く感じます。

 そのときの姿勢変化は最小限でコーナーの曲率に合わせて4つのタイヤのグリップ力が最適になるようにコントロールして旋回しているような感じで、とにかくアンダーステア知らずです。

 この辺りはDIRECT4による駆動力制御とDRSの相乗効果だと思いますが、制御モノにありがちな「機械に曲げられている」感覚はなく、まるで「運転が上手くなった?」と錯覚するようなコントロール性と自在性が素晴らしいです。

 今回、RXには似合わない道幅が狭く厳しいRが連続したワインディングを走らせましたが、そんなシーンでも「気持ちいい!!」、「Uターンしてもう一度走ろう!!」という気になりました。

 ただ、ゆっくり走っていると乗り心地はわずかに引き締められていますが、ほかのRXと同じ印象です。

 そういう意味では、普段はRXらしくゆったり走れるけど、ひとたびアクセルを踏むと「おーっ、これこれ!!」とスポーツカー好きなら心躍る感覚を兼ね備える、一粒で二度おいしいグレードかもしれません。

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 一度RXを壊したことで、逆に「RXらしさ」はより色濃くなったと感じています。

 その結果、単にサイズの大小ではなく「NXの兄貴分」にふさわしいプレステージ性を備えた1台に成長できたのではないでしょうか。

豊田章男社長はレクサスについて「本物を知る人が最後に選ぶブランド」と語っていますが、それは「味の濃さではなく、味わい深さ」、「ホッとする」、「ジワーっと染み渡る」、「飽きのこない」といったお出汁のようなクルマを意味しているような気がしています。

 これこそが、日本のプレミアムブランドらしい本質であり、おもてなしかなと。

 正直にいうと、「最近のレクサスはGRになりたいのかな?」と不安になることもありましたが、今回新型RXに乗ってみて「レクサスが進むべき道が、明確に定まったな」と感じました。

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