「眩しすぎる!」ヘッドライトなぜ増加! ハイビームにしてるわけじゃない!? 眩しさ回避する方法は?
くるまのニュース / 2022年9月13日 11時10分
LEDの普及やオートライトの義務化など、クルマの灯火類を取り巻く環境はこの10年で大きく変わりました。その一方、ヘッドライトが眩しいと感じる機会が増えたドライバーもいるのではないでしょうか。
■LEDの普及が眩しさの原因?
クルマの灯火類を取り巻く環境はこの10年で大きく変化。これまでの主流だったハロゲンからHIDやLEDが主流になりました。
それと同時に、対向車のヘッドライトが明るく、そして眩しい感じることが増えたドライバーもいると思います。これはなぜなのでしょうか。
白色LEDが開発されてから電球や照明などのほか、クルマの灯火類にも数多く採用され、現在の新車の多くがLEDを採用しています。
明るく発光するのに電力消費が少なく長寿命、振動や衝撃にも強く、調色や調光、点滅なども自在にコントロールでき、防水構造も比較的容易なことから、ヘッドライトのバルブとして最適というワケです。
従来のハロゲンランプからLEDランプへの交換はバルブを換えるだけと手軽におこなえるのですが、ここに落とし穴があると教えてくれたのは千葉県のI整備士。
「DIYで交換する人の多くがバルブ交換時に必要な光軸調整をしておらず、この光軸の未調整により、ハイビームにしていなくてもヘッドライトがやたらと眩しく感じるクルマが増えた原因のひとつになっている可能性が高いです」(I整備士)
手軽にできるLEDへの交換ですが、自分の視界を明るくするだけでなく、対向車や周囲のクルマに迷惑をかけないようにしっかりとした光軸調整が必要というわけです。
また、光軸の調整のほかにもヘッドライトが眩しいと感じる原因がありそうです。
「軽ハイトワゴンやミニバンなどに多いのですが、もともとのヘッドライトの位置が高めなのに加えて、路面の凸凹をサスペンションが吸収しきれずにボディ全体が上下に動いてしまうことも一因と思われます。
路面は必ずしも水平ではないため、少し上向きで停車した場合でも対向車には眩しく見えることもあるでしょう。
また、LEDの光は遠くまで直線的に届く性質があるため、眩しく感じやすいといえます」(I整備士)
■最近増えた「オートハイビーム機能」とは?
道路交通法では、ハイビームで常時走行し、すれ違いなどがある市街地でのみロービームにすると定められています。
そして、ヘッドライトのロービームとハイビームを自動で切り替える「オートハイビーム機能」または「アダプティブヘッドライト」を搭載したモデルも増加。
カメラやレーダーで対向車や歩行者などを検知した場合に自動でロービームに切り替える機能ですが、これも眩しさの原因になっている可能性があるといいます。
前走車を検知してハイ/ローを切り替える「オートハイビーム」(イメージ)
「オートハイビーム機能は前走車との距離を検知して自動でヘッドライトのハイとローを切り替えてくれるものですが、まだ完全とはいえません。
前走車や対向車がいなければハイビームになりますが、それらを検知してロービームに切り換わるまでに若干のタイムラグがあり、一瞬とはいえ、対向車にハイビームが照射されてしまいます。
このあたりが、対向車のヘッドライトが眩しく感じる一因になっているのではないでしょうか」(I整備士)
自動切り替えが上手くおこなわれず、自分のクルマのヘッドライトが上向きになっていると感じたら、手動でロービームに切り替えるといった配慮も必要かもしれません。
では対向車のヘッドライトが眩しいと感じた場合、何か対策はあるのでしょうか。
「有効な対策がまだないのが現状です。後続車のヘッドライトが眩しい場合は『防眩ミラー』などである程度抑えることはできますが、対向車の場合はやり過ごすことぐらいしかできません。
せめて対向車のヘッドライトを直視しないことぐらいでしょう。
とくにLEDは照射する範囲に光を集中させ、照らす範囲と照らさない範囲をはっきりさせる傾向があります。それだけ強い光ですので、できる限り目に入れないように視線を逸らすことが重要です」(I整備士)
※ ※ ※
LEDはハロゲンと比べて明るく、自分好みの色温度も選べ、寿命も長いなど交換するメリットは多くあります。
ただし、自分にとってのメリットが周囲のクルマの迷惑にならないような配慮は忘れずにしておきたいところ。バルブ交換はDIYで手軽にできても、調整はプロに任せたほうが良いでしょう。
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