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ミニバンの「バックドア」開かないトラブル発生! 電動式は修理が高額!? 原因と対処法は?

くるまのニュース / 2022年9月22日 8時10分

ミニバンやハイトワゴンなどで使用頻度が高いバックドアが、突然開かなくなることがあるようです。そんなバックドアのトラブルについて、不具合の原因と対処法などを整備士に聞いてみました。

■近年主流の「電磁式」は故障原因が分かりにくい

 ミニバンやハイトワゴンといった実用的なモデルでは、ラゲッジスペースに荷物を積みこむ機会が多く、そのとき「バックドア」を開閉します。

 そんなバックドアですが、それまで普通に使えていたのに、突然開かなくなってしまうことがあるようです。

 しかも最近のクルマはバックドアにキーシリンダーがないため、一度開かなくなると故障原因を調べるのに時間がかかるといいますが、バックドアの不具合の原因は一体何なのでしょうか。

 現在のクルマのバックドアは、そのほとんどが「電磁式」のロック機構を使用しています。

 これは、レバーにつながっているワイヤーを引っ張ることで開く「ワイヤー式」のようなアナログ構造ではなく、電子式ボタンスイッチで「アクチュエータ」と呼ばれるモーターとギアが組み合わさった機器を通じてロックを開閉するというもの。

 電磁式を採用している車種は、リモコンキーにも開閉スイッチが付いていることも特徴のひとつです。

 これまで長く採用されてきたワイヤー式は、内蔵されたワイヤーが伸びきってしまうことで動作不良が起きたり断線したりすることもありましたが、そのシンプルな構造ゆえに故障しても直しやすいというメリットもありました。

 一方で電磁式は、開閉スイッチ~配線~アクチュエータ(モーター+ギア)~ロックという、各部品のどれかが不具合を起こすと開かなくなってしまう複雑な構造をしており、いざ荷物を積んで出かけた際にバックドアが開けられなくなると慌ててしまうでしょう。

 ただし、開かないからといって必ずしもバックドアの故障とは限りません。埼玉県の整備工場に勤務するF整備士に聞いてみました。

「電磁式ドアロックはすべて電気で作動する機構です。

 単純ですが意外にも多いのが『リモコンキーの電池切れ』が原因となるケースで、その場合はバックドアだけでなくすべてのドアが反応しません。

 リモコンキーの電池を交換してみてください」

 またリモコンキーではなく、バッテリー本体が弱くなっている、または上がってしまうケースも考えられるのだとか。その場合、バッテリーをチャージすると直ることもあるそうです。

※ ※ ※

 リモコンキーの電池も問題なくバッテリーも大丈夫そうなのに、バックドアが開かないのは本格的な不具合(故障)の可能性が高いといえます。

「考えられる故障箇所はふたつあります。ひとつはスイッチまたは内蔵されるアクチュエータまでの配線切れ、もしくは該当するヒューズ切れ。この場合はどこに断線箇所があるのかをシートや内張りなどを外して検査する必要があります。

 もうひとつはバックドアなどを作動させるアクチュエータ本体の故障です。モーターがウンウン唸るだけで動かないケースもありますし、作動音すらしない場合もあります。この場合は本体ごと交換することが多いです」(F整備士)

■「パワーバックドア」が壊れると修理代はかなり高額に

 最近ミニバンなどで多く採用されているのが「パワーバックドア(電動開閉式)」です。これも機構としては通常のものと一緒ですが、重いバックドアを開閉するだけあって故障することが多い箇所。

 パワーバックドアもアクチュエータが不具合を起こして、ドアが開閉しなくなる症状が多いそうです。

電動開閉式リアゲート電動開閉式リアゲート

 故障が確認された場合はアクチュエータ本体の交換となりますが、パワーバックドア用は通常のロックだけでなく開閉作業もおこなう高性能モーターのため、修理代は10万円近くにもなることも。

 ただしパワーバックドアの場合、自動開閉にこだわらなければ手動で操作できることもあり、実際に手動で開け閉めしている人もいるようです。

 その一方、ロックさえ解除できれば使うことはできますが、パワーバックドアは重量があるだけに開けてもドアが降りてきてしまい、それによって怪我をする可能性があるので取り扱いは注意が必要です。

 この「重さで勝手にドアが閉まってきてしまう」現象ですが、経年による影響が出てきてしまうこともあるのだとか。その原因がドアを支えているダンパーの劣化です。

「バックドアだけでなくボンネットにも使用されているダンパーですが、油圧が抜けてしまい、開いた状態を保持できなくなってしまうこともあります。

 開いていると思って荷物の積み下ろしをしていると、突然バックドアが下がってきて怪我をしてしまうこともあります。

 ダンパーを使用するボンネットフードにも同様の不具合が起きることがあります」(F整備士)

 ダンパーの油圧低下ですが、定期的なメンテナンスをするような部品でもないので、余計に注意が必要です。

 当たりどころが悪ければ打撲や裂傷、骨折なんてことになりかねず、ダンパーが弱くなってきたら交換するのが安全です。

「油圧式ダンパーを分解し、オイルを注入して圧力を高めるレストア方法もありますが、手間と時間を考慮すると新品に交換したほうが良いでしょう」(F整備士)

※ ※ ※

 電磁式ロックは、ワイヤー式と比べて開閉するのに力も要らず、確実にロックできるなどメリットも多いのですが、電源がうまく流れないとお手上げ状態になってしまうというデメリットもあります。

 エンジンやバッテリーの点検は定期的におこないますが、普段当たり前のように稼働させている部品が経年劣化で故障を引き起こす原因になることもあり、気になる点があったらディーラーや整備工場などでチェックしてもらうのが良いでしょう。

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