昭和の定番「土禁車」はなぜ減った? 意味あるの? 買取査定額は「土足厳禁」の方が上がるのか
くるまのニュース / 2022年9月14日 9時10分
車内を土足厳禁にしている人をたまに見かけます。クルマの車内がきれいということは、「土禁車」にすることによって、クルマを手離すときの下取りや買取り価格があがるのでしょうか。また、かつてよく見られた「土禁車」はなぜ減ったのでしょうか。
■土足厳禁のメリットは? 査定額に影響はあるの?
クルマの車内を土足厳禁、いわゆる「土禁車(どきんしゃ)」にしている人をたまに見かけます。
クルマの車内をきれいに保ちたいという気持ちから土足厳禁にしている様子がうかがえますが、車内がきれいということは「土禁車」にすることによって、クルマを手離すときの下取りや買取り価格があがるのでしょうか。
●土禁でクルマを大切に!? クルマには、1980年代くらいまで存在していた「土足厳禁」という文化があります。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、おそらくクルマを大切に思うが故のルールであり、脱いだ靴を入れるトレーを用意するのが一般的でした。
そうしたあまり、脱いだ靴を回収するのを忘れ、駐車場に靴だけが置かれているシーンを見かけるということもよくあったようです。
当時、ちょっとヤンチャな若者達が、VIPセダンやその彼女の乗る軽自動車などを土足禁止にしていることが多かったのですが、最近はミニバンや1BOXカーなどの箱型で自宅のようにくつろげるスペースを持ち合わせている車両で、土禁にしているクルマもいるようです。
そのように大切に乗られたクルマでは、下取り価格や買取り価格は上がったりするのでしょうか。
中古車販売店の担当者は、次のように話しています。
「クルマが土足厳禁車両であったからといって、買取り価格が上がるというわけではありません。
ですが、内装がきれいであればあるほど買取り価格の査定に良い影響を与えます。
中古車の査定をする際は、持ち込み車両の査定はもちろん出張査定もしています。
その際にクルマの状態をチェックするのですが、チェックシートの項目に『土足厳禁』という項目はないため、土足厳禁であること自体が査定に影響することはありません」
実際に土足厳禁車両だったかどうかはユーザーの自己申告であるため、そこまで重要なポイントではないようです。
一方、実際に土足厳禁車両だった場合、基本的には内装の汚れは少ない場合がほとんどです。
そのため、結果として査定価格に良い影響を与えることになる可能性は高いといえます。
ただ、実際には車種や年式、走行距離といった要素のほうが査定価格に与える影響は大きく、土足厳禁であることをアピールするメリットは薄そうです。
また、昨今では半導体不足などの影響もあり、中古車価格は高騰の一途をたどっています。
そのため、担当者は「現在比較的ニーズの高いミニバンやSUVは、とくに価格が高騰していて、過去の相場は参考にならないほどになっています」と話します。
逆にいえば、いま現在は土足厳禁車両であるかどうかにかかわらず、査定価格は高いという状態です。
■土足禁止車が減った理由はフロアマットの進化にあった?
土足厳禁車が減少した理由のひとつには、フロアマットの性能の変化が挙げられます。
1980年代に一世を風靡した、「ハイソカー」と呼ばれるクルマのフロアマットはフカフカの分厚く毛足の長いフロアマットが多く見られたため、土足厳禁車にする人が多くいました。
しかし、現在では、高機能・高耐久のフロアマットが登場し、洗濯しやすくなったり、交換しやすくなったため、あえて土足厳禁にする必要がなくなったようです。
純正品やディーラーオプション品のほかに、カー用品店で販売している汎用品のものも含めると、多くの種類のフロアマットが存在します。
一般的なカーペット状の物や、高級感のある起毛タイプのフロアマットのほかに、防水・防汚性に優れていて、水洗いや拭き取りを簡単にすることができるゴムや樹脂などで出来たラバータイプのフロアマットも販売されています。
※ ※ ※
雨や雪、泥などでも気にならないゴム製のフロアマット
クルマをきれいなまま乗るための土足厳禁文化ですが、運転する際はそのまま裸足で運転することになります。
法律上は何も問題はないのですが、非常時にクルマからすぐに出なければいけない状況を考えた場合、裸足での運転は危険です。
クルマを土足厳禁とする場合は、車内にあらかじめ運転するときのための「うち履き」を用意しておくようにしましょう。
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