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うっかりでは済まない! なぜ「勝手にクルマ」が動き出す!? ベテランドライバーに多い「自然発車」の原因とは

くるまのニュース / 2022年9月18日 7時20分

クルマから離れた後に、車体が勝手に動き出す「自然発車」がおこることがあります。近年は増加傾向にある自然発車ですが、一体、どのような状況で発生しやすいのでしょうか。

■事故に繋がるケースも?注意すべき「自然発車」とは

 クルマを駐車して降車したあと、勝手に車体が動いてしまうというトラブルが発生することがあります。
 
 こうした現象は「自然発車」と呼ばれ、この現象が要因となる交通事故も報告されています。
 
 一体、どのような状況で発生しやすいのでしょうか。

 交通事故総合分析センターの「交通事故分析レポート」によると、2009年から2018年の10年間で、自然発車による交通事故が2352件発生しています。

 年間にすると平均200件ほどとなり、近年では、自然発車による死亡事故が増加傾向にあります。

 自然発車による10年間の交通事故の内訳は、重傷事故が387件、軽傷事故が1803件、死亡事故は162件です。

 交通事故全体としての死亡事故率は0.8%となっている一方で、自然発車による交通事故では、死亡事故が約11%を占めており、その危険性がわかります。

 自然発車による死亡事故では、死者の約82%が運転者自身であり、重傷事故でも約64%が運転者自身が被害者となっています。

 警察関係者によると「動き出したクルマに運転者がひかれてしまう、クルマを止めようとして止めきれず電柱や壁などに挟まれてしまうといった事故の状況が多い」とのことで、痛ましい事故の様子がイメージされます。

 なお、自然発車が発生した要因を見てみると、約92%が駐車する際のブレーキ操作などの誤りによるものとなり、クルマや道路環境ではなく、ドライバーの駐車方法が大きな課題といえそうです。

 また、一般的な交通事故(クルマの場合)では、事故時のドライバーは20代が最多となっています。

 しかし自然発車による交通事故では、事故を起こしたドライバーの年齢は60代がもっとも多く、免許取得年数で見ると10年以上経過している人が多くなっているようです。

 このことから自然発車は、免許の取得年数にかかわらず“うっかり”のミスだったり、気の緩みだったりと、ドライバーの意識の低さから発生している可能性が高いことがうかがえます。

 では、自然発車による事故は、具体的にどのような状況で発生しているのでしょうか。前出のレポートでは、さまざまな事故状況が報告されています。

 その一例として、60代の女性ドライバーが起こしてしまったケースでは、駐車場にマニュアルの軽貨物車を駐車した際、サイドブレーキを引き忘れていたためにクルマが後方に向かって自然発車しました。

 当時、女性は運転席のドアにもたれるかたちで転倒してしまい、車体が脇腹と背中に接触して怪我を負うこととなりました。

 この女性ドライバーは、免許所得から30年以上クルマを運転しており、事故現場となった駐車場も仕事のためにほぼ毎日訪れる場所です。

 女性はこの駐車場を平坦な場所だと思っていたそうですが、その後の計測により駐車場の勾配は0.9%と判明し、女性の認識とは異なっていることがわかりました。

 これを受け、交通事故総合分析センターでは「視覚的に平坦に見えても、少なからず勾配があると考え、サイドブレーキをかけて駐車するべきだった」と指摘しています。

■うっかりミスを防ぐ…自然発車を防ぐには?

 では、そんな危険性のある自然発車を防ぐには、どのようなことに注意するべきなのでしょうか。

 大前提として重要になるのが、基本の駐車方法をしっかりと守ることです。

 このことについては、交通事故総合分析センターも広く呼びかけをおこなっており、しっかりと停止状態を保つために、大きく分けてふたつの措置を挙げています。

 まず、ひとつ目が「タイヤに動力を伝えるドライブシャフトをロックする」という措置です。

 AT車ではシフトを「P(パーキング)」に、MT車では平地や下り坂では「R(リバース)」に、登り坂では1速に入れます。

 続いて、ふたつ目は「車輪が回転しないようにパーキングブレーキを使用する」ことです。

 クルマによってパーキングブレーキの形状は異なり、年式の古いモデルを中心に多く見られるレバー式や足踏みペダル式に加え、最近では、ボタンひとつで作動する電動パーキングブレーキなどもあります。

 普段から運転する愛車であれば、パーキングブレーキの場所に迷うこともありませんが、レンタカーや代車など普段運転しないクルマでは、パーキングブレーキがわかりにくい可能性もあります。

 事前にパーキングブレーキの場所や作動方法を確認しておくとともに、駐車場所にかかわらず必ず使用するように心がけましょう。

 なお、レバー式や足踏みペダル式のパーキングブレーキの場合には、しっかりと引く、しっかりと踏み込むことを意識して、強くパーキングブレーキをかけるようにしたほうが安全です。

手動のサイドブレーキは長年使っているとヘタってくることもあるため定期的なメンテナンスが必要! さらに「カチカチ」と音がするまでシッカリ引くこと!手動のサイドブレーキは長年使っているとヘタってくることもあるため定期的なメンテナンスが必要! さらに「カチカチ」と音がするまでシッカリ引くこと!

 これらの基本的な操作に加えて、坂道などではハンドルを左右のどちらかに切って駐車することや、輪止めをしっかりと固定することなどが挙げられます。

 実際に高速道路などを管理するNEXCOや、ロードサービスを展開するJAFなどは作業時において、ハンドルの左右切りや輪止めをするなどの対策をおこなっています。

※ ※ ※

 自然発車を防ぐためにも、クルマから離れる際は、適切な駐車措置をおこなうことが大切です。

 また、クルマは自然発車によって一度動き出すと、人力で止めることは困難です。

 万が一、そのようになってしまったら無理に止めようとせず、周囲に周知して事故を防ぐ心がけが必要となります。

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