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トヨタ「アルファード」「ランクル」が“新車価格超え”!? 中古車人気「爆上がり」 相場異常高騰の裏側とは

くるまのニュース / 2022年9月27日 14時10分

新車の納期遅れなどの複合的な理由により、新車価格を超えるほど中古車相場の異常な高騰が続いています。その事情の裏側についてレポートします。

■納期待ちの「ランクル」や「GT-R」が売れていても増産できない事情

 新型コロナ禍など複合的な影響で発生した世界的な自動車部品の供給不足が、過去にないほどの新車の納期遅れにつながっています。

 こうした「特殊事情」も重なり、中古車業界が今までに無いほどの大揺れとなっています。

 新車より高い中古車など当たり前で、1年前より100万円以上流通価格が上がっている車種だってザラにあります。

 なかでも相場が赤丸急上昇中なのは、カーボンニュートラルによって絶版確実な車種や、ウクライナ問題で生産遅滞が続く輸入車、納期の長いトヨタ車などだといいます。

 中古車相場の異常高騰とその理由について、いくつかの事例ごとに紹介しましょう。

 中古車相場高騰の典型的な例は、昨年2021年にデビューしたトヨタの「ランドクルーザー」(ランクル300)です。

 ランクル300は発売と同時に注文が殺到し、またたく間に「納期4年」ともいわれるほどの人気ぶりとなりました。

 直近のランクル300の中古車相場を見てみると、新車で消費税込み価格が630万円の「VX」グレードで、1300万円ほどまでに吊り上がっています。

 他のグレードもおしなべて2倍以上もしていて、一時期は2000万円以上の売り物も出ていたほどです。

 常識的に考えたら、売れるのが解っていれば最初からたくさん生産すればいいのに、と思うことでしょう。

 なぜ造らないかというと「売れなくなる時期」が見えているからです。

 環境問題の盛り上がりにより、燃費規制や騒音規制など、2026年あたりから急速にエンジン搭載車に対するハードルが高くなります。

 一般的に規制強化は新型車から適用されるのですが、次世代の燃費規制や騒音規制は継続生産車にも適用されます。

 つまり現在販売している車種も、規制強化により登録出来なくなってしまうのです。

 もっといえば、ランクル300の場合、すでに様々な規制をクリア出来なくなっており、法規的に販売出来るのは中東とロシア、日本くらいのものです(ロシアについては、無期限の輸出凍結中にあります)。

 前述の通り、販売出来る”締め切り”も決まっているため、今から車体組み立てやエンジンの部品に代表される生産ラインを増やしても、投資分を回収出来ないことから、トヨタとしても対処法が無いのです。

 同じようなことが日産の「GT-R」や新型「フェアレディZ」、ホンダ「シビック タイプR」のような少量生産車にも当てはまります。

 これらも「増産すればいいじゃないか」と思うところでしょうが、新しい生産設備を造っても、2027年には全て使えなくなってしまうのです。

 はたまた、たくさん造ることができるようになったら希少価値が薄くなり、皆さんもさほど買わなくなるかもしれません。

 そんなことで現在、入手難による中古車相場高騰が生じています。

■新車の生産が追い付かず! 人気車「アルファード」を売るなら今!?

あわせて、半導体に代表される世界的な部品不足によって、生産出来ない車種の相場も急上昇しました。

 例えば、トヨタ「アルファード」の人気グレード「ハイブリッド SR Cパッケージ」は新車価格で572万円です。

 これが新車に近い高年式・低走行距離の中古車なら、800万円以上を覚悟しなくちゃならない。

 そしてもっと驚くのが、2019年式で2万kmくらい走っていても650万円以上することです。

 先日、大手買い取り業者に聞いてみたら「2019年式以降なら、新車価格より高い値を付けさせて頂きます!」とのことでした。

販売不振のため2020年7月に生産を終了したホンダ「ジェイド」も中古車相場は高騰しているという販売不振のため2020年7月に生産を終了したホンダ「ジェイド」も中古車相場は高騰しているという

 アルファードは、ランクル300やGT-Rとは違い、大量生産モデルです。現行型もデビュー7年が経過し、いずれフルモデルチェンジすることも公然の秘密となっています。

 ただ2022年9月末現在、新車のアルファードを買おうとしてもすでに販売店ではオーダーストップしているため、事実上新車が買えない状態にあります。

 一方、来年2023年にもデビューといわれている次期アルファードも、仮にいまからオーダーを入れたとしても、部品供給不足の影響はこの先もしばらく続くはずで、納期が見えない可能性も大です。

 だったら少し高くてもいいから、いますぐ乗れる中古車にしておこう、という事情が現在の中古車高騰につながっているようです。

 現行型のアルファードを持っている人なら、いまが手放す好機ということがいえるでしょう。

 さらに驚いたのが「ジェイド」という不人気だったホンダ車です。

 売れ行き不振で2020年に終売となったこともあり、1年くらい前までは買い取り値も新車価格260万円の「RS」で、200万円を大きく下回っていました。

 けれど、今や極端な中古車不足にあります。

 特に走行距離の少ない高年式車が足りなくなっているらしく、2~3万km走っているジェイド RSで259万円といった相場。買い取り価格はイッキに50~70万円上がったといいます。

 さらに、輸入車は具体例を挙げる必要無いくらい、全般的に相場が上がっているようです。

 2年前に450万円で買ったメルセデス・ベンツ「Eクラス」の中古車を、500万円で買い取ってもらった、なんて話はザラに聞かれます。

 トラブルが出た時に猛烈な修理価格がかかるハイブリッドやPHEV(プラグインハイブリッド)に代表される「電動もの」の相場は厳しいようですが、ディーゼルのように燃費が良くて走りも良いパワーユニットだと、驚くほどの値が付いています。

 このような中古車市場の「混乱」はしばらく続きそうです。

 ここにきて、西側諸国の新車が買えなくなったロシアに向けた中古車輸出もジワジワ増えています。

 そもそも円安の影響で、日本の中古車は海外から見ればバーゲンセールのような価格といってよいでしょう。新興国のバイヤーも競うように日本で中古車を買っています。

 高値が付くようなクルマを持っているならこのタイミングで手放し、相場が落ち着くまで安いクルマに乗っておくのも面白いのかもしれません。

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