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流行りの「オフロードタイヤ」セダンやクーペには似合わない? “禁断のカスタム”ほとんど見かけない理由

くるまのニュース / 2022年10月2日 18時10分

SUVにゴツいオフロードタイヤを履かせるカスタムが流行っていますが、セダンにオフロードタイヤの組み合わせは見かけません。それは一体なぜなのでしょうか。

■セダンはゴツいタイヤを履けない?

 近年、活況を見せているのがキャンプですが、とくにクルマで行けるオートキャンプ場は、週末ともなると予約が難しいほど人気になっています。

 最近では整備されたオートキャンプ場も増えましたが、自然を活かして未舗装のままのサイト(区画)となっているところもまだまだ多いようです。

 そうなると、そこまでの相棒となるクルマの足元もオフロードタイヤを装着して悪路走破性を高めたくなるもの。見た目にもゴツゴツしたブロックパターンが、アウトドア気分を盛り上げてくれそうです。

 オフロードタイヤとは、ぬかるんだ不整地でもグリップするように、大きくて溝の深いトレッドパターンを採用しているのが特徴です。

 また、悪路に付き物の石や岩などでタイヤやホイールが破損しないように、通常のオンロードタイヤよりサイドウォール(側面)の高さと強度が高められています。

 オフロードタイヤにはいくつかの種類があり、目的別に性能が特化しています。

 悪路に強いオフロードタイヤとしてゴツゴツしたブロックパターンをしているのが「マッドテレーン」と呼ばれるタイプで、「M/T」と表記されています。

 おもにクロカン4WDに採用されており、マッド(泥地)でも深い溝でグリップ力を確保。また岩や石などの衝撃にも耐えられるようにタイヤ側面の強度も高められているのが特徴です。

 ただしゴツゴツブロックのトレッドはオンロードでは乗り心地が悪化し、タイヤノイズも大きくなります。

 もうひとつは、オフロード性能とオンロード性能をバランス良く仕上げている「オールテレーン(A/T)」です。こちらもSUVやクロスカントリーモデルに多く採用されているもので、快適性も高く、オンロード性能を意識したオフロードタイヤです。

 A/Tをさらにオンロード寄りにし、高速道路での走行を念頭に耐摩耗性を考慮したタイヤが「ハイウェイテレーン(H/T)」です。

※ ※ ※

 見た目のゴツさを演出でき、なおかつオフロードも走れるとあってオフロードタイヤを装着するSUVは多いのですが、セダンやクーペと組み合わせる人はほとんど見かけないのが現状です。

「セダン+オフロードタイヤ」はあり得ない組み合わせなのでしょうか。そもそもできないのか、それとも単にしないだけなのか、組み合わせたらどうなってしまうのでしょうか。

 そこで「セダン+オフロードタイヤ」という禁断の組み合わせについて、本格的なカスタムの相談もできる都内のクルマ販売店のK店長に聞いてみました。

「オフロードタイヤは、その性質上サイドウォールが高くなり、扁平率も60以上のものが多いです。

 タイヤハウスのなかに収めるためにはタイヤの外周を純正サイズに合わせる必要があります。

 たとえば純正タイヤが16インチの50タイヤあたりなら、14インチの65タイヤといった具合に、ホイールサイズをインチダウンする必要があります」

 また通常のセダンやクーペは、SUVやクロカンのように最低地上高を高めに確保しておらず、足回りのセッティングもオンロード向け。履かせること自体は可能ですがチグハグ感は否めなくなります。

「皆さんホイールのインチダウンはなかなかしたがらないです。また最低地上高も確保していないセダンでオフロードに行くのかという疑問もあります。

 リフトアップなど足回りをカスタムしないままノーマルの高さでオフロードタイヤを履かせても、下回りはガツガツ当たってしまう可能性が高いでしょう」(クルマ販売店 K店長)

■リフトアップすれば可能?

 セダンにオフロードタイヤを組み合わせるのは、ビシッと着こなしたビジネススーツに、ゴツゴツのトレキングシューズを履くようなもの。見た目だけでなく、目的が違うもの同士の組み合わせは、いわゆるミスマッチになってしまうようです。

横浜ゴムが制作した「フェアレディZ」の本格的オフロードモデル横浜ゴムが制作した「フェアレディZ」の本格的オフロードモデル

 しかし、セダンやクーペでもオフロードタイヤを組み合わせてみるのもアリな気もします。

 ただしその場合は、装着する車両がオフロード走行にも適している4WDで、かつ足回りをオフロードタイヤ装着に合わせてリフトアップするという条件つきになりそうです。

「実は、セダンやクーペをリフトアップさせる手法がアメ車カスタムにはあります。東海岸のマイアミなどで流行した『DUNK(ドンク)』と呼ばれるカスタムスタイルです。

『ハイライザー』や『サウス系』などと呼ばれることもありますが、その場合はセダンやクーペの足回りを極端にリフトアップして、25インチ以上の大径ホイールと扁平率が30前後の薄いタイヤを組み合わせます。

 実際そういったスタイルも存在しており、セダンの足回りをカスタムしてゴツゴツのオフロードタイヤを履かせるのもアリかもしれません」

 つまり、リフトアップ+オフロードタイヤの組み合わせは新しいカスタムで、たとえるなら「和製DUNK」になり得るのだとか。

 ではノーマルの足回りのままでセダンにオフロードタイヤを履かせたらどうなるのでしょうか。神奈川県のH整備士に聞いてみました。

「タイヤ自体の性格が違うので正解が難しいとは思いますが、そもそもホイールハウス内に収まるサイズにできるかという問題があります。

 またサスペンションのストロークもタイヤ自体の衝撃吸収力も違うでしょうし、フェンダー内側にも加工を施さないとハンドルが切りにくくなる恐れもあります。

 オールシーズンタイヤには『M+S』性能を持たせたSUVタイヤがあり、サイズが合えばセダンにも履かせることはできますが、今度はタイヤの強度に対して車重が足らず落ち着かない、いわゆるピョコピョコ跳ねる感じになって乗り心地は悪化するでしょう。

 やはりセダンはオンロードタイヤか、雪道を走るならスタッドレスタイヤを履かせるほうが良いのではないでしょうか」

※ ※ ※

 普通のセダンにゴツゴツしたオフロードタイヤは必要ないと思いますが、ドレスアップとしてであれば、足回りをカスタムしてリフトアップやオフロードタイヤの装着にチャレンジするのも面白いかもしれません。

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