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自分のクルマで「配送業」が可能に!? 5ナンバー車の規制緩和へ それでも存在する「黒ナンバー」条件とは

くるまのニュース / 2022年10月2日 11時10分

国土交通省は、2022年10月から軽貨物運送事業における「軽乗用車の使用」を解禁する方針を打ち出しました。従来の規制を緩和することになる今回の方針ですが、軽貨物運送が可能となるに至った背景は何なのでしょうか。

■軽貨物運送事業でも軽乗用車を使っていい? 10月から新制度開始

 コロナ禍で小口配送の需要が急増したことにともない、「黒ナンバー」の軽バンや軽トラックを街で見かける機会も増えました。
 
 これは「貨物軽自動車運送事業」の届出をおこない、軽貨物運送を認められた運送業者の車両です。
 
 2022年10月、この軽貨物運送業が「軽乗用車」でもOKとなり、参入のハードルがグッと下がるといいます。

 これまで軽貨物運送に使われるクルマは、軽トラックやバンタイプの軽貨物車、あるいは、125cc以上のバイクの利用が条件とされていました。

 しかし、2022年8月はじめに軽乗用車を利用して軽貨物運送ができるようになる規制緩和案が発表されており、予定では、10月にも新制度が施行されます。

 ここでポイントになるのが、軽貨物運送に使われるクルマのナンバーです。

 これまでは「4ナンバー」の軽商用車でないと使用できなかったのですが、今後は「5ナンバー」の軽乗用車も使用できるようになりました。

 クルマには、用途や車両の大きさによって0から9番の分類番号と呼ばれる番号が振り分けられています。

 小型の軽貨物運送に使われるクルマは、ナンバープレート上部で地域名の隣に小さく書かれた番号の最初の1桁目が「4」になっています。

 例えば分類番号「3」は普通乗用車、「5」は小型・軽乗用車です。

 3ナンバーや5ナンバーが人の移動手段として使われるのに対し、4ナンバーは物の輸送を目的としているという違いがあります。

 今回、軽貨物運送でも5ナンバーである軽乗用車の使用ができるようになると、運送業界に大きな影響を与えることが予想できます。

 まず、軽貨物運送に参入するドライバーの増加が予想されます。

 積載できる貨物重量は、4人乗りの軽乗用車の場合165kgとなる予定です。

 20kgのダンボールだと8個しか積めない計算となりますが、すでに所有している軽乗用車を活用して副業を始めるというかたちならば、参入を考える人もいるかもしれません。

 実際に、新型コロナウイルスの影響で職を失ったり休業したりした人のなかには、副業やアルバイトとして自転車を利用した飲食物の配達を実施している人もいます。

 ただしその結果、規制緩和のしわ寄せを受ける事業者も出てくることが予想されます。

 とくに、いままで専業で軽貨物運送をおこなってきたドライバーは不利益を受ける可能性もあります。

 さらに、副業やアルバイトという位置づけのため、低運賃でも仕事を引き受けるドライバーが増えれば、全体的な運賃水準が低下してしまうおそれもあります。

 また、参入ドライバーの増加により、競争が激しくなるかもしれません。

 くわえて、万が一、サービスの質が低いドライバーが増えてしまった場合、軽貨物運送に対するイメージ低下をもたらします。

 このように規制緩和はメリットばかりではなく、デメリットも持ち合わせています。

■国土交通省が規制緩和に至った背景とは

 軽乗用車を利用した軽貨物運送ができるようになる規制緩和にはメリット・デメリットの両面がありますが、それでも国土交通省が改正に至ったのはなぜなのでしょうか。

 その背景について、国土交通省自動車局の担当者は、以下のように話します。

貨物軽自動車運送事業の届出をすれば、黒地の専用ナンバープレートが交付されます[画像はイメージです]貨物軽自動車運送事業の届出をすれば、黒地の専用ナンバープレートが交付されます[画像はイメージです]

「軽貨物運送に関する規制緩和が実施される背景にはさまざまな要因が考えられるため、はっきりとお答えすることは難しいです。

 ただ、新型コロナウイルス等の影響により、衣服や便利商品のみならず、食料の配達サービスの需要が急増しています。

 このことからも、軽自動車で配達が可能になれば、よりサービスの向上にも繋がるのではないかと思います」

 ネット通販の拡大に加え、フリマアプリの普及など、インターネットで物を売り買いする人は年々増加していますが、ここ数年は新型コロナウイルスの影響でその伸びに拍車がかかっています。

 とある軽貨物運送会社は、ドライバーを新規雇用することによって需要に応えようとしていますが、なかなか思うように進まない事情もあるようです。

 そこで、副業やアルバイトとして軽貨物運送事業を始めようとする人の流れをつくろうという方針に至ったことが考えられます。

 ただし、日本では自転車や原付バイクでの運送を除く軽貨物運送事業を、無断で始めることは認められていません。

 とはいえ、運送事業を始めるための敷居はけっして高くありません。

 大型トラックなどを使用した運送業が審査を伴う許可制なのに対し、軽貨物運送業は届出制なため、より多くの人が事業を始めることができるのです。

 貨物軽自動車運送事業の開業を届け出て、黄色い軽乗用車のナンバープレートを黒地の専用プレートへ変更する必要がありますが、地域の運輸支局(陸運局)に必要書類を提出し、車検証やナンバープレートの交付をおこなうといった手順を踏めば、個人でも開業できます。

※ ※ ※

 前出の担当者は「通常のトラック輸送に加えて、軽自動車を利用した配達方法も選択肢として挙げられることによって、より今後の配達の幅が広がるのではないかと思います」といいます。

 衣服のみならず、食料の配達までも頻繁に見かけるようになった現在、軽乗用車を利用した軽貨物運送が流行りになるかもしれません。

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