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伊豆の「ぐるぐる道」なぜできた? 高低差45mを一気に克服する「河津七滝ループ橋」の誕生経緯

くるまのニュース / 2022年10月8日 11時50分

静岡県の伊豆を南北に走る国道414号に「河津七滝ループ橋」というループがあります。全国的にも珍しい同じ所を2周するループですが、どのような経緯で造られたのでしょうか。

■元はつづら折りの道だった

 全国には道路のループ橋が複数ありますが、その中でも特に有名なのが、静岡県の伊豆にある「河津七滝ループ橋」でしょう。

 その特徴的な見た目から、観光名所としても知られています。なぜ、このようなループ橋が建設されたのでしょうか。

 河津七滝ループ橋は、静岡県河津町にある全長1064m、高低差45m、直径80mの巨大な2層ループ橋で、正式には「七滝高架橋」といいます。

「天城越え」で有名な国道414号が通る河津七滝ループ橋は、雄大な自然の中でもひと際目立つ道路構造物です。

 この河津七滝ループ橋は、1981年に建設されました。その目的は、道路の高低差を克服するためです。

 もともと、国道414号は静岡県道13号修善寺下田線として、東側をつづら折りの山道として通っていました。しかし、1978年に発生した伊豆大島近海地震によって土砂崩れが発生し、道が寸断されてしまったのです。

 被災前のように道を復旧しても、今度また土砂崩れが起きたら同じように道が寸断される恐れがあります。そこで、安全かつ限られたスペースで高低差45mを解消するため、新たにループ橋が採用されることになりました。

 河津七滝ループ橋が建設されたことで幹線道路として問題となっていた通行障害が解消され、1982年には県道から国道へと格上げされました。

 河津七滝ループ橋の特徴は、なんといってもそのきれいな2層ループです。

 ループ橋自体は、高速道路のJCTやICなどでもよく見られますが、河津七滝ループ橋のように同じ場所を2周するループは、全国でも比較的珍しい構造です。

■なぜ2重ループが採用されたのか?

 これは、限られたスペースで45mの高低差をなくすため、直径80mという、ループ橋の中ではコンパクトな円で建設されているためです。

 きれいな2層ループにすることで距離を稼ぎ、傾斜を緩やかにしています。制限速度の40km/hで走行すると、さながらアトラクションのような体験ができるでしょう。

 河津七滝ループ橋は、6基の橋脚によって支えられており、ループ橋部分は3径間連続曲線箱桁4連で構成されています。その構造や耐震性から、優れた橋梁に贈られる土木学会田中賞を受賞しています。

国道414号の河津七滝ループ橋と河津桜(画像:写真AC)国道414号の河津七滝ループ橋と河津桜(画像:写真AC)

 河津七滝ループ橋は、橋そのものがひとつの観光名所となっています。橋の下にある駐車場にクルマを停めて、橋をゆっくり眺めるのも良いでしょう。

 また、河津七滝ループ橋付近には、河津桜や河津七滝のような観光名所もあります。

 河津桜は、1月から2月にかけて開花が始まり、3月上旬まで見頃です。特に4kmにわたって850本もの河津桜が咲き誇る河津川沿いは、圧巻の景色です。

 河津桜は河津七滝ループ橋からも見られ、開花の季節に開かれる「河津桜まつり」の会場のひとつにもなっています。河津七滝ループ橋をドライブしながら桜を楽しむのも良いでしょう。

 また、河津七滝ループ橋という名前の通り、近くには河津七滝と呼ばれる滝があります。また、付近は温泉街となっているため、滝を眺めて歩き疲れた体を温泉で癒すことも楽しみ方のひとつでしょう。

 次の7つの滝が、河津七滝と呼ばれています。

釜滝、エビ滝、蛇滝、初景滝、カニ滝、出合滝、大滝

 河津温泉と河津七滝は、川端康成の『伊豆の踊子』でも有名です。初景滝には、踊り子と青年の像が設置されています。

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