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走行中に飛び石が直撃! フロントガラスの傷・ヒビはかなり危険! 修復可能な傷はどの程度?

くるまのニュース / 2022年10月22日 14時10分

フロントガラスに小さなクラックやヒビが入ると車検に通らないこともあります。飛石でできたクラックはどの程度までなら修復可能なのかなど、ウインドウリペア専門店のスタッフに聞いてみました。

■運転席側にあるヒビは車検でほぼアウト

 クルマで走行中、フロントガラスに小さなクラックやヒビ、筋状の傷があることに気付くことがあります。

 実はこのクラックやヒビ、傷を放置しておくのはかなり危険です。

 まずはフロントガラスにクラックやヒビ、傷などができる原因として多いのが、高速道路で走行中に飛んできた小石などがフロントガラスに当たるケースです。

 車間距離が短かったりすると前走車の巻き上げた小石が直撃することがあり、高速で走行している状態では飛び石は避けられません。小石程度ならまだしも、大きめの石や何かしらの落下物などが当たると、フロントガラスにクモの巣状の亀裂が入ることもあるようです。

 ちなみに、クラックには本来「ヒビ割れ」や「亀裂」という意味が含まれているのですが、ことフロントガラスの修復に関しては、表面に薄い穴のようにできる傷をクラック、縦横に亀裂が入る状態「ヒビ(割れ)」と呼びます。

 飛び石のほかに考えられるのが、劣化、またはゴム部分が破損したワイパーによる筋状の傷で、ワイパーの軌道に沿って曲線状の傷が付くことがあります。

 このワイパーゴム部分の損傷が経年劣化だけでなく、クラックによってワイパーのゴム部分を破損させることもあり、今度は傷付いたワイパーがフロントガラス表面に傷を付けてしまうという負のループ状態になることも。

 そんなクラックやヒビ、傷などがある状態だと走行中に視界が遮られるだけでなく、車検に通らないことがあります。都内のウインドウリペア専門店のスタッフSさんに、何を基準に車検の合否が決まるのかを聞いてみました。

「車検の判断基準となるのが、『道路運送車両保安基準』第195条(窓ガラス)です。そのなかで、損傷した場合でも運転者の視野を確保できるものであることと、容易に貫通されないものであることと記載されています」

 クラックやヒビ、傷などはこのうち「損傷した場合でも運転者の視野を確保できるものであること」に該当する部分で、ウインドウの運転席側にある場合はかなりの確率で検査官の目視判断でアウトになるといいます。

 米粒程度のクラックや薄い筋状の傷はセーフ、小さくてもヒビが入っている場合はほぼ確実にアウト(車検不合格)になるそうです。

「クラックや傷などと違い、ヒビは走行によって亀裂が大きくなる危険性が高いと判断されるためです。

 実際、走行中の振動や温度差によって亀裂が広がることが多いんです。

 また、亀裂に雨などで水分が入ると一気に広がり、走行中の視界を遮ってしまう危険性があるため、どんなに小さくても補修か交換をする必要があります」(ウインドウリペア専門店 Sさん)

■ヒビは大きさによっては修復可能

 フロントガラスのクラックやヒビは、どの程度なら補修が可能なのでしょうか。

「一般的な補修可能な目安は直径1.5cm以内程度。ただし、運転席の目の前やウインドウの端部分、エアコンの吹き出し口に近い箇所は修復が難しいといわれています。

 運転席の目の前のガラスは、凹みを埋める『レジン』を流し込んでも歪みが出やすく視界が良好とはいえない可能性がありますし、ウインドウの端はボディからの振動が伝わりやすく、エアコンの吹き出し周辺は温度変化の影響を受けやすいため修復が困難なのです」(ウインドウリペア専門店 Sさん)

線状に入ったヒビ線状に入ったヒビ

 また1.5cm程度のヒビもレジンを流し込むことで傷を目立たなくすることが可能ですが、これを超えるような大きさになってしまったヒビは修復できず、ガラスごとの交換が必要になることが多いようです。

「たいていの飛び石であれば補修可能なことが多いのですが、倒木や大きな落下物など、大きくて重いものによってできた上下または左右に亀裂が走ったヒビは、安全や視界確保の観点からもガラス交換となります」(ウインドウリペア専門店 Sさん)

 その点、劣化ワイパーでできた筋状の傷は浅いので比較的補修がしやすいそうです。ただしこれも傷が長くなると、補修した歪みが目立ってしまうこともあるそうです。

 修復に使われるレジンとは樹脂を主成分とした補修剤。このレジンには2種類あり、硬化までの工程と時間に違いがあります。

「大まかに主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで固まる『エポキシレジン』と、UVライトで紫外線を照射することで硬化する『UVレジン』の2種類があります。

 エポキシは透明度が高く厚みが必要な傷には最適で、UVレジンはUVライトを当てると数分で硬化するという作業時間の短さが魅力。弊社では主にUVレジンを補修剤として使用しています」(ウインドウリペア専門店 Sさん)

 クラックや傷の修復するため、さまざまなリペアキットが販売されていますが、DIYでもできるものなのでしょうか。

「ポイントは大きく分けてふたつあり、ひとつは修復液のレジンを使う前に、クラックやヒビ、筋状の傷などをきれいに洗浄して不純物を取り除くこと。

 また水分も完全に無くしておきたいところですし、パーツクリーナーなどでガラスの表面に付いているコーティングなど油膜も除去しておく必要があります」

 パーツクリーナーは、揮発性の高いアルコールで油分を分解除去してくれるもので、量販店やホームセンターなどで手軽に購入できます。

「ふたつ目のポイントは真空引きという技を使うこと。たいていのリペアキットには同梱されていますが、傷部分を外部から遮断し、文字通り真空状態を作り出す器具です。

 とくにヒビなどの場合、この真空引きをしないと傷口に空気が残った状態ですとレジンとの間に混入してしまうため、気泡になってしまう可能性があります。

 真空引きで空気を取り除き、修復液であるレジン注入で加圧、また傷の奥にある空気を吸い出すために真空引き、といった具合に数回繰り返すことで傷やヒビの隅々までレジンが入っていってくれます」(ウインドウリペア専門店 Sさん)

 真空引きが上手にできるかで仕上がりにかなり差が出るとのこと。DIYでトライしてみようと考えている人は慎重に作業することをお勧めしますが、自身がない人はやはりプロに依頼するのが良さそうです。

 気になる予算は、数センチ程度の傷ならレジンを使った補修で1か所1万5000円ほど。市販のリペアキットは5000円以下で購入できますが、この差額がプロの技術料と納得できる人はプロに頼んだほうが間違いないでしょう。

 またウインドウ全体の交換は(車種によって金額が変わるものの)10万円前後で収まればラッキーというくらい高額になります。

 保険の内容次第では車両保険でカバーすることもできますが、その場合は等級が下がり、「事故あり係数」と呼ばれる割増引率も上がってしまうので保険を使うかは検討する必要がありそうです。

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