「サンキューハザード」本当はやらない方がいい!? 本来の「正しい使い方」 ハザードだけじゃない「ありがとうサイン」
くるまのニュース / 2022年10月31日 9時10分
クルマの運転で道を譲ってもらった時などに、赤い三角形ボタンの「ハザードランプ」を複数回点滅させてお礼をする「サンキューハザード」をおこなっている人は多いかもしれません。しかしこのサンキューハザードは、本来のハザードランプの使用方法とは異なるといいます。
■「サンキューハザード」は間違い!? 取り入れたい「お礼の仕方」は
クルマで道を譲ってもらった際、相手に感謝の気持ちを伝えるためにハザードランプを点滅させる人もいるでしょう。
日常的に使われている「サンキューハザード」ですが、ハザードランプ本来の使用方法と異なり、交通違反ではないかとの声も聞かれます。
では感謝を伝える場合に用いられるサンキューハザードは、交通違反に該当するのでしょうか。
クルマを運転していると、周囲のクルマに道を譲ってもらうことがあるでしょう。
そうした場合には、ありがとうのサインとしてハザードランプを点滅させている人もいるかもしれません。
これは「サンキューハザード」と呼ばれるものです。
トラックドライバーのコミュニケーション手段が一般化したといわれており、車線変更や本線への進入を譲ってもらった場合などにハザードランプを2、3回点滅させて「感謝の意思を示す」方法として使われています。
このように、ハザードランプはコミュニケーションを取る手段として用いられていますが、そもそもどういった目的の装備なのでしょうか。
国家公安委員会の告示「交通の方法に関する教則」では、トンネルの中や濃い霧の中など50m先が見通せない場所に駐停車する場合や、クルマの故障などにより道路にやむを得ず駐停車する場合、ハザードランプやパーキングランプなどを点滅させるように示されています。
高速道路では、故障車に後続車両が追突する事故が多発しているため、日中の時間帯であってもハザードランプを点滅させて後続車に故障や事故の発生を知らせることがポイントのひとつです。
またクルマの運転中に緊急地震速報が発表された場合にも、慌てずハザードランプをつけるなどして周囲の車両に注意を促しながら緩やかに速度を落とすことが推奨されています。
このほか道路交通法施行令第18条と第26条において、夜間に幅5.5m以上の道路に駐停車するとき、通園通学バスの乗降時のために駐停車させているときについても、点滅することが定められています。
ハザードランプは、「非常点滅表示灯」という正式名称で、上記のように非常時に後続車などに自分のクルマの存在を知らせるために点滅させることが基本といえます。
では、ありがとうのサインとして用いるサンキューハザードは交通違反となるのでしょうか。
結論から言うと、「その行為のみをもって交通違反とはいえない」と考えられます。
サンキューハザードは法律に定めのない使用方法ですが、その行為によって他の人に危害が及ぶ可能性は低いため、交通違反と判断するのは難しいでしょう。
ただし道路交通法第70条「安全運転の義務」では、車両等の運転者は、その車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならないことが定められています。
「その他の装置」にはもちろんハザードランプなどの灯火類も含まれており、ハザードランプをむやみやたらに点滅させながら運転し、結果的に他人に危害を及ぼすような事態となれば、交通違反と判断される可能性はゼロではないでしょう。
このように、サンキューハザードは一般的に危害が及ぶ可能性は低いため、交通違反に該当するケースは少ないといえます。
一方で、お礼のサンキューハザードをつけたまま消し忘れているケースなども散見され、「故障車なのか?」「どこかに停車するのか?」など後続車両を混乱させる原因となってしまう可能性もあります。
また「サンキューハザード」と名付けられていることもあり、ありがとうのサインにはハザード点灯以外分からないという人もいるかもしれません。
しかしサンキューハザード以外にも、周囲のクルマに対してのお礼の方法はさまざまあります。
例えばハンドサインや会釈、アイコンタクトなどの方法が挙げられます。
道を譲ってもらったときには、大きく手を挙げる、相手の目を見て軽く会釈 するなど、明確なジェスチャーをすれば相手に確実に伝わるでしょう。
ハザードでありがとうを示す行為は本来のハザードランプの使用方法とはいえないため、別のありがとうのサインを用いるほうが伝わりやすいといえます。
※ ※ ※
ちなみにお礼の方法のひとつとしてクラクション(警音器)を軽く鳴らすドライバーを見かけることがありますが、道路交通法第54条第2項では道路標識によって指定された場所や危険防止のためやむを得ない場合以外では警音器を鳴らしてはならないとされています。
クラクションでお礼をすることはこの違反に該当する可能性があるため、望ましい方法ではないといえるでしょう。
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